小児リハビリ

脳性小児麻痺ってリハビリで治せるの? 小児ニューロリハビリの可能性について!

 

はじめに

生まれてきたお子さんに脳性小児麻痺が見つかって、お子さんの将来に障害が残されるかもしれないと言う事は、パパやママににとっては、とても辛いことです。

そこで大切な我が子に、なるべく良いケアを受けさせたいと思います。

そしてリハビリテーションなども、積極的に受けるようにしたいと考えますよね。

でもここで注意していただきたいのは、お子さんの受けるリハビリテーションが、これまでの古いタイプに対して、最近の脳科学の発達によって、新しいニューロリハビリと呼ばれるものが生まれてきているということです。

あなたのお子さんには、なるべく良いリハビリテーションを受けさせてあげたいですよね。

ですから今日は、最新の小児ニューロリハビリテーションについて、少し勉強してもらいたいと思います。

なるべく分かり易く、やさしく解説して行きますので、最後までお付き合いいただければ嬉しいです。

それではどうぞよろしくお願いします。

 

これまでの小児リハビリと小児ニューロリハビリの違いはなんですか?

これまでの脳性小児麻痺のお子さんへのリハビリテーションは、「人間発達学」を基本的な考え方としていました。

ではこの「人間発達学」とはどんな考え方なのでしょう?

ヒトは、生まれてから大人になるまで、ある程度同じような成長の過程をたどります。

たとえば、赤ちゃんは生後 1~ 4ヶ月の間に、自分の2つの手を見て、それを動かして、自分の手の存在を認識します。

生後 4~ 8ヶ月になると、その手にガラガラなどのオモチャを持って遊ぶようになります。

生後 1歳~ 2歳になると、ブロックや積み木のオモチャで上手に遊べるようになります。

さらに 2歳~ 4歳になると、おままごとを始めます。

これは、お子さんの成長が、感覚的運動段階から、象徴的思考段階に移り変わってきたからです。

さらにこの後、直感的思考段階から、具体的操作段階に成長して行き、小学校に入る頃には、夏休みの自由研究をやるようになります。

 

これが「人間発達学」的な見方です。

 

これを運動機能の面から見ると、4ヶ月から手を自分で意識して動かすようになり、その後5ヶ月くらいから、手で自分の足を触るようになります。

6ヶ月くらいから、まぐれで寝返りができるようになり、8ヶ月くらいには、寝返りが上手になります。

9ヶ月くらいからは、四つ這い移動ができるようになります。

このように、正常児の発達は、個人差はありますが、だいたい同じように発達してきます。

これまでの小児リハビリテーションは、この人間発達学にしたがって、適切な動作や思考を出来るようになるように、目的となる動作や行動を繰り返し練習して、脳の神経を発達させようとしてきました。

 

しかし脳性小児麻痺のお子さんの場合、周産期に受けたダメージによって、一部の脳の神経機能が、未発達であったり、機能が低下していたりします。

ですので、それらの一部の脳の機能の問題が、ボトルネックとなって、正常な発達が行われにくくなってしまっているのです。

小児ニューロリハビリテーションでは、お子さんの麻痺を治しながら、適切な発達ができるように、この脳の神経回路のボトルネックを取り除くための、神経学的なアプローチを中心に行います。

つまりは問題のある神経回路の機能をキチンと特定して、それを治すための専門的な神経アプローチを行うのが、小児ニューロリハビリテーションです。

これも脳科学の発達によって、脳の機能が良くわかってきたために、このようなやり方が可能になってきたのです。

そして効果的な神経アプローチが成功すると、驚くほどの効果が認められる場合があります。

 

どうしてニューロリハビリで麻痺が治る可能性があるのですか?

脳性小児麻痺のお子さんは、なんらかの問題で、脳の神経細胞が未成熟のまま生まれてきてしまいました。

これを分かり易く、お花の種で例えると、芽が出にくい小粒の種みたいなものです。

あなたのお子さんの脳神経細胞は、シナプスという芽が出にくい、小粒で未成熟な種なのです。

ですから芽が出にくい神経細胞に対しては、より集中的に芽を出させるための、それ用の刺激を与えてやる必要があるのです。

私たちの脳の神経細胞には、たくさんの種類があり、それぞれに働きや、反応する刺激が違います。

お子さんの問題のある神経細胞に対して、より適切な刺激を与えて、細胞の芽を出させるようにするアプローチが、小児ニューロリハビリテーションなのです。

 

細胞の芽を出させる刺激を『運動学習』と呼びます

ニューロリハビリテーションは、小児でも成人でも、まったく同じで『運動学習』を基本とします。

この『運動学習』とは一体どんなものなのでしょうか?

 

『運動学習』とは!

私たちが、何かの動作を行う時に、私たちの脳は、どんな風にその動作を制御しているのでしょうか?

あなたがテーブルの上のコップに手を伸ばす場合を考えてください。

これは素早い動作で、途中での微調節が難しい動作ですから、あなたの脳は、「これくらいの力加減で手を動かせば上手くいくだろう」と予測して、コップに手を伸ばす動作を始めます。

 

これを「予測フィードフォワード制御」と呼びます。

この動作の制御が上手くいけば、あなたは無事にコップをつかむことが出来ます。

しかしこの制御が未熟であれば、あなたの指は、コップを弾いて倒してしまい、中の水はテーブルにこぼれてしまいます。

赤ちゃんは、よくコップ倒して中の水をテーブルにぶちまけますよね。

これは「予測フィードフォワード制御」が未熟だからです。

コップの水をぶちまけてしまう場合は、この動作を何回も繰り返し練習することで、予測の精度を高めていき、動作の成功率を上げていく事で、コップを倒さなくなります。

次につかんだコップを持ち上げる動作に移ります。

この時に、あなたは初めてコップの重さを、手で感じることになります。

あなたは、あらかじめ見た目でコップの重さを予測してはいますが、実際に持ってみると、やや予測とは違います。

この時に、あなたが手で感じたコップの重さが「感覚フィードバック」と呼ばれるものです。

実際には、あなたは手や腕の筋肉の力加減で、大体のコップの重さを感じているので、秤で重さを図っているわけではありません。

本当は、あなたの手や腕の筋肉の中にある、感覚センサーが働いて、コップを持ち上げるのに、どのくらいの力が必要だったかの感覚情報を、あなたの脳にフィードバックしているのです。

この感覚フィードバックに基づいて、あなたの脳は、運動制御を調節しなおします。

これを「動作の最適化」と呼びます。

そして最適化された動作のプログラムによって行われる運動制御を、「最適化フィードバック制御」と呼びます。

この一連の運動制御のプログラムを繰り返す事で、『運動学習』が行われます。

つまり脳の運動神経が予測した動作を、実際に行って、その結果が感覚神経にフィードバックされ、その情報に基づいて動作の制御プログラムを調整し治す作業を繰り返す事で、運動神経や感覚神経が学習して、発達していくのです。

この運動学習によって、未成熟であった大脳皮質の神経細胞が発達し、また神経細胞の数も増えてくるのです。

小児ニューロリハビリテーションでは、問題となっている神経経路を適切に把握し、その神経系を効率よく発達させるための、神経リハビリテーションのアプローチを行なっていきます。

 

 

視覚による高度な運動制御の学習

次に、コップをつかむ動作に注目してください。

コップにもさまざまな形のコップがありますね。

取っ手が付いているものと、いないもの。

大きさや太さもマチマチです。

あなたがコップをつかむ時には、目で見て、コップの形を把握した上で、正確にコップをつかむ必要があります。

つまりコップの形を目で確認したら、そのコップの形に合わせた、指の細かな動きを調節する必要があるのです。

またつかむ対象が、コップでなく、リンゴやミカン、あるいはスプーンであった場合には、さらに指の動きには、いろいろな種類があることが分かります。

それらの動作を、目で見た形の情報から、指の動きを調節するための、神経活動に転換する必要があるのです。

これも高度な運動学習になります。

 

『身体図式』を育てるための運動学習

ここで『身体図式』と呼ばれる、少し専門的な概念について解説させてください。

あなたの髪の毛は長いですか、それとも短いですか?

あなたは太っていますか、それとも痩せていますか?

あなたの顔は丸顔ですか、それとも細長い馬面ですか?

これらの体に対するイメージは、客観的なイメージで「身体イメージ」と呼ばれます。

『身体図式』は、この客観的な「身体イメージ」とは違う、主観的なイメージになります。

 

身体図式とは!

たとえば、あなたが柿の木の下に立っていて、枝に柿の実がなっていたとします。

あなたは見ただけで、その柿の実に手が届くかどうか分かります。

背伸びをすれば届くのか、脚立が必要なのかが、初めから大体予想できています。

また道を歩いていて、段差があった場合、一歩で段差を乗り越えられるかどうかも、予想できます。

無理だと思ったら、段差を越えるのを諦めて、迂回する道を探しますよね。

さらに野原を歩いていて、橋のない小川が流れていたら、そこを飛び越えることができるかどうかも、大体は予想できます。

あなたのジャンプ力と体重の重さから、大体の飛距離が予想できているのです。

これらの主観的な感覚を『身体図式』といい、運動制御にとても重要な感覚なのです。

脳性小児麻痺のお子さんは、生まれた時から自由に動けないため、この身体図式が発達していません。

たとえば動けないで仰向けに寝たきりであれば、お子さんは自分の足を目で見ることも出来ないため、「自分に足が生えていること」にすら気がついていないのです。

これでは足が動くようになるわけもありませんね。

また『身体図式』に関わる神経回路は、「ミラーニューロン」を呼ばれる神経回路とも重複しています。

 

ミラーニューロンとは?

このミラーニューロンは、相手の動作を見て、その動作を真似る神経回路です。

ミラーニューロンは、視覚神経と、感覚神経を統合する神経と、運動神経が連携して働く神経回路です。

他の人が動作をしているのを観察している時に、自分がその動作をしているように、運動神経が働いていることがわかっています。

実際には、自分は動いていないのですが、目の前で動いている人と、同じ動作をしているように、脳の中で運動神経が活動しています。

これがミラーニューロンの特徴です。

ミラーニューロンの働きで、なにかの動作が上手な人の動きを真似ることで、私たちはその動作を、上達させることが出来ます。

また相手の動作を、自分の動作として、心の鏡に写してみることで、相手がどんな目的でその動作を行っているのか、理解することもできるようになっています。

たとえば相手が泣いていれば、自分の心の中の鏡で、同じように泣いてみることで、「ああママは悲しいんだ」と理解することができるのです。

『身体図式』と「ミラーニューロン」を育てることは、お子さんの人間的な成長のために、必須のアプローチになります。

 

自主性を持った運動制御の学習

お子さんの手が動かせるようになると、大体の場合には、鼻から入れてあるチューブを抜いてしまうようになったり、問題が起こりますね。

でもお子さんは、止める間もなく鼻のチューブは抜いてしまいますが、オモチャなどに手を伸ばすことは出来なかったりする場合があります。

これは、鼻のチューブを抜く動作は、反射的に行っている、原始的な動作なのですが、目的を持ってオモチャなどに手を伸ばす動作は、より高度な前頭葉や高次運動野が連携して行う動作だからです。

私たちも、顔の周りにハエや蚊が飛んできたら、無意識のうちに払いのける動作をしますよね。

お子さんが鼻のチューブを抜く動作は、これと同じ反射的な動作です。

ですがオモチャなどに手を伸ばして、つかむ動作は、オモチャを認識した上で、それを操作しようという意志を持つ必要があります。

このような動作は、目で見たものを分析し、どんなオモチャかを認識し、それで遊びたいと意欲を持ち、遊び方を考えた上で、その動作の指令を手足に送らなければなりません。

それは脳のとてもたくさんの領域が連携して行われる、とても複雑な制御なのです。

小児ニューロリハビリテーションでは、これらの脳の複雑な連携を促すための神経制御の学習も行っていきます。

 

生命維持のための運動リズムと姿勢制御を学習します

ここで少し遠くに立っている人が居たとします。

あなたはしばらく見ていると、「おやっあれはマネキン人形かな」と気がつく時がありますね。

相手が動かないで立って居ても、生きている人と、人形では雰囲気が違うので、なんとなく分かります。

これはどうしてかと言うと、私たちは動かないで、じっと立っているときにも、かすかに揺れているからです。

このかすかな揺れを見極めて、私たちは相手が、生きている人間か、マネキン人形かを判断できるのです。

私たちは、生きている間中、常にあるリズムを持って揺れ続けています。

そしてこのリズムは、動作が切り替わると、リズムも切り替わるのです。

じっと真っ直ぐに立っている状態から、歩き出すときに、このリズムが切り替わります。

このリズムが切り替わることで、私たちは正しく姿勢を制御して、不安定な2本足で歩いていても、転ばないでいられるのです。

この運動リズムの切り替えは、姿勢制御においてとても重要なのです。

また私たちは、普段は生きるためのエネルギーを作り出すために、呼吸をして、肺から酸素を、体の中に取り入れています。

これも私たちが無意識のうちに行っている、生命維持のためのリズム運動です。

そして私たちは、会話をするときに、声を出すために、この呼吸のための呼吸筋のリズムを変えて、声を出すための呼吸リズムに切り替えます。

声を出す時の呼吸リズムは、肺に酸素を送るためでなく、声帯に空気を流すためのリズムになります。

もし私たちが、緊張していたりして、うまくこの呼吸リズムを切り替えられない場合、話している間に、息が詰まって苦しくなったり、声が上手に最後まで出せなくて、かすれ声になったりしますね。

 

このような姿勢を制御したり、運動を切り替えたり、呼吸リズムを切り替えたりするのは、物を考えたりするときに働く、大脳皮質ではなく、その下にある「大脳基底核」や中脳にある「網様体」の連携で行われます。

ニューロリハビリテーションでは、これらのリズムを獲得するための練習も重要なのです。

 

実際の小児ニューロリハビリテーションの流れはどうなりますか?

では次に小児ニューロリハビリテーションの具体的な手順についてご説明しますね。

 

小児ニューロリハビリテーションの手順

 

運動学習の準備のための筋肉のコンディショニング

小児ニューロリハビリテーションでは、神経細胞を再生、成長させるために『運動学習』を進めていきます。

この運動学習のためには、脳から手足に向かって、「運動指令」が出され、その運動の結果が、「感覚フィードバック」として、脳に戻されなければなりません。

そのために手足の筋肉の中にある、「感覚センサー」がシッカリと働いてくれないと困るのです。

しかし多くの脳性小児麻痺のお子さんの手足は、カチカチに緊張しています。

パパやママは、この子は脳に障害を持って生まれてきたから、手足がカチカチなのは仕方がないと思い込んでおられます。

しかしこの筋緊張は、多くの場合、柔らかくすることが可能なのです。

その理由は、お子さんの手足の筋緊張は、生まれたときに、自律神経機能などがうまく働かなくて、生きるか死ぬかの瀬戸際にあって、強い緊張状態と、血液循環の不調によって作られたものだからです。

また先ほどご説明したように、私たちは、動作を制御するために、運動司令に対して、実際に行われた運動の結果を、感覚フィードバックとして受け取って、動作の最適化を行なっています。

でも筋肉がこわばっていると、筋肉内の感覚センサーが働かないために、この感覚フィードバックが上手くいかなくなります。

そしていったん「感覚フィードバック」が上手くいかなくなると、運動神経系のコントロールが乱れて、手足の筋肉をさらに緊張させる信号を出してしまう、悪循環に陥っているからです。

一度、シッカリと手足の筋肉をマッサージして、筋肉を柔らかくすると、びっくりするくらいフニャフニャになりますよ。

そうすると感覚フィードバックが出来るようになります。

そうして初めて『運動学習』によって、神経を再生、成長させる準備が出来るのです。

また手足の筋肉だけでなく、背骨の周りの筋肉や、肩や腰の筋肉も、柔らかくする必要があります。

赤ちゃんは、生まれてから1ヵ月くらいの間は、顔を横に向けて、手足を曲げた「生理的屈曲位」をとります。

脳性小児麻痺のお子さんは、この「生理的屈曲位」の期間が長くなることが多く、そのために、脳が発達し始める頃には、背骨や首の周りの筋肉が、カチカチにこわばって、動かせなくなっています。

その状態を放置すると、脊柱側弯が進行して、寝返り動作や手足の運動も妨げてしまいます。

ですから背骨の周りの筋肉も、シッカリとマッサージをしておく必要があるのです。

このときに行うマッサージは「マイオセラピー」と呼ばれる、少し特殊なマッサージ方法を用います。

 

手足の運動神経の再生と身体図式の作成

手足や背骨の筋肉がほぐれて、準備が整ったら、運動学習のためのアプローチを開始します。

まずはどんな動きでも良いので、手の動かせるところから、繰り返し運動を行います。

初めはぎこちない動作で、運動自体も出来たり出来なかったりで、不確実ですが、繰り返し練習することで、成功率も高まり、上手になってきます。

また寝ている状態では、自分では両足が見えないため、「あなたには足があるんだよ」と教えてあげるために、足の裏を音の出る小箱などでトントンしたり、こちらから足を動かしてあげたり、いろいろなアプローチを試していきます。

またやらせようとする動作を、こちらが目の前でやって見せることで、ミラーニューロンにも刺激を入れていきます。

 

寝返りなどの背骨の運動

姿勢をキチンと制御できるようになるために、寝返りなどの動作を通じて、背骨の周りの筋肉を上手に動かせるように練習します。

お子さんは、キチンと動けるようになるまで、仰向けに寝ている時間が、とても多くなります。

そうするとせっかくマイオセラピーでほぐした、背骨の周りの筋肉も、またカチカチに固まってしまいます。

そうなると筋肉のバランスが狂ってしまい、また脊柱側弯が進行するリスクが高まってしまいます。

なるべく背骨の筋肉の運動は、シッカリ行う必要があります。

またうつ伏せになることを嫌がるお子さんは多いですが、自分で寝返りが出来るようになり、うつ伏せから自力で戻れるようになると、うつ伏せを嫌がることは、ほとんどなくなります。

さらに背骨や肩・腰の筋肉がシッカリ動くようになれば、首も安定しますし、座ったときのバランスもよくなります。

さらには立った時のバランスも、良くなります。

背骨と肩・腰の筋肉が、シッカリと連動して動くようになれば、座ったとき、立った時のバランスが良くなり、歩行できるようになる可能性が高まります。

 

複雑な制御を伴う動作を練習します

手足の運動をコントロールしている、脳の運動神経が再生してきて、簡単な手足の動作ができるようになったら、次はもう少し複雑な動作の制御を練習します。

単純な指の屈伸運動などから、対象に合わせて、指の運動を調節したり、対象を操作するための制御などを練習していきます。

また赤信号では立ち止まり、青信号で歩き出すなどの判断力を高める練習も行います。

 

このようにニューロリハビリテーションでは、大脳皮質や大脳基底核、小脳などの神経経路ごとに、最適な運動学習を行うことで、神経再生を促して行くのです。

 

まとめ

今回は、脳性小児麻痺のお子さんに対する、小児ニューロリハビリテーションの基本的な考え方について解説しました。

小児ニューロリハビリテーションでは、これまでの小児リハビリテーションと同様に、お子さんの成長発達が、なるべく良好になるようにアプローチを行います。

しかしそのベースとなる考え方が、神経学的に神経回路の問題点を抽出し、そこに集中的にアプローチすることで、神経学的な問題点を解消するということになります。

そうすることで成長発達のボトルネックとなっていた、神経学的な問題点を取り除き、お子さんの発達をより良好にすることを目的にしています。

小児ニューロリハビリテーションは、21世紀の脳科学の発達に伴い、はじまりました。

そして脳科学の発達とともに進歩して行く、新しいリハビリテーションの考え方なのです。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

注意事項!

このサイトでご紹介している運動は、あなたのお子さんの身体状態を評価した上で処方されたものではありません。 主治医あるいはリハビリ担当者にご相談の上自己責任にて行ってくださるようお願い申し上げます。

 

 

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