脳卒中リハビリ

脳卒中ニューロリハビリ 振動セラピーで麻痺の改善効果を倍増する!

脳の運動神経細胞の再生には効果的な運動学習が必要です

脳卒中の片麻痺を治すためには、死んでしまった脳の運動神経の再生を促す必要があります。

その脳の運動神経細胞を再生して、さらにはその細胞同士をつなぐシナプスを強化していくことで、脳の運動神経機能が回復して行くのです。

ではその神経細胞の再生とシナプスの強化は、どのようにリハビリテーションを行って行けばいいのでしょうか?

脳の運動神経の再生には、効果的な「運動学習」を行って、脳の神経細胞に再生のための適切なシグナルを送ってやることが重要になります。

では効果的な運動学習とは、いったいどうやれば良いのでしょうか?

 

効果的な運動学習には的確な運動制御の繰り返し練習が必要です

運動学習とはどういうことを言うのでしょうか?

運動を学習するとは、脳の運動野の神経細胞に、目的となる運動のプログラムを書き込むようなアプローチになります。

脳の運動神経に運動プログラムを書き込むとは、つまりは繰り返し運動を行うことで、その運動を担当する脳の運動神経細胞の数を増やし、その細胞同士をつなぐシナプスを強化して行きます。

つまりそれは目的となる運動の繰り返しの練習ということになりますね。

そしてその運動の繰り返し練習を効果的にするためには、その運動をコントロールする「運動制御」が的確に行われていなければなりません。

 

運動制御を的確に行うためには感覚フィードバックが重要です!

私たちが手足を自分の意思の通りに動かすためには、脳の運動神経によって、的確に「運動制御」が行われなければなりません。

じつは、この「運動制御」を的確に行うためには、運動する手足の筋肉からの「感覚フィードバック」がとても大切なのです。

その理由を、これから少しご説明しますね。

的確な運動制御を行うための仕組みのひとつに「最適化フィードバック制御」という仕組みがあります。

ここでは、これを例にとって、運動制御の流れを見て行きたいと思います。

 

最適化フィードバック制御の流れ

  1. 脳の運動野から手足の筋肉に対して「運動指令」が出されます
  2. 手足の筋肉は「運動指令」に従って筋肉を収縮させ手足を動かします
  3. 実際の運動として手足がどのくらい動いたかの情報が筋肉から脳に「感覚フィードバック」されます
  4. 脳では「運動指令」と「感覚フィードバック」を照合して、より運動を正確に行うように修正(最適化)します。

これが「最適化フィードバック制御」の流れです。

この運動制御の仕組みの中では、まず脳から出された「運動指令」に従って、手足の筋肉が運動を行います。

そして実際に行われた運動がどうであったかを、筋肉の線維の中にある感覚センサーからの情報として、脳に「感覚フィードバック」が行われます。

脳の運動野では、はじめに出された「運動指令」のコピーが残されており、筋肉から戻ってきた「感覚フィードバック」と、この「運動指令」のコピーを照合します。

そしてその照合の結果、「運動指令」と実際に行われた運動の「感覚フィードバック」のズレを修正して、運動の最適化を行います。

ですから運動を最適化するためには、正確な「感覚フィードバック」が行われなければならないのです。

つまり的確な「運動制御」のためには、正確な「感覚フィードバック」が不可欠なのです。

 

感覚フィードバックの障害で脳卒中の筋肉はさらにこわばります

私たちが自分の思い通りに手足を動かすために、脳からの「運動指令」に従って、どのくらい手足を動かしたかを測定し、それを「感覚フィードバック」として脳に戻す仕組みができています。

しかし脳卒中になると、麻痺側の手足の筋肉は、硬くこわばってしまい、さらには浮腫などもあったりします。

こうなると筋肉の線維の中にある感覚センサーは上手く作動してくれなくなり、「感覚フィードバック」が障害されてしまいます。

「感覚フィードバック」が障害されると、脳の運動野での「運動制御」のシステムが混乱して暴走します。

そのために脳卒中になると、時間が経つにつれて、手足の筋肉がドンドンこわばりだすことがあるのです。

そのために、脳の運動制御を立て直すためには、麻痺側の手足の筋肉に対するマッサージがとても大切なのですが、それだけでは不十分な場合があります。

筋肉のこわばりと浮腫が残っているために、感覚センサーが十分に作動してくれない場合があるのですね。

その場合には、調子が悪くなった筋肉の感覚センサーを効果的に働かせるために、『振動セラピー』によって、「感覚フィードバック」を強化することができるのです。

 

正確で質の高い感覚フィードバックを作り出す振動セラピー

この脳卒中の「感覚フィードバック」を強化するための『振動セラピー』は、それほど難しくはありません。

まずはハンディタイプのマッサージ用バイブレーターを準備してください。

これはホームセンターやアマゾンで3,000円くらいで買うことができます。

できれば充電式のものが、小型で取り回しがしやすいので便利です。

このマッサージ用バイブレーターを、動かそうとする筋肉の盛り上がりに当てて、筋肉に振動を加えながら、運動を行います。

例えば肘の屈伸運動を行うときに、腕の力こぶのところに、このマッサージ用バイブレーターを当てて、肘の曲げ伸ばしを行うと、より筋肉の運動と収縮が感じられるようになります。

つまりは感覚フィードバックが強化されているのです。

それだけで「運動制御」の効果が高まり、神経再生に大きく影響してきますよ。

本当です。

あなたもよろしかったら是非試してみてくださいね。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

関連記事

  1. 脳卒中ニューロリハビリ簡単解 ⑶ 運動神経機能の混乱
  2. 脳卒中片麻痺の回復を促すために身体図式の生成能力を高める!
  3. 脳卒中片麻痺を改善するための神経促通を行う前に整えるべき身体条件…
  4. 脳卒中の麻痺側の手指の運動機能を高めるためのリハビリ方法
  5. 超音波治療器を使って脳卒中の肩の痛みと亜脱臼を改善する方法
  6. 脳卒中片麻痺の足や手の浮腫を解消するリハビリ方法
  7. 脳卒中片麻痺の大脳の命令に逆らってリラックスした運動をする
  8. 骨盤の周囲の筋肉のコンディションを整えて脳卒中の痛みをとるマッサ…

おすすめ記事

PAGE TOP