脳卒中リハビリ

脳卒中ニューロリハビリ時代の障害受容について考える!

 

はじめに

あなたは「障害受容」という言葉を知っていますか?

これは脳卒中などの後遺症による麻痺があること、つまりご自分の身体機能に障害があることを受け入れるということです。

これまでの脳卒中リハビリテーションは、麻痺によって障害されなかった、残存機能を最大限利用して、日常生活を自立させていくことでした。

しかし近年のニューロリハビリテーションは、麻痺した神経機能の回復を目指すリハビリテーション方法です。

では麻痺の回復を目指す場合は、「障害受容」はしなくてもいいのでしょうか?

今回は脳卒中ニューロリハビリ時代の「障害受容」について考えてみたいと思います。

どうぞよろしくお願いします。

 

「障害受容」とは?

これまで脳卒中リハビリにおける「障害受容」は、「片麻痺などの身体障害がある状態を受け入れる」と考えられていました。

しかし本当の意味での障害受容は、これだけでは不十分なのです。

どうして自分の身体の機能が麻痺していることを受け入れただけでは「障害受容」には不十分なのでしょう?

 

「障害受容」が不十分だと「リハビリ人生」に陥ります!

実は私の臨床での経験上、若い患者さんは良くこの「リハビリ人生」に陥ります。

ではこの「リハビリ人生」とはなんなのでしょう?

 

「リハビリ人生」とは、リハビリテーションによって麻痺を治すこと自体が「人生の目標」になってしまう状態を言います。

本来であれば、リハビリテーションは、身体機能を改善させることで、人生の目標を達成できるようにサポートするのが目的のはずです。

でも「リハビリ人生」においては、身体機能を改善する行為であるリハビリ自体が、人生の目標になってしまうのです。

なぜそんなことが起きるのでしょう?

 

実はこの「リハビリ人生」に陥る患者さんには、共通の心理状態があります。

それはどんな心理状態かというと「麻痺が治ったら〇〇をやろう」というものです。

そうですこの患者さんには、やりたいことがあることはあるのですが、麻痺が治らなければできない。

あるいは麻痺が治らない状態では、やりたくないと思い込んでしまっているのです。

この心理状態に陥ってしまうと、麻痺が治らない限りは、人生において一歩も前に進めなくなってしまいます。

ですから麻痺を治すためのリハビリを続けることが人生の目標になってしまうのです。

 

ニューロリハビリは「リハビリ人生」に陥らせやすい副作用の強い劇薬です!

あなたももうご存知のように、ニューロリハビリは、「麻痺を治す」ことを目的にアプローチを行います。

しかし簡単に麻痺を治すアプローチといっても、完全に麻痺が治るわけではありません。

しかし一定の成果が得られることも、また事実です。

ここで問題になるのは、麻痺の回復が、単一の関節運動などの回復にとどまり、目的動作の遂行などの機能までは獲得できない場合です。

このような場合には、実際には麻痺が治ってきているので、もっと良くなるのではと期待して、「麻痺の回復による成果」に心理的に依存してしまいます。

つまり一度は病気によってつまづいた人生、その自分の人生を取り戻すための努力を行わず、すべてを麻痺の回復に依存してしまう行為が行われるようになるのです。

難しく言い過ぎましたね。

つまり簡単にいうと、人生は手足が動いただけで良くなるほど甘くないのに、人生が上手くいかないのは、手足が麻痺しているせいだと思い込み、「麻痺が治ればすべて上手くいく」という考え方に逃避することを言います。

これが「リハビリ人生」です。

 

本当の障害受容とは!

本当の障害受容とは、「麻痺を受け入れる」のではなく、「人生を受け入れる」行為であると思います。

脳卒中という忌々しい病気によって、いったんはつまづいた自分の人生を、どうやって取り戻すのか?

後遺症という麻痺が残って、呆然と立ち尽くしている、今この時、この場所の自分から、どこに向かって一歩を踏み出すのか?

そしてその一歩目の先には、どのような人生の目標を置くのか?

 

その目標には、昔の自分では目標にできたけれども、今の自分には無理な目標もあるでしょう。

しかし今の自分にできる目標も必ずあるはずです。

また昔の自分にはできなかったけれど、今の自分であればできることもあるのです。

 

それはキレイゴトを言っているようですが、あなたは病気から何かを学んでいるからです。

 

人生は、立ち止まっていても、歩いていても、等しく時間が経過していきます。

そしてあなたの人生に与えられた時間は有限です。

残された時間をいかに使うべきか、しっかりと考える必要があります。

 

どうせこれまで散々時間を無駄にしていきてきたのでしょう www

もうこれ以上無駄にする時間など、あなたには1秒たりともないはずです。

 

麻痺に甘えて、立ち止まっていてはいけません。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

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