辛いのはダメ! 脳をコントロールして楽々ニューロダイエット! その3
キチンと食事制限をして運動をしても睡眠不足だとダイエットに失敗します
『カナディアン・メディカル・アソシエーション・ジャーナル』という医学系の雑誌に、こんな記事が出たことがありあます。
それは睡眠不足が直接ダイエットに影響を与えることを証明した実験でした。
参加する被験者をAグループと、Bグループに分け、Aグループは毎晩6時間未満の睡眠で睡眠不足にさせ、Bグループは毎晩8時間以上寝て十分な睡眠をとらせました。
そしてA、B両グループに同じ食事制限と運動を行なったのです。
その結果、Bグループは順調にダイエットが進みましたが、Aグループは一向に体重は減りませんでした。
これはどうしてかと言うと、ヒトの脳は、睡眠をとらないとキチンと身体をコントロールできなくなるからです。
それはインスリンなどのホルモンバランスにおいても同様です。
一晩睡眠不足になるだけで、2型糖尿病患者の様にインスリンが正常に機能しなくなる恐れがあると言われています。
おそらくは身体に取り込んだ脂肪を、キチンと運動などで代謝する機能が、うまく働かなくなるのでしょうね。
無理をせずにダイエットするためには、脳に負担をかけてはいけません。
ですからダイエット中のあなたの脳は、常に十分な睡眠をとって、最高のパフォーマンスを維持しておかなければならないのです。
あなたの体から脂肪を無理なく落とすためには、❶ 栄養のバランスのとれた食事 ❷ 適度な運動 ❸ 上質な睡眠の3つが欠かせないのです。
でも無理をして空腹を我慢しながらダイエットをしていると、「お腹が空いて眠れない」なんてことになりがちですね。
これではダメですね。
ダイエットの成功には質の高い睡眠が欠かせないのです。
睡眠負債をためない様に睡眠時間を調節する
この様に、どれだけ食事を制限しても、どれだけしっかりと運動しても、ダイエットの結果としては全然やせないヒトがいます。
この食事制限と運動を行なってもやせないケースで問題となっているのは、睡眠不足なのです。
ここで睡眠を少しおさらいしておきましょう。
ヒトに最適な睡眠時間は、およそ7時間30分だと言われています。
これは私たちの睡眠パターンが、ノンレム睡眠とレム睡眠をワンセットにして、これを交互に繰り返していて、1回のノンレム睡眠とレム睡眠のセットが90分です。
これを朝まで5セット繰り返すと、ちょうど7時間30分になります。
確かに人口のほんの数パーセントにおいて、ショートスリーパーと呼ばれる、2~3時間の睡眠で大丈夫な人達がいます。
ナポレオンが、10時から2時までの4時間くらいしか寝なかったのは、有名な話ですよね。
しかし、これは生まれつきの脳の働きの違いによるものなので、トレーニングしてできる様にはなりません。
健康的にダイエットしたいなら、くれぐれもナポレオンの真似をしない様にしてくださいね。
しかし単に7時間30分の睡眠といっても、睡眠時間だけが長くても十分ではありません。
睡眠時間以上に大切なのは、睡眠の質なのです。
睡眠の質を高める睡眠方法とは?
ただ単に睡眠時間を7時間30分確保しても、それだけでは質の良い睡眠とはなりません。
あなたもこんな経験はありませんか?
寝ているのだけれども、ウツラウツラして半分目が覚めた様な感じになって、朝起きても十分に寝た気がしない。
そんな感じです。
これは、先ほどご紹介したノンレム睡眠とレム睡眠が交互にくる、睡眠の波がうまく行っていないからなのです。
私たちがベッドに入って眠り始めると、すぐに深い眠りである「ノンレム睡眠」にはいっていきます。
この「ノンレム睡眠」とは、夢をみない、内臓や脳の機能も一部が停止した様な、とても深い眠りです。
そして眠りはじめの、最初にはいる「ノンレム睡眠」が、その夜の眠りの中で、一番深い眠りになります。
その後ノンレム睡眠から、浅い眠りのレム睡眠になり、また再びノンレム睡眠にはいるのです。
これを約90分のサイクルで、朝まで繰り返します。
そして、その夜の一番最初のノンレム睡眠が、深ければ深いほど、その後の睡眠の波がキレイに起きるのです。
ですから、反対に一番最初のノンレム睡眠が浅くなってしまったら。
その後の睡眠の波がグチャグチャになってしまい、質の良い睡眠がとれなくなります。
つまりはじめにお話しした、ウツラウツラして寝た気がしない状態になるのです。
質の良い睡眠をとるには、寝はじめの一番最初の「ノンレム睡眠」を深く眠ることが、とても大切になるのです。
また私たち地球上の生物は、24時間毎の地球の自転に合わせた、体内時計を持っています。
これをサーカディアンリズムと呼びます。
人間は昼行性の動物ですから、昼間に活動して、夜眠るのが身体に良いのです。
ですからノンレム睡眠が昼間に来ても、脳や身体が十分に休まりません。
その日の夜の眠りの一番最初の、一番深い「ノンレム睡眠」が、夜10時から夜中の2時の間に来るように眠るのが、一番睡眠の質が良くなると言われています。
その夜10時から夜中の2時の間に、最初の「ノンレム睡眠」が来ると、その時に脳のグリンパティック系が働いて老廃物を除去し、成長ホルモンが分泌されて身体の再生を行うのです。
ですから若さを保つためには、この夜10時から夜中の2時の間に、しっかりと眠らなければなりません。
このあたりはナポレオンを見習いたいところですね。
質の良い睡眠のポイントは!
❶ 眠りはじめのノンレム睡眠が深くなる様に眠り方を工夫する
❷ 眠りはじめのノンレム睡眠が夜10時から夜中の2時の間に来る様に眠る
この2点がとても大切なのです。
睡眠不足になると睡眠負債が蓄積します
さてとりあえずは、あなたがこれまでのアドバイスに従って、質の良い睡眠をとれたとします。
昨日の夜は、キチンと10時に寝て、グッスリと朝の5時半まで眠ることができました。
これで全てスッキリ目覚められて、その日は一日中快調かというと、ことはそんなに甘くはありません。
なぜならば、あなたの脳には、あなたのこれまでの夜更かし生活がたたって、「睡眠負債」が蓄積しているからです。
この睡眠負債は、あなたが睡眠不足になるたびに、少しづつあなたの脳に蓄積していきます。
よく平日は仕事が忙しいため、土日にまとめて寝だめをする方がいますね。
でもじつを言うと、この方法では睡眠負債を十分に返済することはできないのです。
いったんたまった睡眠負債の返済には3週間以上かかります
日々の睡眠不足が続いていくと、それは睡眠負債として脳に蓄積していきます。
そしていったん睡眠負債がたまってしまうと、それを解消するには、かなりの期間が必要になるのです。
具体的な期間としては、キッチリと質の良い睡眠を7時間30分とって、それを3週間続けると睡眠負債が解消されます。
どうしてそれが分かるのかというと、スタンフォード大学のスリープラボでアスリートを対象に行われた実験があるのです。
それはアスリートのトレーニングを行いながら、彼らに毎日できる限り長く寝てもらうという実験でした。
被験者のアスリートたちは、最初のうちは長く眠れていたのですが、そのうち7時間30分以上は、どうやっても眠れなくなってしまったのです。
そしてさらに実験を継続すると、3週間目辺りから、アスリートたちの成績が向上し始めたのです。
つまり必要なだけ眠れる様になり、睡眠負債が解消されたことで、アスリートたちの運動機能、つまり脳の制御能力が高まったのです。
その睡眠負債の解消までに、毎日十分な睡眠をとり続けて、およそ3週間かかったというわけですね。
睡眠負債がたまった状態では、脳の機能が制限されて、あなたが食べた栄養素の燃焼も停滞する可能性があります。
摂取した栄養素を、キチンと燃焼して、健康的に自然にダイエットを成功させるためには、睡眠負債の解消が不可欠なのです。
睡眠負債が蓄積すると無意識のうちに過食になります
睡眠不足の状態になると、脳に送られるグルコースの量が、全体で6パーセント低下します。
特に頭頂葉と前頭前皮質へのグルコース量は12%~14%も低下します。
グルコースは脳にとっては唯一の栄養素です。
グルコースがないと、脳は正常に機能できなくなります。
ですから睡眠不足で脳が神経系やホルモンをコントロールできなくなり、そのせいで脳自身に送られるグルコースが少なくなると、さらに脳に栄養がいかないという問題になるのです。
この問題を解決するために、脳は私たちの身体に対して「甘いものを食べなさい」と命令してきます。
そうすることで身体に「甘いもの」を過剰に入れることで、相対的に脳のグルコースを増やすのです。
あなたが睡眠不足でない、本来の意志の強い状態であれば、この命令に逆らって、甘いものを我慢することが可能です。
しかしあなたが睡眠不足の状態であれば、あなたの脳の頭頂葉と前頭前皮質へのグルコース量は12%~14%も低下しています。
この頭頂葉と前頭前皮質は、脳の考える機能や、複数の考えを区別する機能、善悪の判断をつける機能などを司っています。
ですから睡眠不足の状態のあなたは、善悪の判断ができずに、悪魔のささやきに従って「甘いもの」を食べてしまいます。
思い返せば、睡眠不足になると、うっかり余計なオヤツを食べてしまっていた様な気がしますね。
あなたが睡眠不足でいる限りは、そのダイエットは成功しないのです。
睡眠の質を高めグッスリ眠るための方法とは!
ダイエットはただ無理をしてやせても意味がありません。
無理をすると必ずリバウンドしてしまうからです。
また健康に長生きすることもできませんね。
最適なダイエットは、適切な食事と、睡眠、運動を組み合わせて、脳に良い情報を送り、脳が過剰な栄養が必要だと判断しなくて済む様にすることなのです。
そうして脳にストレスをかけることなく、自然にやせていくコトが理想なのです。
つまり無駄な栄養を身体に溜め込む必要がない、スマートな状態が最適な健康状態を作り出すことが、理想的なダイエットの基本になります。
そのためには脳のコンディションを最高の状態に持っていく必要があり、それには質の良い睡眠が欠かせません。
ではどうすれば質の良い睡眠が取れる様になるのでしょうか?
睡眠の質を決めるのは寝はじめの一番最初のノンレム睡眠です!
はじめにご説明したように、私たちの睡眠のサイクルは、深い睡眠の「ノンレム睡眠」と浅い睡眠の「レム睡眠」が交互にやってきます。
ノンレム睡眠とレム睡眠をワンセット90分で、これを朝まで5回繰り返すと、ちょうど7時間30分になります。
これが基本的に必要な睡眠時間で、あとは睡眠の波の良し悪しで睡眠の質が決まります。
まず良くない睡眠の例をあげてみましょう。
⑴ だいたい1時間おきぐらいに目が覚めてしまう
これはノンレム睡眠とレム睡眠をあわせた、全体的に睡眠の波が浅くなっている場合に起こります。
つまり眠りはじめのノンレム睡眠が浅かったため、その後の睡眠の波が全体的に浅くなり、浅いレム睡眠になった時に目が覚めてしまうのです。
このレム睡眠の波は90分おきにきますから、寝ぼけながら時計を見ていると、だいたい1時間おきぐらいに目が覚める気がするのです。
この睡眠パターンの原因は、最初のノンレム睡眠が浅かった場合に起こります。
また筋肉や関節の痛み、お腹の調子が悪いなどの、体調不良でも起こりますね。
⑵ 一晩中ウツラウツラしてグッスリ寝た気がしない
これは睡眠の波がもうグチャグチャな状態です。
ノンレム睡眠とレム睡眠のセットも崩れてしまっていますね。
この睡眠パターンの場合には、寝始めに寝たと思ったらスグに目が冷めてしまったり、なかなか寝付けなくて苦しんだりします。
また体調が悪かったり、精神的なストレスが多い場合も、この睡眠パターンになりがちですね。
一番最初のノンレム睡眠が上手くいかないと、その後の睡眠パターンが全部調子が悪くなってしまうのです。
一番最初のノンレム睡眠を深くするための戦略とは
その夜の睡眠パターンを良くするための鍵は、その夜の一番最初の一番深いレム睡眠がポイントになります。
つまりその夜の寝始めの、一番最初のノンレム睡眠をグッと深く眠れる様にすることが大切なのです。
ではどうしたら最初のノンレム睡眠をグッと深く眠ることができるのでしょうか?
⑴ 寝る30分~1時間前から脳を休めて寝る準備をする
あなたはベッドに入ってから眠るまでに、どれくらいの時間がかかりますか?
世の中には寝付きの良い方と悪い方がいますから、ベッドに入ってから眠るまでの時間は、人によって大きく違います。
しかし問題は寝付きの速さではなく、眠り始めの眠りの深さなのです。
そこで大切になってくるのが、「ベッドに入る30分~1時間前から脳を休めて寝る準備をする」ということです。
まず寝る前には、なるべくパソコンやタブレットを使わないようにします。
さらにテレビも消して、静かな音楽などを聞きながらゆっくり過ごしましょう。
また照明も少し暗くした間接照明にすると、より脳の神経を穏やかにして、眠る前の準備が整います。
そうやって眠る前の30分~1時間前から、できるだけ穏やかに過ごすことで、脳の神経活動を鎮めて深く眠る準備を行います。
⑵ 就寝1時間前に入浴を済ませる
あなたはお風呂から上がって、体を拭いたらスグに寝るなんてしていませんか?
私たちが眠る時には、直前に体温が下がることが分かっています。
具体的には、眠る前に手足の抹消の血流が良くなり、そこから体温が放出されて、身体の中心の体温が下がることで眠くなるのです。
ですからお風呂から上がって、スグにベッドに入ると、まだ身体の中心がポカポカに温まっているので、この状態ではよく眠れません。
入浴はベッドに入る1時間前に済ませておきましょう。
またお風呂から上がって、少しのんびりする時間に、足のマッサージをすることも効果的です。
今はスライブなどのマッサージ機の会社から、足のマッサージ機が安く売られています。
それらのマッサージ機などをソファの足元に置いて、ゆっくりマッサージを受けると、足の血流が良くなり、足先からの体温の放出が高まりますから、より眠りやすくなりますよ。
良かったら試してみてくださいね。
⑶ 食事は寝る2時間前までに済ませる
私たちの身体は、起きている時に「異化作用」を行い、眠っている間に「同化作用」を行なっています。
つまり起きている間に、食べた物を分解して消化・吸収(異化作用)して、寝ている間にその摂取した栄養素を合成して細胞を再生(同化作用)したりしているのです。
ですから眠る直前に食事をとってしまうと、ベッドに入った時には、まだ胃の中の食べ物の消化が終わっていません。
そうなるとあなたの脳は、起きていてしなければならない消化・吸収の仕事が残ったまま、眠る準備に入るという、全く正反対の仕事を同時に行わなければならなくなります。
これでは眠り始めに深いノンレム睡眠に入ることはできませんね。
⑷ カフェインは午後2時以降は摂取しない
日中の仕事に気合いを入れるためには、カフェインが欠かせないというヒトは多いのではないでしょうか?
私もどちらかと言うとカフェイン中毒気味なので、コーヒーはよく飲みます。
しかもエスプレッソをよく飲みます。
カフェインは、私たちの脳を覚醒させて睡眠を妨げますから、夜には飲まない方が良いというのは、あなたも良くご存知だと思います。
しかし一度体内に取り込んだカフェインが、完全に効果を失うまでに、およそ6時間ほどかかることは、あまりご存知ないのではないでしょうか。
夕食後にコーヒーや濃いめのお茶を飲んでしまうと、あなたが寝ようとした時には、カフェインの効果が身体に残ってしまいます。
ですから夜ぐっすり眠るためには、夕方にコーヒーなどを飲んではいけないのです。
キチンとカフェインを抜いて、夜ぐっすりと眠るためには、午後2時以降はコーヒーやお茶を飲んではいけません。
せいぜい麦茶か、できれば水を飲みましょう。
⑸ 運動は朝に行い夕方に走らない
よく夕方から夜にかけてジョギングをしている方がおられますね。
公園や河川敷などで、一生懸命に走ったり、歩いたりして、めいめい頑張っておられます。
しかし良い睡眠をとるためには、午前中の運動がベストなのです。
これは実験でも立証されています。
米国のノースカロライナ州のアパラチア州立大学での実験では、被験者を ① 午前7時の運動グループ ② 午後1時の運動グループ ③ 午後7時の運動グループに分けて、どのグループの睡眠が良いかを調べました。
その結果、朝7時に運動するグループの睡眠時間が一番長く、眠りも深かったのです。
運動は午前中に行うのがベストなのです。
夜に運動すると、身体の深部の体温が大幅に上昇してしまいます。
この体温が下がるまでには、4~6時間かかりますので、これではベッドに入ってからずいぶん経たないと、体温が下がって良い睡眠が取れる状態になりませんね。
またここで注目したいのは、睡眠のために欠かせないホルモンの動きです。
快眠のためのホルモンとしては、メラトニンが挙げられますね。
このメラトニンは、幼少期には大量に分泌されていますが、年をとるごとにその量が減っていきます。
睡眠を司る脳の中枢である視床下部の老化と相まって、このメラトニンの減少が、年をとって眠れなくなる原因と考えられています。
ではどうすればメラトニンを増やして、グッスリ眠れるようになるのでしょうか?
それには2つの要素があります。
メラトニンを増やす要素1: セロトニンを増やす
メラトニンの元になるのは、セロトニンです。
このセロトニンは、快活ホルモンであり、朝になって私たちが太陽の光を浴びて活動を始めると、分泌量が増えるのです。
そして夕方になり、辺りが暗くなると、このセロトニンがメラトニンに変化されます。
つまり朝日を浴びながら運動することで、午前中にセロトニンを増やしておくと、夜眠るときのメラトニンを増やすことができるのです。
メラトニンを増やす要素2:副腎皮質ホルモン(コルチゾール)
このコルチゾールは、ストレスによって分泌が増え、夜間のコルチゾールの増加は、私たちの睡眠を妨げます。
またコルチゾールは、私たちの脳で記憶を制御している「海馬」を萎縮させることも知られています。
しかしコルチゾールは、私たちの日中の活動を支えており、私たちを目覚めさせ、精神力や集中力を高めて、やる気を高めてくれるのです。
さらにコルチゾールは、日中に高まり、夜に減少します。
そしてメラトニンとコルチゾールの間には、反比例の関係があるのです。
つまり体内のコルチゾールが増えるとメラトニンが減少し、反対にコルチゾールが減るとメラトニンは増加します。
例えば夜間にコルチゾールが増えすぎてメラトニンが減ると、私たちの身体は「疲れすぎてリラックスできない状態」になります。
夜になると体は疲れているのに神経は高ぶって眠れなくなり、朝になるとぐったりしてベッドから起きられない状態は、このコルチゾールの分泌が昼夜逆転しているのです。
コルチゾールもやはり朝日を浴びながら、午前中に運動することで、日中にその分泌のピークをもってくると、その後は夜に向けて減少していきますね。
反対による運動すると、そこでコルチゾールの分泌を高めてしまい、メラトニンを減らしてしまいます。
ですから午前中に運動して、夜に運動しないことが良い睡眠には大切なことなのです。
⑹ 毎日10時前までに朝日を浴びる様にする
この午前中の運動とセットで考えてほしいのが、朝日を浴びるという行為です。
毎朝、起きたらすぐに朝日を浴びることで、体内時計をリセットし、セロトニンの分泌と、コルチゾールの分泌を高めることができます。
そうすることで夜のメラトニンを増やすのです。
そうして朝元気に目覚めて、昼間は生き生きと活動し、夜になったら自然と眠くなる生活リズムを作っていきましょう。
⑺ トリプトファンを含む食材を食べる様にする
夜のメラトニンを増やすためには、その元になる昼間のセロトニンを増やさなければなりません。
そして昼間のセロトニンの材料になるのが、トリプトファンという栄養素です。
このトリプトファンは、大豆などの豆類や、鶏卵、乳製品、ゴマ・ナッツ類、アボカド、バナナなどに多く含まれています。
これらの食品を積極的に食べるように気をつけましょう。
またトリプトファンからセロトニン、そしてメラトニンに変化させる時の触媒となる物質を作ってくれるのが、「腸内細菌」です。
ですから普段から食物繊維をしっかりと摂って、あなたの大腸に住む腸内細菌をしっかりと育てておきましょうね。
睡眠とダイエットのテクニック
年をとるに従って良い睡眠をとるためにはテクニックが必要になります
若い頃には、成長ホルモンやセロトニン、メラトニンなどのホルモンもパワーがあります。
身体を構成する細胞にも活気があります。
しかし年をとるに従って、これらの力が弱まっていきます。
そしてダンダンと眠れなくなるのです。
眠れなくなって睡眠不足になることで、体は健康な状態から徐々に後退していきます。
そうなると何とか元気を取り戻そうとして、身体は栄養をため込もうとするのです。
睡眠をしっかりとって、身体のホルモンバランスを整える、あるいはホルモンバランスをしっかりして良い睡眠をとることが、脳に「自分は痩せていることが健康なのだ」と感じさせ、無理のない(脳にストレスのない)ダイエットを可能にするのです。
長くなったのでまたまたその5に続きます。
次回はダイエット効果を高めるための楽々運動方法とコンディショニングをご紹介します。
次回記事
辛いのはダメ! 脳をコントロールして楽々ニューロダイエット! その5