リハビリ裏話

本当に助けが必要なのは誰なのか?

本当に助けが必要なのは誰なのか?

 

 

ある事件の記憶

あなたは昨年(2016年)7月26日に起きた、障害者施設での殺人事件のことを、覚えていますか?

神奈川県の「津久井やまゆり園」に刃物を持った男が侵入し、次々に入所者を刺したのです。

この事件では19名が死亡し、26名が重軽傷を負いました。

この施設に入居していたのは、全員が知的障害者でした。

中には自分で動くこともできないような、身体機能の障害を持った方も、たくさんおられたようです。

この事件の犯人である「植松 聖」は、無抵抗のこれらの障害者の方々を、次々と刃物で刺し殺していったのです。

想像するだに身の毛もよだつような、残忍で狂気に満ちた事件です。

この事件の犯人については、麻薬中毒の治療を受けていたとか、精神に問題があったとか、色々と言われています。

しかし、実を言うとこの犯人には、もう少し複雑な背景があったのです。

これからその複雑な背景について、お話ししたいと思っています。

実は今回は、社会のタブーに触れることで、炎上覚悟でこの記事を書いています。

決してバズ狙いの、炎上ブロガーに鞍替えしたわけではありません。

この記事を、最後まで読んでいただければ、私があなたに伝えたいことが、きっと分かってもらえると信じて、記事を書き進めていきたいと思います。

 

 

実は犯人の名前は本名ではありません!

この事件の犯人である「植松 聖」と言うマスコミで紹介されている名前は、彼の本名ではありません。

この「植松 聖」と言うのは彼の通名です。

こう言うと一部の読者の方は「あっそうだったのか」とお分かりいただけると思います。

そうです彼は「在日朝鮮人」だったのです。

ここで私があえて彼が「在日」であると皆さんにお知らせしたのは、別に「在日の犯罪率が高いです」なんて、一部の右翼系の方々が叫んでいるようなことを、言いたいためではありません。

私が言いたいのは、本来であれば「差別」と戦っている側の方である「在日」の彼が、なぜ同じく差別と戦って一生懸命に生きている「障害者」を、「この世にいると迷惑な存在」として殺そうとしたのかと言うことなのです。

 

 

施設に生活する障害児

津久井やまゆり園」に入居していた方々は、親御さんや兄弟から離れて、一人で入居されています。

それだけ見ると、周囲からは、まるで「家族から見捨てられてしまった存在」のように、感じるかもしれません。

しかし彼ら一人一人は、その家族にとって、とても大切な家族の一員であるし、大切な「我が子」であり、大好きな「お兄さん」だったり、「妹」だったりするのです。

「それなら何故施設に入れてしまうの?」

そう考える方も、おられるかもしれませんね。

大切な我が子を施設に入れてしまう、それは何故なのでしょう?

それは、そうしないと「生きていけない」からです。

そうしないと仕事もできないし、共倒れになってしまうからです。

人の生き方は、本当に人それぞれです。

ですが不運にも障害を持って生まれてしまった子供を、本当に慈しんで育てて守っているのです。

障害を持って生まれた方は、周囲の助けが必要です。

でも彼らの魂は、本当に素晴らしい、立派な一人の人間なのです。

同じ人として、仲間として、その尊厳と幸せを守ってあげたいと、心から思います。

 

 

差別をなくそうとする人々

この社会には、差別をなくそうと戦っている方々が、たくさんおられます。

 

例えば日本に住む外国人の権利を守ろうとする方。

捕鯨に反対して鯨やイルカを守ろうと、わざわざ外国から、日本の片田舎に来られて、何日も抗議活動をする方。

 

彼らの抗議活動は、とても力強く、スピーカーの大きさも特大です。

いやでも私たちの耳の奥にキリキリと、その主張が食い込んできます。

 

それに対して、障害児の権利はどうでしょう?

あまり大きな声は聞こえない気がします。

なにかそこだけひっそりと佇んでいるような感じです。

 

どうして障害児の場合は、スピーカーがこんなにも小さいのでしょうか?

それはね「活動してもお金にならないから」ですよ。

 

確かに捕鯨に反対して活動している動画を、インターネットで公開すると、多額の寄付が寄せられて、ステルス高速船なんかを作ることができます。

それだけ多くの応援が得られれば、活動する方も、やたらとやる気が出るでしょう。

 

それにひきかえ、ですよ。

例えば、あるドクターから「松澤さん、在宅のあの子の人工呼吸器、なんとか3ヶ月くらいで外せるようにリハビリしてくれないか?」と頼まれます。

何故なら「在宅で人工呼吸器をつけている」患者さんをケアすると、そのクリニックは「赤字」になるからです。

 

人工呼吸器は生命維持装置です。

それを着けなければ、生きていられないにも関わらず、それを十分にサポートする力が、日本にはもうないのです。

でもですね、せめて彼ら障害児のサポートを、鯨のサポートよりは、重視して欲しいのです。

確かに鯨の命も大切ですよ、でもこっちは同じ人間なのです。

自分の仲間、同じ日本の同胞をである彼らを、一番に考えてもらいたいと思います。

 

 

朝鮮半島の不穏な情勢

現在、このままいくと朝鮮半島では、戦争が起きる可能性が高くなっています。

そうなると何万人もの難民が、日本にも押し寄せてくることでしょう。

それを助けることは、国際社会の一員として、日本の大切な責任だとは思います。

 

でも難民対策には、とてもたくさんのお金が必要になります。

 

そして日本からお金が足りなくなった時に、子供たちの人工呼吸器のフィルター代が削られないことを祈っています。

もしそんなことになれば、大声で救済を叫ぶ難民の方々の陰で、障害児たちは、一言の文句を言うこともできず、悲しそうに笑って死んでいくことになってしまいます。

彼らは、私たち同じ日本人の仲間を信じています。

その信頼を裏切ることは、どうかしないで欲しいのです。

 

 

希望

私の希望は、日本に来るすべての外国人の方々に、日本と、日本人と、日本の文化を好きになって欲しい。

そして同じ日本に暮らす仲間として、力をあわせて、この国をもっともっと豊かな国にして欲しいのです。

そしてその豊かさが、施設に離れて暮らす家族が、安心して一緒に幸せに暮らせるようなサポート力になってくれればと、願っています。

少ない支援物資を奪い合うのではなく、力を合わせて、より良い社会を作っていって欲しい。

そう思います。

 

これから恐らくは、日本社会は混乱していくことでしょう。

その時に、その荒波の中で、助けを求める声すらあげられない、あなたの大切な仲間がいることを、どうか忘れないでもらいたいのです。

 

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

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