脳卒中リハビリ

振動セラピーで脳卒中片麻痺の上肢筋肉の緊張を落とす方法

振動セラピーで脳卒中片麻痺の上肢筋肉の緊張を落とす方法

 

 

はじめに

 

今回は振動セラピーを利用した脳卒中片麻痺の上肢の筋緊張を和らげる方法について御紹介します。

 

脳卒中片麻痺の筋緊張を和らげる!

皆さんもご経験があると思いますが、脳卒中発症後ある程度の期間が経過してから麻痺側あるいは両側性に上肢の筋緊張が高まって、場合によっては肩や腕の痛みが増悪する場合があります。

これは脳卒中片麻痺による痙性麻痺が悪くなってしまったわけではありません。

これは脳卒中の後遺障害により自律神経機能がおかしくなってしまっているために、筋緊張が高まりやすくなっているため、少し無理をすると肩や腕の筋肉が凝ってしまうことで起こります。

ですからこの肩や腕の筋肉のコリをほぐすことで、麻痺側の上肢の筋緊張を和らげることができるのです。

この筋緊張を和らげるために筋肉のコリをほぐす方法として振動セラピーを活用します。

 

 

筋肉のコリに対する振動セラピーの活用

筋肉のコリをほぐす方法の一つとして、筋線維への血流の改善とリンパ液の還流が挙げられます。

つまり凝り固まった筋肉の中に溜まっているリンパ液を流してやりながら、筋線維への血流を改善することで、筋肉への酸素やエネルギーの供給と老廃物の除去を促すことで、筋肉のコリをほぐすのです。

振動セラピーにより細かい振動を筋線維に与えながら筋肉の収縮活動を行わせることでこれらの筋肉への血流の改善とリンパ液の還流を改善する効果が期待できます。

 

 

自宅での振動セラピーの自主トレには特別な機材が必要なの?

病院のリハビリセンターで振動セラピーを行うためには、大変高価な専門機材が必要になります。 ですが今回は私が必死に知恵を絞って考えた結果、皆さんが自宅での自主トレとして振動セラピーを行うのに、以下に挙げるような簡単な機材のみで振動セラピーが可能になりました。 ご自宅での振動セラピーを行うために必要な機材は以下のようなものです。

 

振動セラピーに必要な機材

  1. 中型犬のお散歩用のリード(2本)
  2. 犬の赤ちゃん用首輪(2個)
  3. 小型のマッサージ用バイブレーター(2本)
  4. L字金具(2個)
  5. 小型のカラビナ(2個)
  6. タコ足配線用の電源タップ(1個)

必要な機材は以上です。 さああなたも今すぐ家電量販店とホームセンターにゴー!

 

ご自宅での設置方法は以下を参考にしてください。

スリングの設置と設定

① 部屋の鴨居などに L字型のフックを 90 cm 間隔で2個並べてつけてください。 そこから中型~大型犬用のお散歩用リードを垂らして、持ち手側の輪を下になるようにします。

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(L字型フックを設置します)

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(フックにリードの金具を引っ掛けます)

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(リードの長さを調整する方法)

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(犬用のお散歩用リードを垂らします)

子犬用首輪1

(赤ちゃん子犬用の首輪を用意します)※ 首輪周り10〜15 cm用

子犬用の首輪2

(首輪を台紙から外して付属の鈴を取ります)

子犬用の首輪3

(首輪のサイズを一番小さくなるように調節します)

カラビナ1

(小さめのカラビナを用意します)

カラビナ2

(カラビナと犬の首輪を繋げます)

バイブレーター1

(小型のバイブレーターを用意します)※ バイブレーターはもっともオーソドックスな小型の物をご用意ください!

バイブレーター2

(バイブレーターの首の部分に犬の首輪を巻きつけます)

バイブレーター3

(同じものを2本ご用意ください)

バイブレーター4

(カラビナを利用してスリングにバイブレーターをぶら下げます)

バイブレーター5

(二つ並べてぶら下げます)

※ 初期設定は以上です!

 

振動セラピーで脳卒中片麻痺の上肢筋肉の緊張を落とす方法

開始姿勢

  1. まずは麻痺側の手をリードの輪に通し麻痺側の指でリードをつかみます。
  1. さらに健側の手をリードの輪に通し健側の指でリードをつかみます。
  1. 両手の高さは両耳の高さに調節します。
  1. 左右の肘から力を抜いて、肘を両脇につけるようにしながら肘を下に降ろしておきます。

 

上肢の筋肉のコリに対する振動セラピー

1. はじめに両側のバイブレーターのスイッチを入れ、腕の力を抜いて動かさずに5分間リラックスします。

2. まずは開始姿勢から胸の前で左右の肘を近づけたり離したりを細かく繰り返します。

3. ついで左右の肩と肘を揃えて後ろに引きつけるようにしてから元の位置に戻す動作を繰り返し行います。

4. 最後にリードを持った手と肘をブラブラとゆするようにして左右の腕全体をリラックスさせます。

5. これらの3種類の運動をそれぞれ5分づつ順番に行います。

 

※ これらの運動を行う上で、常にリードの弛みができないように注意してください。

※ あくまでも運動はリードの揺れに合わせる形で、なるべくリラックスしながら行います。

 

脳卒中片麻痺への上肢の筋肉のコリに対する振動セラピーは以上です!

 

次回は

「脳卒中片麻痺の弛緩性麻痺に対する振動セラピーの効果」

についてご説明します。

 

最後までお読みいただきありがとうございます

 

注意事項!

この運動は、あなたの身体状態を評価した上で処方されたものではありません。 ご自身の主治医あるいはリハビリ担当者にご相談の上自己責任にて行ってくださるようお願い申し上げます。

 

 

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