はじめに
あなたは普段はどんな歩き方をしていますか?
なんて聞かれても、分からないですよね。
ほとんどの方は、生まれてからこの方、自分の歩き方がどうかなんて考えたこともないでしょう。
これは私たちヒトの歩き方が、長い直立2足歩行の歴史の中で、脳の運動制御の仕組み、ほとんど自動的に歩けるようになっているからですね。
でも他人の歩き方を見ていると、それぞれけっこう個性がありますね。
特に若い人と、お年寄りの歩き方には、大きな違いがあります。
若い人は、スタスタといった感じで、颯爽と歩いています。
若い人が元気に歩いている姿は、とても爽やかな感じですね。
それに比べて、お年寄りの歩き方は、なんかトボトボした感じで、足のつき方もペタペタしています。
なにか擬音ばかりになってしまいましたが、なんとなくイメージは湧いたのではないでしょうか?
年をとると、どうしても歩き方も年寄り臭くなりますね。
でもこの年寄り臭い歩き方、簡単なケアとトレーニングで予防できるとしたら、どうでしょう?
またかりに、あなたが既に、年寄り臭い歩き方になってしまっていたとしても、そのケアとトレーニングを行うことで、若々しい、颯爽とした歩き方を取り戻せるとしたら。
あなたはどうしますか?
実はこの年寄り臭い歩き方の原因は、あなたの腰の筋肉に問題があるのです。
そしてそれは簡単なケアとトレーニングによって、解消することが可能です。
今回は、年寄り臭い歩き方の原因と、その治し方について解説していきます。
どうぞよろしくお願いします。
年寄り臭い歩きかたってどんな感じ?
では具体的に年寄り臭い歩きかたって、どんな感じの歩きかたなのでしょうか?
若いヒトの歩きかた
まず若いヒトの歩きかたを見てみると、少し大股で、しっかりを足を前に振り出しています。
これができるのは、反対の地面についている方の足のつま先で、しっかりと地面を踏みしめて、そちらの足の片方だけで、体重を支えることができているからです、
片側の足で、しっかりを地面を踏みしめて、体重を支え、さらにそのつま先で地面を蹴って、前に進むための推進力を生み出しています。
そのために反対側の、振り出す方の足を、グッと前に押し出して、大股で歩くことができるのです。
年寄りの歩きかた
それに対してお年寄りの場合は、足の筋肉が弱っているために、片方の足にシッカリと体重をかけることが出来ません。
なのでつま先に重心をかけることが出来ず、主に踵に体重を乗せたまま、つま先での蹴り返しが出来ず、ペタペタと歩くようになります。
当然、足の振り出しも小さくなり、体重移動も少なくなります。
また片足にグッと踏み込めないため、上半身を振り子のように揺らすようにして、左右の体重移動を誤魔化しながら行います。
踵に体重をかけていると、足の内側の筋肉に力が入らないため、自然とガニ股になっていきます。
いかにもお年寄りな感じの歩きかたになりますね。
気がついたら年寄り臭い歩きかた!
私がかなり以前に、某総合病院のリハビリセンターの科長をしていたときのことです。
ある新人の理学療法士が、変な歩きかたをしていたので、「どうした大丈夫か?」と聞いたのですが、本人はキョトンとして、なんでそんな事を聞くのかといった感じでした。
実は卒業前に、大腿骨を骨折して、その治療が終わったばかりだったとのことでした。
その新人は、骨折した側の足を前に振り出すたびに、腰をグイッと上に引っ張り上げるような、変な歩きかたをしていたのです。
でも本人にはその自覚がないようで、鏡で自分の歩きかたを確認させたら、本当にびっくりしていました。
このように専門家の端くれであっても、自分の歩きかたが変わっていることには、なかなか気がつかないようなのです。
ですから断言しますが、あなたが気がつかないうちに、あなたの歩きかたも、年とともに変化してきています。
そしてそのことに、あなたが気がついていない確率は、とても高いのです。
ある日ハッと気がついたら、ものすごく年寄り臭い歩きかたをしている可能性が、とても高い事を、シッカリと覚えておいて下さいね。
年寄り臭い歩き方の原因は中殿筋にあります!
ではなぜこんな年寄り臭い歩きかたになってしまうのかと言うと、その原因はあなたの「中殿筋」にあります。
「中殿筋」と言うのは、あなたの骨盤の後ろ側から、あなたの大腿骨の付け根近くの出っ張りに向けて、付いている筋肉です。
この「中殿筋」は、あなたの股関節を外転して、脚を外側に広げる運動をする筋肉です。
しかしこの「中殿筋」は、あなたが歩いている時には、地面に着いた足を、ぐらつかないように、シッカリと固定する働きをしています。
つまり年をとって「中殿筋」が弱ってくると、足を地面についた時に、その足をシッカリを支えることが出来なくなります。
そうなると片側の足に、グッと体重をかけて、踏む込むことが出来なくなるのです。
なので左右の足への体重移動が、シッカリ出来なくなりますね。
当然のように、つま先に体重をかける事もできなくなります。
ですから踵に体重を残したまま、上半身を軽く左右に揺するようにして、トボトボと歩くようになってしまうのです。
ですからポイントは、地面に着いた方の足に、グッと体重をかけて踏み込めるように、「中殿筋」を鍛え直すことです。
しかしここで焦って、筋力トレーニングを始めてしまってはいけません。
まずは中殿筋のケアから始めましょう
年寄り臭い歩きかたの原因は、「中殿筋」が弱って、股関節をシッカリと支えられなくなり、片側の足に体重をかけて踏ん張ることが出来なくなることです。
そのために、地面に着いた足のつま先に、シッカリと踏み込むことが出来なくなり、踵でトボトボと歩くようになるのです。
しかしだからと言って、すぐに焦って「中殿筋」を鍛えようとしてはいけません。
いきなり筋トレをして良いのは、若いヒトだけだからです。
あなたのように、けっこう良い年齢の熟年の方は、まずは筋肉のケアから始めないといけません。
そうしないと筋トレをやっている最中に、筋肉の痛みが増して、逆に歩けなくなってしまうからです。
中殿筋のケア方法
中殿筋のケアは、基本的にはマッサージです。
マッサージは、ハンディタイプのマッサージバイブレーターを使って行います。
マッサージの方法としては、まずは横向きに寝た状態で、両膝を90度くらい曲げた状態にします。
その体勢で、股関節の横、やや斜め後ろの、中殿筋の表面に当たる部分に、マッサージバイブレーターを当てます。
そのまま5分程度、バイブレーターの振動でマッサージすれば完了です。
これを左右両側の「中殿筋」に対して行います。
マッサージの目安は、「中殿筋」の緊張が落ちてきて、グッと筋肉を押したときに、硬いこわばりを感じなくなるぐらいが目標です。
まあこれには時間がかかりますから、焦らずに続けて見てくださいね。
中殿筋のトレーニング方法
ある程度マッサージが出来てきたら、次には筋トレを始めましょう。
筋トレの方法としては、左右どちらかの手を、壁や手すりにつかまった体勢で、左右の足を、交互にゆっくりとあげる運動を行います。
片足をゆっくりとあげたら、そのまま5秒間足をあげたまま静止します。
体重はなるべくつま先にかけるようにして、地面に着いている方の足では、シッカリと足の指先で床をつかむように意識します。
上体は、なるべくまっすぐにして、前屈みになったり、ぐらついたりしないように頑張りましょう。
この運動を左右交互に、20回から30回ぐらい繰り返します。
まとめ
股関節を支えている「中殿筋」が弱ると、股関節をシッカリと固定して、支えることが出来なくなります。
そうすると、歩くときに片側の足に踏み込んで、つま先に体重をかけることが出来なくなります。
そのために左右の足への体重移動が少なくて、踵に体重を残したまま、トボトボと歩く、年寄り臭い歩きかたになります。
そのために「中殿筋」のケアと、筋力トレーニングを行って、若々しい歩きかたを保つように、頑張ります。
「中殿筋」へのアプローチは、常にマッサージと筋トレをセットで行うようにして、筋肉の痛みなどが悪化しないように、注意する必要があります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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