家族が脳卒中で倒れたら

脳卒中片麻痺のうつ症状に対するリハビリテーション

 

はじめに

脳梗塞や脳内出血になると、片麻痺になって、左右どちらかの手足が麻痺してしまいます。

片側の手足が動かないことで、日常のあらゆる生活がしづらくなります。

それどころか歩くことさえ、できなくなる場合もありますね。

なので脳卒中で倒れた後には、リハビリテーションをキチンと行って、生活を自立させて行くことが、とても大切なのです。

ですがリハビリテーションと言うものは、決して楽しいものではありません。

確かに少しずつでも、リハビリの効果が実感できると、その後はヤル気が出たりすることもありますが、基本的にはつらい作業ですよね。

でもリハビリをキチンとやらないと、麻痺がいつまでたっても良くなりませんから、皆さんイヤイヤでも頑張るしかありません。

でもどうしてもリハビリをやりたくないと、部屋にこもってしかめっ面をしている方も、ちょくちょくおられます。

このような方も、本当は頑張らなくてはいけない事は、百も承知なのですが、どうしてもヤル気が出ないのです。

こういったタイプの方は、じつは脳卒中後の『ウツ』になってしまっています。

脳卒中後にウツになる方は、結構おられます。

なぜならば脳卒中によって、脳の神経細胞に対する血液の流れが少なくなる事で、脳の神経細胞の活動性が低下してしまうので、ウツになりやすいのです。

まあたいていの場合は、時間が経つに連れて、ほとんどのケースでウツは良くなってきます。

しかし中には、いつまで経ってもウツが良くならなくて、ずっと家に引き篭もってグズグズしてしまうケースがあります。

それは一体どうしてでしょう?

今回は脳卒中後のウツが長引いてしまうケースの原因と、そのリハビリテーション方法について解説します。

どうぞよろしくお願いします。

 

うつが長引く原因

脳卒中になると、脳の神経細胞に血液が不足して、神経細胞の活動が低下します。

ですから脳卒中になると、多かれ少なかれ、ウツっぽい感じになる事は良くあります。

でもほとんどの場合、時間が経つにつれて、ウツ傾向は良くなってきます。

脳の神経細胞の活動が、活発に回復してきているからですね。

しかし一部のケースで、いつまで経ってもウツ傾向がよくならない場合があります。

それには、以下のような生活スタイルが大きく関わっています。

 

飲酒もしくは睡眠導入剤

ウツ傾向になると、日中の活動性が低下して、あまり動かなくなるために、かえって夜眠れなくなる場合があります。

そうなると場合によっては、睡眠導入剤などに頼る場合もあると思います。

クスリで眠ることが悪いと言うわけではありませんが、どうしても、睡眠導入剤などは、脳の神経細胞の活動を抑えてしまいますから、ウツになりやすい場合もあります。

これは飲酒をやめられない場合も同様です。

ウツ傾向がいつまでも良くならなくて、お酒を飲んでしまっている場合、ぜひ一度、お酒をやめてみていただけるとありがたいです。

また睡眠導入剤などを服用されている方で、気になる方は、勝手にやめずに、主治医の先生と相談してみてくださいね。

よろしくお願いします。

 

午前中に太陽光線を浴びない生活

脳卒中になって、片麻痺になると、歩き方も可笑しくなりますし、そんな姿を隣近所に見せるのはイヤだと言う方は、結構おられます。

時間が経って、それに慣れてしまい、開き直れると、けっこう平気になってくるものですが、最初のうちはかなりの抵抗があるようですね。

じつは外に出るのをイヤがって、家の中にこもっていると、ウツ傾向がなかなか良くなりません。

それはどうしてかと言うと、太陽光線に当たらないからですね。

特に朝の日の出から、午前中10時くらいまでの間に、太陽光線を浴びることが、大切なのです。

なぜなら午前中に太陽光線を浴びることで、体内で「セロトニン」が合成されるからです。

「セロトニン」は、脳の神経伝達物質の一種で、「気持ちを和らげ」たり、「ネガティブな思考を抑制」したり、「不安や恐怖を取り除く」などの作用があります。

「セロトニン」は、腸から「トリプトファン」と言う物質が吸収され、腸や脳で「セロトニン」に合成されます。

この「トリプトファン」の代謝には、腸内フローラの働きも重要で、腸内フローラがウツ傾向に影響していると言う説もありますが、それは別の機会に解説したいと思います。

話を元に戻しましょう。

つまりウツ傾向になって、家から出るのを億劫がって知ると、太陽光線に当たらなくなるため、体内で「セロトニン」が合成されなくなります。

この「セロトニン」は、ウツを治すために必須の物質で、体内の「セロトニン」が不足していると、まずウツは治りません。

それなのにウツになると、部屋の中にこもってしまい、全く太陽光線を浴びず、ますます「セロトニン」が作られない悪循環の陥ってしまいます。

たしかにウツになると、午前中の明るい太陽の下に出るのは、すごく精神的に辛いと思います。

できれば夕方の、太陽光線が和らいだ頃に、外に出たいと思うことでしょう。

でもそれでは効果がないのです。

なんとか頑張って(ここだけは頑張って)朝の散歩をできるようになりましょう。

 

運動不足

じつは有酸素運動は、ウツに対してとても効果があります。

その効果は、抗うつ剤と同等以上の効果があると言われています。

ですがウツになると、体を動かすのは、本当にしんどくなります。

ですからウツの方は、本当に体を動かさないようになります。

そして体を動かさないことで、さらにウツがひどくなると言う、これまた悪循環に陥ってしまいます。

ほんの数分でかまいません。

午前中のお日様の下を、少しだけでも良いので、散歩するようにしましょう。

まずは30秒でも、1分でもかまいませんので、最初の一歩を踏み出してみてください。

 

まとめ

ウツになって、薄暗い部屋の隅で、ほとんど動かずに日中を過ごし、夜に眠れないために、睡眠導入剤で眠ろうとする。

こんな生活は最低です。

まずは朝起きたら、お日様の光を浴びるようにしましょう。

そしてほんの少しでもいいので、身体を動かすように、心がけて行きましょう。

まずははじめの一歩から。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

注意事項!

このサイトでご紹介している運動は、あなたの身体状態を評価した上で処方されたものではありません。 ご自身の主治医あるいはリハビリ担当者にご相談の上、自己責任にて行ってくださるようお願い申し上げます。

 

 

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