リハビリ裏話

有益な医学情報を手にいれてリハビリテーションに生かす!

 

あなたは「プロ患者」という言葉をご存知でしょうか?

これはシリコンバレー在住の起業家である ロビン・ファーマンファーミアン が、自らがクローン病という難病との戦いにおいて、「医療テクノロジーの進化」を、患者自らが積極的に取り入れて、患者自身がその進化を知り、追跡し、自らの健康に責任を持つべきだ、として、著書『 Patient as CEO(患者こそが最高経営責任者)』に書いたことばです。

現在の医療は情報テクノロジーの領域となりつつあり、かつてない早さで進化しています。

そのために医師たちの多くは、現在の臨床における、最先端の治療方法について、全てを知っているわけではありません。

ですから、急速に進化する医療テクノロジーの恩恵を受けるためには、患者自らが、正しい情報を集め、最善を尽くす努力をしなければならない、というわけです。

ロビン・ファーマンファーミアンの著書『 Patient as CEO(患者こそが最高経営責任者)』の、冒頭の寄せ書きに、発明家で作家の レイ・カーツウェル は以下のように書いています。

健康と医療は情報テクノロジーの分野となっており、その進化はかつてない早さになっている。 多くの医師は、これらの最先端の治療方法について、十分な知識を持ってはいない。 故に患者自身が、これらの最新の技術について、理解し追跡することが、健康を守る上で重要性を増している。

 

リハビリテーションの技術も急速に進化しています

リハビリテーションの技術についても、急速に進歩してきています。

例えば日本の医療技術で、最新のものの一つといえば、ロボットスーツHALが挙げられるでしょう。

私も、このロボットスーツのインストラクターの資格は、以前に取得しています。

確かに足が動かせなくて、うまく歩けない方が、このスーツを装着すると、歩けるようになります。

いかにも最新のテクノロジーですよね。

しかしこのロボットスーツは、元々の基本設計は、重いものを持ち上げるなどの、重労働の現場で、作業員を助けるために、開発されています。

それがなかなか実用化できず(いつまでたっても杖なしで歩けるようにならなかったので)、それならば、初めから杖をついている、リハビリ患者さんの歩行練習に利用しよう、となったのです。

ですから、このロボットスーツHALを装着して、歩行練習を行うと、確かにスーツを着けていると歩けるのですが、スーツを外した状態では、なかなか歩けるようにならないのです。

これはロボットスーツを装着しての歩行練習が、ヒトが普通に歩く練習をするのではなく、ロボットスーツの操縦方法を練習することになっているからなのです。

ですから練習すればするほど、歩くのが上手くなるのではなく、ロボットスーツの操縦が上手くなるのです。

でも最近では、徐々にこの欠点が、改善されてきているようです。

 

まあいきなり話がずっこけましたが、そのほかにも、バーチャルリアリティを利用したものや、電気信号を利用したもの、脳波を計測してデバイスを動かすもの、音波や振動を利用したものなど、様々なアイデアが実用化されつつあります。

 

なぜ自分でリハビリテーションの情報を集めて追跡する必要があるのか?

確かに最先端のテクノロジーが大切なのは、そうだろうとは思いますよね。

でもなんでそれらの情報を、自分から探しに行かなくてはならないのでしょう?

ナゼそんなしちめんど臭いことを、いい歳こいてわざわざ勉強しなくては、ならないのでしょう?

そんなめんど臭いことをしないで、さっさと病院に行って、そこのセラピストに相談すれば良いではないですか?

 

ところがそうではないのです!

先日の記事でもお話ししましたが、日本国政府は、皆さんが、国の医療保険で受けるリハビリテーションのレベルを、ある一定のレベル以上に上げたくない、と考えています。

そしてその一定のレベルとは、「退院して自宅である程度自立した生活ができるレベル」ということになります。

決して「楽々お買い物に行けるレベル」でも、「スラスラと麻痺した手で字が書けるレベル」でもありません。

あくまでも「退院して自宅である程度自立した生活ができるレベル」です。

これはどうしてかと言うと、そのレベルのリハビリが、一番コストパフォーマンスが良いからです。

例えば脳卒中の患者さんを、杖歩行で、なんとか家の中の移動を自立させることは、普通の程度の麻痺であれば、それほど難しいことではありません。

しかしその歩行能力を、「杖なしで、家の外をスイスイ歩いて、買い物に行けるレベル」に上げることは、かなり大変です。

時間もコストもかかります。

さらに麻痺側の手を使うことを諦めて、健側の手一本で、日常生活をする練習は、簡単にできます。

でも麻痺側の手で「字を書けるようにする」のは、とてつもなく大変です。

もし国が、あなたにこれらの高度なリハビリテーションのケアを受けさせてくれたとします。

そうしたら、あなたは再び仕事に戻れるでしょうか?

仕事に戻って、どれくらいの税金を国に収めてくれるでしょうか?

おそらくは、たとえあなたが職業復帰できたとしても、納める税金は、その高度なリハビリテーションのケアにかかった医療費よりも、圧倒的に少ないでしょう。

要はそう言うことです。

国は国民の生命と財産を守るために、税金を納めてもらっています。

しかし過剰なサービスや投資もできないのです。

国にとっては、あなたが家で自立した生活が送れていれば、字が書けなくても、買い物に行けなくても、家でおとなしく生活していることに、変わりはないのです。

でもあなた自身の生活の質は、これらで大きく変わっていきますから、個人的にはとても大切なことです。

でも国はそこまでのお金は出せません。

ですから、一般庶民であるあなたは、一般の病院では、高度で高額なリハビリテーションのケアは受けられないのです。

 

しかしテクノロジーが進歩したらどうでしょう?

しかしながら、もしそこに、テクノロジーの進歩というイノベーションが起こっていたとしたら、どうでしょう?

超ベテランのセラピストに、めちゃくちゃ時間をかけてもらわなくても、あなたの麻痺した指が、動かせるようになるような、新しい発明が、世界のどこかで起こっていたとしたら。

そしてそれがとてもリーズナブルな価格で利用できるとしたら。

全くないとは言えません。

何故ならば、現在の医療は、情報テクノロジーの分野として、ものすごく急速に進歩しているからです。

そしてその変化を全て追跡して、理解して、熟知している専門家なぞ、一人もいないからです。

だからあなた自身が、責任を持って、自分自身のために、情報を探し、見つけ出し、追跡しなければならないのです。

 

 

たとえばこんな例があります

脳卒中患者のあなたは、急性期の病院から、リハビリテーションの専門病院に転院して、リハビリを受け始めてから、3ヶ月がたちました。

なんとか杖で歩けるようにはなりましたが、まだ麻痺側の指は、硬く強張ったまま動きません。

ある日、主治医の先生に呼ばれて、こう言われました。

「脳卒中の発症から半年が経ちました、今後の麻痺の回復は難しいので退院してください」

 

あなたはこの主治医の言葉を「はいそうですか」と、なんの疑問もなく、無抵抗で受け入れるのですか?

この時の追い詰められて、絶望しかかった、あなた自身に対して、あなたは何もしてあげることができないのですか?

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

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