はじめに
皆さんは自律神経の働きについてご存知でしょうか? 自律神経は植物神経系とも呼ばれ、内臓機能や血圧や心臓、呼吸の調節など、身体機能の安定を保つための調節機能を受け持っています。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
交感神経は活発に活動している時に優位に働き、筋肉の緊張を高めたり、心拍数や血圧を上げたり、呼吸を増やしたりして、身体が運動しやすい様に調節します。
副交感神経はゆっくりと休んでいる時に優位に働き、筋肉の緊張を抑えたり、消化機能を高めたり、末梢の血流を良くしたりして身体が良く休める様に調節します。
交感神経: 活発に活動している時に優位に働く
副交感神経: ゆっくり休んでいる時に優位に働く
コアマッスルと交感神経の関係について!
BodyParts3D © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本
人の身体を動かす筋肉にはアウターマッスルとコアマッスルがあります。
アウターマッスルは大胸筋や上腕二頭筋、大腿四頭筋などの大きな筋肉で、手足を力強く動かす働きを持っています。
それに対してコアマッスルは棘下筋や梨状筋、多裂筋などの関節の付け根付近にある小さな筋肉で、関節の微妙な運動の調整や筋肉からの感覚センサーの働きを持っています。
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ここでコアマッスルと自律神経の関係に注目します。
まずはコアマッスルは、背骨の周囲にある多裂筋から肩や股関節の周りにある棘下筋や梨状筋、あるいはそれより先の肘や膝や手や足のコアマッスルとなんらかの連携を持って、お互いの情報のやり取りがあるようなのです。
そして最終的には、背骨の周囲の多裂筋から、同じく背骨の脇を通っている交感神経幹に、その筋肉の感覚センサーの情報が伝わるらしいのです。(らしいと言わせていただいたのは、まだ完全にその働きが証明されていないためです)
(交感神経幹)
(多裂筋)
つまり自律神経(交感神経幹)と身体の感覚をセンサーしているコアマッスル(多裂筋)とは連携して、筋肉の緊張や運動の調節を行っているようなのです。
脳卒中の発作時に自律神経とコアマッスルはどうなるか?
脳卒中の急性期には、当然ですが身体は生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされています。
脳みその中で血管が破裂したり詰まったりして、大事になっているのですから、当たり前のはなしですよね。
身体の最高レベルの司令塔である脳の機能が障害されることで、血圧を維持したり、呼吸や血液の流れを調整したり、消化機能を動かして栄養を確保したりの身体の活動が上手くいかなくなります。
そして調整が上手くいかないことで、手足が浮腫んだり、全身の筋肉が緊張したりします。
特に筋肉に関しては交感神経の緊張と浮腫と長期間の安静による固定でコアマッスルはガチガチに硬くこわばってしまいます
そしてこのコアマッスルのこわばりは、普通のマッサージや筋力トレーニングなどの運動では解消が難しく、急性期の危険な状態を過ぎて身体の機能が安定した後でも、放っておけばその後何年間もこわばり続けてしまいます。
そして手足や背骨の周囲のコアマッスルが緊張し続けることで交感神経も緊張してしまい、その交感神経の緊張がさらに手足や背骨の筋肉を緊張させてしまうという悪循環に陥ります。
自律神経機能がおかしな状態のまま退院!
このような状態で皆さんの多くは病院を退院してくるのです。
ですから家に帰って「これからもっと歩けるように頑張ろう」と張り切って家の周りをグルグルまわって歩行練習をするのですが、数週間もすれば、膝や腰が痛み出して短い距離も歩けなくなってしまう場合があります。
そうです「キチンと身体の機能を整えて運動負荷に耐えられるコンディショニング」を怠って「無理な歩行練習を強行」してしまったのですから当然なのです。
でも皆さんはちっとも悪くないのです。
なぜなら退院するときにそう言ったことを誰も病院で教えてくれなかったのですから。
今からでも遅くありません!
もしこれをお読みになっているあなたや、あなたのご家族が、退院後のリハビリに自信を失って不安になっていたとしても大丈夫です。
これからキチンと身体の機能を整えて、運動を頑張っていける身体を作り直せばいいのですから。 その方法をこれから分かりやすく解説していきますので、安心してください。
次回は自律神経機能を整えて痛みや筋肉の過剰な緊張が出にくい身体作りのためのリハビリテーション方法をご説明していきます。
内容としては首、肩、腰、膝にある重要なコアマッスルの効果的なマッサージと調整体操の具体的なやり方について解説します。
このメニューは最終的には麻痺を改善させるための神経促通アプローチを行う上でも下準備としてとても重要です。
これらのメニューは自主トレですが、キチンと行えばちゃんと効果が出ますので、しっかり覚えて頑張ってやってみてください。 それほど難しくはありませんから。
次回は
について解説いたします。
最後までお読みいただきありがとうございます
注意事項!
この運動は、あなたの身体状態を評価した上で処方されたものではありません。 ご自身の主治医あるいはリハビリ担当者にご相談の上自責任にて行ってくださるようお願い申し上げます。
脳卒中片麻痺の自主トレテキストを作りました!
まずは第一弾として皆様からご要望の多かった、麻痺側の手を動かせるようにしたいとの声にお応えするために、手のリハビリテキストを作りました。
手の機能を改善させるための、ご自宅の自主トレで世界の最先端リハビリ手法を、手軽に実践する方法を解説しています。
超音波療法や振動セラピー、EMS療法による神経促通など、一般病院ではまず受けられないような、最新のリハビリアプローチが自宅で実行できます。
現在の日本国内で、このレベルの在宅リハビリは他にはないと思います。
そしてこのプログラムは施設での実施にて、すでに結果が認められています。
あとは皆さんの継続力だけですね。
テキストは電子書籍になっており、インフォトップと言う電子書籍の販売ASPからのダウンロードになります。
全180ページに数百点の写真と3D画像などで分かりやすく解説しています。
コピーが容易な電子書籍の性格上、少し受注の管理やコピーガードなどが厳しくなっていますが、安全にご利用いただくためですの、ご容赦くださいね。
ぜひ一度お試しください。