リハビリ裏話

アリとキリギリスのリハビリ物語 WWW

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はじめに

あなたはイソップ寓話の「アリとキリギリスの物語」を知っていますか?

まあ知らない人を探すのが難しいくらい有名なお話ですよね。

念のためにお話の内容を簡単に説明しておくと、夏の間に一生懸命に働いていたアリは冬になって十分な食料などを確保していて安心して冬越しが出来ました。

でも夏の間中ずっと遊んでいたキリギリスは冬になって食べ物がなくなって死んでしまう、と言うお話でした。

今回は夏の間中遊んで暮らしていたリハビリ患者さんは、冬になって体調を崩して寝たきりになってしまうと言うとても恐ろしくてためになるお話をいたしましょう。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

冬に寝たきりになる方が多いと言う話

実は冬場には寝たきりになる高齢者やリハビリ患者さんが多い傾向にあるのです。

それはどうしてかと言うと「冬は寒いから!」の一語に尽きます。

「冬が寒いのは当たり前や」とのお叱りが聞こえてきそうですが、もう少し私の話を聞いてください。

 

人間は哺乳類ですから恒温動物です。

つまり例え冬になって周囲の環境が寒くなったとしても、自分で体温を高めて一定に保つことができるのです。

ですから冬の寒さの中でも活発に活動できるのですね。

 

これが変温動物であれば体温が下がって動けなくなってしまいます。

ではなぜ私達は自分の体内で熱を作り出すことができるのでしょう?

 

 

体温を作り出すのは肝臓と筋肉のみです!

実は私達の身体の中で熱を産み出せるのは「肝臓と筋肉」だけなのです。

そして肝臓が産み出す熱量はほぼ一定ですから、残りの体温調節は「筋肉」が行うことになります。

ですから周囲の環境が寒い場合には、筋肉はより多くの熱を産み出すために「緊張を高める」必要が出てくるのです。

ですから寒いと身体がブルブル震えるのは、筋肉が熱を作り出そうとして活動しているからなのです。

 

 

筋肉量=薪の量

もしあなたが筋肉ムキムキのマッチョマンであれば、少しくらい寒くても問題ないでしょう。

筋肉がたくさんあると言うことは、それだけ薪の量が多いと言うことですから、余裕を持って体温を上げることができます。

でもあなたが不幸なことにガリガリのヒョロヒョロであったらどうでしょうか?

体温を上げるための薪が足りなくて、より筋肉をブルブル緊張させて震えていなければなりません。

 

 

この冬のあなたの体調はどうでしたか?

この冬は特に寒さが厳しい冬でしたね。

そんな中であなたの体調はどうでしたか?

もしかして筋肉が強張ってしまい、腰や肩や膝が痛くて歩けないなんてことになっていないでしょうね。

もしくは足がもつれて転んでしまい、随分痛い目にあったなんて方も居るかもしれません。

これはみんな冬の寒さのせいで、筋肉に問題が起きて居るからなのです。

つまりは薪が足りないために、筋肉に負担がかかりすぎてしまっているのです。

 

 

もしかしてあなたの夏はキリギリスの夏?

でも大丈夫、もうすぐ春が来て暖かくなります。

暖かくなれば膝や腰の痛みも和らぎますし、筋肉もほぐれて動きやすくなることでしょう。

夏になれば去年の冬の苦労なんて忘れてしまうことでしょう。

夏の暑さに動くことが嫌になって、アイスをかじりながら、涼しい部屋でゴロゴロしているはずです。

食欲がないので食事も三食冷麦か素麵です。

おやおやこれでは全くもってあのイソップ寓話のキリギリスそのものではありませんか?

よく考えてみてください、去年の冬に体調が良くなかったせいで、今年の夏は去年の夏より明らかに体力が落ちている気がしませんか?

この状態でこのまま冬になったら、今年の冬はどうなってしまうのでしょう?

運よく今年は暖冬だったら良いのですが。

 

 

今年の夏はアリさんになれ!

いけません!

こんなことでは冬になったら本当にあのキリギリスのように力尽きてしまいます。

今年の夏はアリさんのようにしっかり働いて冬のための薪を増やしておきましょう!

つまりはしっかりと運動して、できるだけ筋肉を増やしておくのです。

歳をとったら(障害になったら)貯金よりも貯筋肉ですね!

今年の夏はぜひ気をしっかりと引き締めて、油断しないで筋トレをバッチリ行なっておいてくださいね。

夏が来れば冬はあっという間です。

 

 

 

最後までお読み頂きありがとうございます。

 

 

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