リハビリ裏話

脳卒中の痛みのほとんどは治ります!

 

はじめに

脳卒中の麻痺は脳血管が障害されて脳神経細胞が死滅したことに対する後遺障害であるため、完全に回復することはあり得ないと言われています。 しかしこれが麻痺ではなく痛みであった場合はどうでしょうか?

 

皆さんは脳卒中片麻痺の症状としての運動麻痺や感覚障害と痛みを同じように考えていませんか?

そして、「脳卒中の後遺症は完全に治ることはないのだから、この肩や腰の痛みもしょうがない」と思って諦めていませんか?

あるいは「脳卒中の麻痺が進行しているのではないか?(あり得ません!)

または新しい脳梗塞が起きたのではないか?」などと不安になっていませんか。

 

脳卒中の痛みは中枢神経性の痛みと抹消の筋肉や関節の痛みに分けられます!

確かに脳卒中による中枢神経性の痛みは治療が困難です。 中枢神経性の痛みで代表的な物は「視床痛」が一番メジャーな痛みです。

この視床痛は視床の知覚中枢核とその周辺の視床亜核を含む領域の障害で起こり、24時間途切れることなく激しい痛みや痺れが継続します。

そのためあまりの辛さにノイローゼになる方もおられます。

治療方法として薬物療法や手術療法がありますが、なかなか十分な効果が得られないようです。

 

視床痛のリハビリテーションに関する記事はこちら

脳卒中片麻痺の痛みと視床痛のケア

 

 

こう言った激しい中枢神経性の痛みは、脳卒中患者のおよそ1割に見られると言われています。 そうなのです意外に少ないでしょう!

でもほとんどの脳卒中片麻痺の患者さんは、何かしらの痛みを訴えていますよね。

それはどうなるのでしょうか? 実はこれらの痛みのほとんどが、関節の周囲の筋肉の障害によって引き起こされている痛みなのです。

 

中枢性疼痛いがいの脳卒中の痛みについて

脳の感覚神経の経路の問題による中枢性の激しい痛みは、脳卒中の痛みのおよそ10%に認められると言われています。

ですから残りの90%はそれ以外の痛みということになります。

脳卒中の方が訴えることが多い、主な痛みの症状と原因、ケアの方法を以下にご紹介します。

参考にしてみてください。

 

肩甲骨から肩と腕にかけての痛み!

肩甲骨の真ん中辺から肩にかけて痛みがあったり、肩甲骨の辺りを押すと痛みが出る場合があります。

この場合の主な痛みの原因は、肩甲筋板(ローテータカフ)と呼ばれる肩甲骨と肩関節の部分を結ぶ小さな筋群の筋の強張りなどが原因となって起きています。

この痛みは基本的には五十肩とほとんど同じような原因と痛みになります。

肩甲筋板(ローテータカフ)を構成する、「棘上筋」、「棘下筋」、「大円筋」、「小円筋」、「肩甲下筋」はとても小さな筋で、肩を直接動かすには力が弱いのですが、肩関節の中に、上腕骨をキチンと引き込んで、関節の動きを安定させる働きがあります。

肩甲筋板 L1解説付

ですからこの筋群が強張ると、肩関節の動きが悪くなって、腕を挙げられなくなったり、回せなくなったりします。

この場合、肩関節の麻痺は軽いにもかかわらず、肩関節の運動障害と痛みのせいで、腕が上がらなくなっていて、それを脳卒中の麻痺のせいだと思い込んでいるケースを時々見かけます。

原因

片麻痺によって、肩甲筋板(ローテータカフ)が麻痺している状態で、寝返りなどをした時に、麻痺側の腕がうっかり体の下敷きになることがあります。

この時に肩関節に異常な力がかかって、肩甲筋板(ローテータカフ)の筋肉が無理やり引っ張られて傷められることで筋肉に炎症が起こって強張ってしまいます。

寝返りなどには十分に注意してください!

注意点としては、この肩甲筋板(ローテータカフ)の障害による肩の痛みには「肩関節亜脱臼」という問題が合併することが多いことです。

先ほどの寝返りなどをした時に、麻痺側の腕がうっかり体の下敷きになるなどして、肩関節に異常な力がかかった時に、肩甲筋板(ローテータカフ)が無理やり伸ばされてしまうと、上腕骨の骨頭が肩関節から引き出されてグラグラになってしまいます。(肩関節亜脱臼)

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『肩関節亜脱臼』

本当に寝返りには注意してくださいね!

またこの肩の痛みが進行してくると、肩関節の周囲の三角筋のコンディションも障害されて、その部分の痛みも出てきますので、注意が必要です。

三角筋 L001解説付

リハビリテーション方法

この肩甲筋板(ローテータカフ)が障害されて痛みが出る場合のリハビリ方法は、この肩甲筋板(ローテータカフ)に対するマッサージをキチンと行って、筋肉のコンディショニングを行うことで、痛みが改善されます。

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痛みが三角筋にまで広がっている場合は、三角筋に対してもマッサージを行ってください。

 

 

肩甲骨の上縁から首の横にかけての痛み!

肩の上縁から首の横にかけて痛みがある場合は、「肩甲挙筋」と「斜角筋群」の筋の強張りによる痛みが考えられます。

肩甲挙筋は頚椎の脇から肩甲骨に至る筋肉で、肩甲骨を上に引き上げる運動をする筋肉です。

肩甲挙筋 L1解説付

一般的な肩こりは、この肩甲挙筋のコリによるものです。

原因

原因のほとんどは麻痺した肩甲挙筋が腕や肩甲骨の重さを支えきれなくなり、強く強張ってしまっていることにあります。

その影響で周辺の斜角筋群にも緊張と強張りが広がってしまう場合があります。

脳卒中の片麻痺による肩甲挙筋の麻痺と筋肉自体のコンディションの悪化が重なると、この部分の痛みと肩甲骨と腕の重みが支えられなくなり、肩甲骨が下がってしまったり、逆に強張って、引き上げられた状態から動かせなくなったりします。

肩甲骨が上手く動かせないと、立位や歩行時のバランスが取れなくなります。

また肩甲骨が上手く動かせないと、腕を動かすことも難しくなります。

ですからこの部分の肩甲挙筋のケアをとても重要です。

リハビリテーション方法

この肩甲挙筋や斜角筋群が障害されて痛みが出る場合のリハビリ方法は、肩甲挙筋と斜角筋群に対するマッサージをキチンと行って、筋肉のコンディショニングを行うことで、痛みが改善されます。

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首の後ろから後頭部にかけての痛みがある場合!

首の後ろから後頭部にかけて痛みがある場合は、「頭半棘筋」と「頭板状筋」の筋の強張りによる痛みが考えられます。

頭半棘筋 L1解説付 頭板状筋 L1解説付

原因

頭半棘筋と頭板状筋が筋機能不全になる原因としては、長期臥床で首を動かしていなかったことや、体幹筋が弱まって猫背になってしまっていることで、顎を前に突き出す姿勢が、首の後ろの筋肉に負担をかけていること、などが挙げられます。

頭半棘筋と頭板状筋のコンディションが悪化すると、顔を前後左右に動かす運動が上手くできなくなることで、頭部のバランス反応が低下して、立位や歩行時のバランスが低下することがあります。

また頭痛などの2次的な痛みの原因ともなります。

リハビリテーション方法

首の後ろから後頭部にかけて痛みがある場合は、頭半棘筋と頭板状筋に対するマッサージを行います。

 

 

手首から指先にかけての強張りと痛み!

脳卒中片麻痺では指先が強張った状態で痛みが出ているケースを多く見かけます。

この原因は少し複雑なのですが以下のようになります。

手の筋1

⑴ 指先を動かす運動神経は一次運動野からの皮質脊髄路で、対側神経支配のために脳卒中片麻痺で、強い麻痺が指先に残りやすい傾向がある。

⑵ 自分で麻痺側の指を動かそうとした時に、一次運動野から運動指示が出されても、実際の指の運動が麻痺のために行えずに感覚フィードバックがないために、運動調節が異常を来して、さらなる指先の強張りと痛みを発生させる。

⑶ この悪循環の繰り返しでドンドン指先が強張ってしまい、痛みも強くなってしまう。

つまり私たちの脳の運動コントロールは、一次運動野からの運動指示に対して、実際の動作がどうだったかの感覚フィードバックが一次体性感覚野に戻されて、それを照合することで、運動の調節を行っているのです。

ですから麻痺によって実際の指の運動が起こらないと、感覚フィードバックが戻されずに、運動と感覚の照合ができなくなって、運動神経の調節が狂って、指先の強張りと痛みが起きてしまうのです。

これを放置すると、ドンドン指先が強張ってしまい、その強張りが肘や肩に拡大して、麻痺側の上肢全体に問題が拡がってしまう可能性がありますので、注意が必要です。

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指動かない1

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リハビリテーション方法

すでに麻痺側の指が硬く強張って握りこんでしまっている場合は、高反発素材で作られた『ミラクル・グリップ』などの、手指の拘縮を改善させるための専用のグリップを握るなどのアプローチを行います。

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しかしこの時に、間違ったグリップを握ると、単に把握反射を増強させて、さらに手指の拘縮を悪化させてしまいますので、キチンとした「手指の拘縮を改善させるための専用のグリップ」を選んでくださいね。

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また麻痺によって手指が動かせなくて、体性感覚のフィードバックが出来ないことに対して、ミラーセラピーなどを行うことで、視覚情報による感覚のフィードバックを行うことで、運動神経の調節を正常化させるアプローチを行います。

錯覚による照合

大脳半球活動調節1

ミラーセラピーに関しては以下の記事を参照してください!

脳卒中片麻痺の手の機能を回復するミラーセラピーについて!

 

さらに急性期の手の浮腫による関節や筋肉の拘縮があって、手が動かせない場合は、しっかりと手指の関節と筋肉に対するマッサージを行うことも大切なアプローチになります。

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両側の肩甲骨の内側あたりの背中の痛み!

両側の肩甲骨の内側あたりの背中に痛みがある場合は、肩甲骨の内側縁から背骨にかけての「大菱形筋」と「小菱形筋」の筋が強張ってしまっている場合と、背骨に沿っている「最長筋」の胸の高さの部分が強張ってしまっている場合があります。

菱形筋群 解説付1最長筋 L2解説付

原因

背中の大・小菱形筋や最長筋が強張ってしまう原因としては、急性期に寝たきり状態となることで、背中の筋肉が動かせなくなり、筋肉の血流が少なくなったり、圧迫されたりして強張ることで痛みが出ます。

リハビリテーション方法

胸の高さでの背骨の周囲の筋肉の強張りをほぐすには、上半身や肩を左右に捻る運動や、背骨の伸ばして背中を反らせる運動が効果的です。

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この運動を行うときに、「脊柱管狭窄症」や「後縦靱帯骨化症」、「黄色靭帯骨化症」などがあると、運動に伴い症状が悪化する場合がありますので、これらの診断を受けている方は注意してください。

また深呼吸に合わせて肩と上体を反らせる運動も効果的です。

 

胸の前面で腕の付け根のやや内側の痛み!

胸の前面で腕の付け根のやや内側が痛くなる場合は、「小胸筋」の強張りである場合が多いです。

小胸筋は肩関節の前面で肩関節を安定させる働きをしている、大胸筋の内側にある小さな筋肉です。

小胸筋 L1解説付

小胸筋が強張ると、肩が小さくすぼまる姿勢になるので、より肩こりや前屈みの姿勢になって、首や肩の周囲の痛みが増す原因となります。

原因

小胸筋が強張る原因は、共同して肩の安定を支えている、肩甲筋板(ローテーターカフ)の障害により、肩の痛みが出ている場合に、同じように強張って痛みが出てきます。

リハビリテーション方法

小胸筋の強張りに対しては、小胸筋に対するマッサージを行います。

 

両側の腰の背骨の脇の痛み!

両側あるいは片側の腰の背骨の脇が痛くなる場合は、「腰腸肋筋」の強張りによる痛みであることが多く認められます。

いわゆる腰痛症としての痛みとほぼ同じ痛みです。

腸肋筋 L2解説付

原因

原因としては、脳卒中になると片側の毛様体脊髄路が障害されますが、網様体脊髄路は両側神経支配なので、腰を動かす脊柱起立筋に明らかな麻痺は出ませんが、その分、両側性に脊柱起立筋群の筋力低下が起こります。

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そして腰を支える腰腸肋筋の筋力が低下した状態で、麻痺側の下肢が麻痺して、骨盤を支えられなくなり、骨盤と背骨が立位や座位でグラグラすることで、腰腸肋筋に負担がかかることで、腰腸肋筋が傷められ強張ってしまうようになります。

脳卒中になると両側の脊柱起立筋群の筋力低下が起こるため、腰痛症になりやすくなっています。

リハビリテーション方法

腰腸肋筋の強張りによる腰痛へのリハビリ方法は、やはり腰腸肋筋に対するマッサージを行うことになります。

また一般的な腰痛体操なども効果があります。

 

股関節の付け根のお尻の凹みのあたりの痛み!

股関節の付け根のお尻の凹みのあたりが痛い場合は、仙腸関節と股関節を結ぶ、「中殿筋」、「梨状筋」、「外・内閉鎖筋」、「上・下双子筋」などの強張りによります。

いわゆるぎっくり腰に多い筋の障害です。

仙腸関節周囲筋 L1解説付

原因

この仙腸関節と股関節を結ぶラインは、ちょうど上半身の重みと、下肢からの床半力がぶつかる、ヒトの体の扇の要のような部分になります。

ですから常に体重や運度による負荷がかかっていて、筋肉を傷めやすい部分になります。

脳卒中になると麻痺側の下肢がグラグラして骨盤が不安定になります。

また上半身を支える脊柱起立筋群や肩甲帯の動きが悪くなることで、上体のふらつきや傾きも、この部分に負担となります。

このように負担が増えることと、麻痺による筋力低下により、「中殿筋」、「梨状筋」、「外・内閉鎖筋」、「上・下双子筋」などが強張って腰痛症となります。

リハビリテーション方法

強張って硬くなった「中殿筋」、「梨状筋」、「外・内閉鎖筋」、「上・下双子筋」などの筋肉をマッサージによってほぐします。

 

 

太ももの外側の痛み!

太ももの外側が痛くなる場合は「大腿筋膜張筋」が強張って痛みが出ています。

また大腿筋膜張筋の他に「大腿四頭筋の外側広筋」が強張って痛みが出る場合もあります。

外側広筋 L1解説付

原因

太ももの外側の痛みは、腰痛と関連して出ることが多い痛みです。

腰痛になると、痛みのある側の腰に体重を乗せられなくなり、特に麻痺側の足は踏ん張りが利かなくなります。

そのために麻痺側の足に十分に体重が乗せられないまま歩くことで、麻痺側の足の外側の筋肉に緊張が出て、それが慢性化することで痛み出すことになります。

リハビリテーション方法

太ももの外側の痛みの対策としては、痛みの出ている「大腿筋膜張筋」と「大腿四頭筋の外側広筋」に対するマッサージも必要です。

また関連している腰痛のケアも大切になります。

ですが一番大切なのは、麻痺側の足にキチンと体重を乗せて歩けるように、歩行パターンを練習して治していくことになります。

いくら筋肉をマッサージして痛みを治しても、歩行パターンが悪ければ、何度も痛みがぶり返すことになってしまいます。

 

 

太ももの内側の痛み!

太ももの内側の痛みは「大腿内転筋群」の強張りによって起こります。

内転筋群 L001解説付

原因

太ももの内側の痛みも、太ももの外側の痛みと同じように、腰痛や麻痺側の足に十分に体重を乗せられないで歩いていることで起こってきます。

麻痺側の脚の太ももの外側に痛みが出ている場合、多くは内側にも痛みが出ています。

リハビリテーション方法

やはり太ももの外側の痛みのリハビリと同じように、麻痺側の足にキチンと体重を乗せて歩けるように、歩行パターンを練習して治していくことが大切になります。

また太ももの内側の「大腿内転筋群」へのマッサージも行うようにしましょう。

 

 

足の甲の痛み!

脳卒中片麻痺の方が歩いていて、麻痺側の足の甲に痛みを訴えることがあります。

この足の甲の痛みは「前脛骨筋」の足の甲の付け根の部分の緊張による痛みです。

前脛骨筋 解説付1

原因

これは歩くときに麻痺側の足のつま先にキチンと体重が乗せられないことで、踵体重で歩いてしまっていることが原因で起こります。

麻痺側の足を踵体重で地面についていることで、常に足を反らせる方向に力が入っており、「前脛骨筋」に慢性的な緊張が起こっています。

そのために「前脛骨筋」の付け根の足の甲の部分に負担がかかって、痛みが起こります。

リハビリテーション方法

この場合は歩行時に、麻痺側の足のつま先に体重を乗せるように意識して歩くことで、足を地面について踏ん張ったときに、足の指先の筋肉に力が入って、前脛骨筋から緊張が落ちるように歩行パターンを修正することで、痛みを軽くしていきます。

 

 

まとめ

脳卒中片麻痺では身体の色々な部位に痛みが出ます。

しかしそのほとんどは「中枢神経性疼痛」と言われる、「視床痛」などの麻痺が原因の痛みではなく、筋肉の強張りによる痛みが多く認められています。

そしてこれらの痛みは、マッサージや身体の動かし方の工夫などで、ほとんどが軽減することが可能な痛みです。

脳卒中片麻痺ではファシリテーションなどによって、少しでも麻痺を改善して、運動機能を高めるためのリハビリテーションを行います。

しかし運動を行う部位に痛みがあると、痛みによって正しい運動が行えなくなってしまいます。

間違った動作をいくら練習しても、良い結果は求められません。

効果的なリハビリテーションを行うためには、脳神経から指示を受けて運動する、筋肉のコンディションを整えて、痛みのない状態にしておかなくてはなりません。

ですから痛みのケアは脳卒中リハビリテーションの一番の基礎と言えると思います。

また痛みがあるだけで生活の意欲も大きく低下してしまうことが、よく見受けられます。

効果的な脳卒中リハビリテーションを行って、少しでも麻痺を改善するために、キチンとした痛みのケアを行いましょう。

 

 

最後に大切なこと!

 

中枢神経性の痛みと筋肉の緊張による痛みの見分け方!

脳卒中で痛みを訴えている方は多いと思いますが、その多くは改善可能な痛みです。

 

中枢神経性の痛みとの違いの見かけ方は!

中枢神経性の痛みは、そのほとんどが麻痺側にのみ認められます。

そしてほとんどが常に一定以上の痛みが継続して、あまり軽くなることはありません。

しかし筋肉の障害による痛みは、麻痺側だけでなく健側に出ることもあります。

またその日によって痛みがあったりなかったり、痛みの場所が次々に移動する場合もあります。

これらの場合は筋肉の緊張などによる痛みであることが多いです。

この場合は適切にマッサージを行うことで痛みを軽くすることができるのです。

 

注意点!

中枢神経性の痛みで特に視床痛などでは、マッサージや温める温熱療法などにより、急激に痛みがひどくなる場合があります。

これはアロデニアやハイパーパチアと呼ばれる現象です。

マッサージを開始直後に痛みが急激にひどくなった場合はマッサージを中止して下さい。

 

しかしマッサージを行った翌日に痛みが増す場合は、単なる揉み返しです。

これは何回かマッサージを繰り返せば起きなくなります。

実は皆さんの体力低下の原因のほとんどは痛みによる運動制限が原因と言われています。

どんなに頑張っても、痛みがひどくなってしまっては結局最後には体力低下して動けなくなってしまいます。

ぜひ痛みをとって体力低下を予防していただきたいと思います。

皆さん頑張ってみてくださいね。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

視床痛のリハビリテーションに関する記事はこちら

脳卒中片麻痺の痛みと視床痛のケア

 

最新の脳科学に基づく脳卒中片麻痺の回復に関する記事はこちら

「脳卒中片麻痺を治す最新の脳科学に基づく脳卒中ニューロリハビリテーションの在宅での実施方法」

 

 

次回は

「あなたは身体機能低下の悪循環スパイラルに陥っていないですか?」

 

以下のページを痛みに対するケアの参考にしてみてください!

1. 脳卒中のリハビリで一番大切なのは痛みのケア
2. 痛みのリンクは骨盤と背骨と肩甲骨で起こります
3. 背骨を動かす脊柱起立筋群と痛みのケア

4. 背骨の周囲の筋肉のコンディションを整えて痛みをとるマッサージ
5. 背骨の周囲の筋肉のコンディションを整えて痛みをとる運動方法
6. 肩甲骨の周囲の筋肉のコンディションを整えて痛みをとるマッサージ
7. 肩甲骨の周囲の筋肉のコンディションを整えて痛みをとる運動方法
8. 骨盤の周囲の筋肉のコンディションを整えて痛みをとるマッサージ

9. 骨盤周囲の筋肉のコンディションを整えて痛みをとる運動方法

 

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