脳卒中片麻痺リハビリでの脊柱管狭窄症のリスクについて
はじめに
今回は脳卒中片麻痺とは直接の関係はありませんが、リハビリを行う上で注意すべき重要なリスクとなります。 脊柱管狭窄症の診断がなされていない方には関係のない話になってしまいますが、どうかご容赦ください。
脊柱管狭窄症とはどのような病気なのでしょうか?
脊柱管狭窄症とは、文字通り背骨(脊柱)の後ろの部分にある脊髄という神経が通っている椎間孔という穴が加齢による脊椎の変形などが原因で狭くなり、脊髄が圧迫されることで神経症状が起きる病気です。
※ 2番と3番の腰椎が半透明状態になっています。 その中を赤色で示された脊髄神経(馬尾神経)が通っています。 腰椎の変形などで、この脊髄神経の通り道である、椎間孔が狭くなるのが脊柱管狭窄症です。
脊柱管狭窄症を引き起こす原因としては以下のようなモノが挙げられます
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加齢による脊柱の変形
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圧迫骨折後に起きる脊椎の変形
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後縦靱帯骨化症(原因不明の椎間孔の靭帯の変質)
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黄色靭帯骨化症(原因不明の椎間孔の靭帯の変質)
主治医や整形の担当医からこれらの診断がなされた場合は、リハビリを行う上で脊柱管狭窄症のリスクに注意してリハビリを行わなければなりません。
では脊柱管狭窄症にはリハビリを行う上でどのようなリスクがあるのでしょう? 脊柱管狭窄症がある場合、背骨を大きく反らしたり転倒したりした場合に、急激に脊椎の変形が進行し、脊髄の圧迫がひどくなり、脊髄損傷などの重症な神経麻痺になる可能性が高いからです。
脊柱管狭窄症がある場合、背骨の運動を良くするために背骨を反らしたり捻ったりする動作は行ってはいけません。ですからリハビリを行う上では背骨を動かしたり、負担をかけるような運動は禁止となります。
脊柱管狭窄症があるときに行ってはいけない動作
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背骨を大きく反らす動作
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背骨を大きく捻る動作
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重いモノを持ち上げる動作
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急激な前屈みの動作
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転倒
以上の動作に注意してリハビリを行うことになります。
また以下の神経症状が強くなってきたら速やかに主治医に相談してください。
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足の痺れが酷くなってきた場合
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歩いていて急にカクンと力が抜けて転びそうになる場合
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足の力が急に落ちてきたと感じた場合
まとめ
脊柱管狭窄症がある場合、主治医から手術を勧められても「周囲の同じ手術を受けた人が、手術を受けてもちっとも良くならなかったと言っていたから」と、手術を嫌がる方が大勢おられます。
しかし脊柱管狭窄症の手術自体は、今ある症状を良くするのではなく、今後の進行を予防する手術ですので、主治医から手術を勧められた場合は、よく主治医に説明を受けて納得することが大切ですが、前向きに手術を検討してください。
そしてたとえ手術後の症状が以前と比べて良くならなかったとしても、あまり怒らないでください。
次回は
についてご説明いたします。
最後までお読みいただきありがとうございます
注意事項
※ このウェブサイトでご紹介する運動内容などは、皆様を個別に評価して処方されたものではありません。 実際のリハビリの取り組みについては皆様の主治医や担当リハビリ専門職とご相談の上行っていただきますようお願い申し上げます。
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