はじめに
1960年代から、急激に私たちの寿命が伸び始め、とうとう2040年くらいには、人間100年時代がやってくるようですね。
しかし単に長生きが出来れば良いわけではありません。
いくら長生きでも、ベッドの上で寝たきりでなんてごめんですよね。
健康で活力に溢れた、若々しい状態がなるべく長く続かなくては意味がありません。
しかし私たちの寿命が伸び始めてから、健康で若々しくいられる期間も、寿命が伸びるに従って、長くなっているようです。
40年前くらいの60歳といえば、かなり老けて見えたもので、ちょうど今の80歳くらいの見た目でした。
最近では、ドンドン見た目も若くなり、いまでは40代のアイドル歌手なんかも、そんなに珍しくなくなりましたね。
今後も、さらに私たちの寿命は伸びて、100歳まで近づいていきます。
その時に、70代でも80代でも、若々しくいられたら最高ですよね。
実際に人間100年時代の考え方として、50歳からの50年間を「第2の人生」と考えて、50代をその「第2の人生」の準備期間とし、60代から80代の30年間を実質的な活動期間、90代を「本当の老後」とする人生のスタイルも提案されてきています。
「第2の人生」のメリットといえば、「子育てなどの普通の生き物が追うべき責任がない」と言うことです。
ある程度のこれまで築いた生活基盤もありますし、年金などの社会保障もあります。
なので本気で目指そうとすれば、才能さえあれば、画家や小説家、あるいは音楽家などで成功することも夢ではありません。
なにせ家族のことを顧みずに、全力で挑戦できるのですから。
そう言った挑戦をしようとする時に、一番重要なのは「健康」ですね。
このシリーズでは、人生100年時代を全力で活躍するための、健康のための備えについて解説していきます。
特に健康とアンチエイジングに重要な「食事」「睡眠」「運動」「コンディショニング」について、最新の医学に基づいてアイデアを提案していきたいと思います。
今回は健康とアンチエイジングのための「地中海式食事法」について解説していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
メタアナリシスによる分析が導き出した「地中海式食事法」とは!
あなたはメタアナリシスという言葉をご存知ですか?
これは最近の医学研究の領域で流行っている、統計的な分析手法です。
やり方は、例えば健康な食事法であれば、食事や栄養に関する、世界中の医学文献を集めて、解析します。
そして実際には、どんな食事法や栄養が健康に良くて、何を食べれば健康に悪いのかが、分かるのです。
ひとつだけの研究ではなく、世界中の研究を、まとめて分析しますから、とても正確な答えが出ます。
その結果として、「地中海式の食事」が一番健康に良いという結果が出たのです。
前回記事はこちら
腸内フローラのはなし
医学の世界では、今は「腸内フローラ」の研究が盛んに行われています。
実は私たちの大腸には「腸内フローラ」と呼ばれる常在菌が、およそ100兆個~1000兆個も住み着いています。
この「腸内フローラ」と、ヒトとの共生関係の真相が明らかになるにつれ、その「腸内フローラ」が私たちの健康に貢献する重要性の高さに、世界中の研究者が愕然としています。
「腸内フローラ」は、単に腸内の健康を保つだけでなく、主に私たちが自力では分解吸収できない食物繊維(多糖類)を、発酵・分解して、様々な栄養素を作り出してくれます。
この栄養素から、私たちの身体は、多くの神経伝達物質を作り出したり、その栄養素自体がメッセージ物質として、私たちの身体の機能を調節したりするのです。
私たちの免疫の機能や性能も、この「腸内フローラ」のコンディションに左右されることが、分かってきています。
免疫が乱れると、花粉症や喘息などのアレルギー症状が悪化したり、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患になりやすくなったりします。
それどころか多発性硬化症や筋萎縮性側索硬化症などの、神経難病になるリスクも高まることがわかってきています。
「腸内フローラ」が乱れると、脳卒中や心筋梗塞のリスクも跳ね上がりますし、肥満やうつ病、自閉症にもなりやすくなります。
自閉症の子供が増えてきているのも、帝王切開と産後の抗生物質の過剰投与による腸内フローラの減少が原因ではないかと言われているのです。
もしかして発達障害にも関係があるかも?
もう「腸内フローラ」をなんとかしないと、どうにもならないのです。
しかし腸内フローラの研究が進んで、科学的なエビデンスが出るまでには、まだまだ10年以上の時間がかかります。
個人差の大きい「腸内フローラ」のために、何を食べたら良いのか?
まだまだはっきりした事が分かっていないのです。
なのでそれまでは統計的エビデンスで、食べるものを選択しようという戦略です。
統計的エビデンスで推奨される地中海式食事法とは?
地中海式の食事といっても、べつにタコのカルパッチョを食べるとか、明太子の代わりにキャビアを食べましょうという話ではありません。
地中海料理を勉強する必要もありません。
メタアナリシスによる食材の分類
実はメタアナリシスの分析によって、多くの食材が、次の5つのグループに分類されています。
【グループ1】健康に良いことが複数の信頼できる研究で報告されている食材
【グループ2】おそらくは健康に良いかもしれない食材
【グループ3】健康に良くも悪くもない食材
【グループ4】もしかすると健康に悪いかもしれない食材
【グループ5】健康に悪いということが複数の信頼できる研究で報告されるいる食材
そしてこの【グループ1】健康に良いことが複数の信頼できる研究で報告されている食材には以下のような食材があります。
【グループ1】健康に良いことが複数の信頼できる研究で報告されている食材
⑴ 魚
⑵ 野菜と果物
⑶ オリーブオイル
⑷ ナッツ類
⑸ 茶色い炭水化物
この「茶色い炭水化物」とは、生成されていない穀物、つまりは 玄米 麦 ソバ 雑穀などを指します。
さらには【グループ5】健康に悪いということが複数の信頼できる研究で報告されるいる食材には、以下のような食材が含まれています。
【グループ5】健康に悪いということが複数の信頼できる研究で報告されるいる食材
⑴ 牛肉や豚肉などの動物性タンパク質(鶏肉は含まない)
⑵ 加工肉(ソーセージやハム、ベーコン、サラミ など)
⑶ バターなどの飽和脂肪酸
⑷ 白い炭水化物
この白い炭水化物とは、ズバリ言って 白米です。 またウドンやパスタ、パン、ジャガイモなどもこれに含まれます。
ようするに「地中海式食事法」とは、【グループ1】健康に良いことが複数の信頼できる研究で報告されている食材を積極的に摂取して、なるべく【グループ5】健康に悪いということが複数の信頼できる研究で報告されるいる食材を食べない食事方法ということです。
オリーブオイルで料理された魚介類や野菜をたくさん食べて、果物とナッツを毎日食べ、主食は玄米や蕎麦などの生成していない炭水化物を食べましょうということです。
ではもう少し具体的に、「地中海式食事法」について説明したいと思います。
地中海式食事法の具体例
1. 主食の白米を玄米に変える
炭水化物を摂りすぎると、太ったり糖尿病になることはもう多くの方がご存知だと思います。
そのために糖質制限ダイエットなるものも宣伝されていますね。
しかし全ての炭水化物を食べないようにする事は、全くお勧めできません。
なぜならば炭水化物から、体内で作られるグルコースは、唯一の脳の栄養素であり、グルコースがないと、脳が働かなくなってしまうからです。
そうすると体は、無理やり脳を動かすために、代用の栄養素を、体脂肪を分解して作り出します。
これが「ケトン体」と呼ばれる物質で、これでなんとか脳がものを考える力を維持していきます。
脳を働かせるために、体脂肪を分解して「ケトン体」を作り出しますから、あまり運動しなくても、頭でモノを考えるだけで、ドンドン痩せていきます。
短期間の痩せるためだけのダイエットとしては、とても効果的です。
でも炭水化物を制限して半年も経過すると、全身から変な匂いがし始めます。
これは良くダイエット臭などとも呼ばれていますが、本当は体の中にケトン体が蓄積したことで、ケトン臭がしているのです。
実は私も1年間ほど、一日一食ダイエットを試したことがあります。
相対的に1日の炭水化物の摂取量も、最低限度に抑えられます。
これはもうグングン痩せていきますし、胃腸への負担も減るので、初めのうちは体調は最高です。
しかし時間が経つにつれ、身体中から異臭が出始めます。
そして寝ているベッドや枕からも、自分でも鼻をつまみたくなるくらいのレベルで、異臭がし始めるのです。
こんな状態が健康に良いわけがありません。
実際に、糖質制限ダイエットでは、突然死するなどのケースも報告されています。
そこで発想を変えましょう!
白米やウドンなどの「精製された炭水化物」を、玄米や蕎麦、全粒粉パンなどの「未精製の炭水化物」に置き換えるのです。
そうして「精製された炭水化物」を「未精製の炭水化物」に置き換えるだけで、健康になりますし、痩せていきます。
つまり「たらふく食べても太らない」のです。
たとえばこの「未精製の炭水化物」である玄米は、中心には白米がありますが、まわりは食物繊維やビタミンを含む成分でコーティングされています。
つまり同じ茶碗一杯のご飯でも、含まれる栄養素が全く違います。
なのでメタアナリシスによる分析でも、白米を食べれば食べるほど肥満していきますが、玄米を食べれば食べるほど痩せて健康になっているのです。
腸内フローラと炭水化物の関係
もう少し詳しく説明すると、ここにも腸内フローラが関係してきます。
私たちの大腸の中には、100兆個~1000兆個ともいわれる、たくさんの腸内細菌(腸内フローラ)と呼ばれる、常在菌が存在します。
この腸内フローラの餌になるのが、未精製の炭水化物に含まれる食物繊維です。
ここで食物繊維というと、「セルロース」を思い浮かべる方も多いと思います。
しかしこのセルロース(トウモロコシの表面の皮など)は、人の腸内では分解することができません。
人の腸内フローラで分解、発酵して栄養にできるのは、多糖類と呼ばれる食物繊維です。
トウモロコシも内側には多糖類と呼ばれる、繊維質がたくさん含まれますし、単糖類と呼ばれる、私たちが一般的に炭水化物を認識している栄養素も含まれています。
ですからトウモロコシを、よく噛まないで丸呑みすると、セルロースが消化されずに、あとでそのまま出てきてしまうのですね。
もう少し分かり易く説明しましょう。
玄米に含まれる腸内フローラのエサと私たちに重要な栄養素の関係
白米に精米する前の玄米を例にとると、玄米の表面にはロウ層と呼ばれるセルロースの層があります。
この消化しにくい膜があるせいで、玄米はよく噛まないと消化できず、食感も良くないのです。
しかしそのロウ層の下の糠と胚芽には、沢山の多糖類(食物繊維)が含まれています。
これが大腸にいる、腸内フローラのエサになります。
一般に炭水化物は、単糖類と多糖類に分けられます。
単糖類とは、白米や白い小麦粉のことです。
ここにある栄養素は、グルコースと呼ばれる単糖類です。
これは栄養素としては、砂糖なんかと全く変わりません。
もしあなたが白米のご飯を、毎日食べているとしたら、それは角砂糖を毎朝ナメているのと、栄養的には全く変わらないのです。
しかし玄米であれば、胚乳と呼ばれる白米の成分の外側に、糠(ヌカ)と胚芽があります。
この糠と胚芽に含まれるのが、たくさんのビタミン成分と、多糖類と呼ばれる炭水化物です。
この多糖類と呼ばれる炭水化物は、「難消化性デキストリン」と呼ばれ、私たちが自力では消化できないのです。
白米(胚乳)のグルコースは、私たちの小腸で簡単に分解され、小腸の粘膜から吸収されて、エネルギーになります。
しかしこの糠(ヌカ)や胚芽に含まれている、「難消化性デキストリン」と呼ばれる、水溶性の食物繊維(多糖類と呼ばれる炭水化物)は、小腸の消化液では分解できず、そのまま大腸に流れていきます。
そして大腸で待ち受けていた「腸内フローラ」と呼ばれる細菌たちのエサになります。
「腸内フローラ」の細菌たちは、この「難消化性デキストリン」を発酵・分解して自分たちのエネルギーとすると同時に、その代謝産物として「短鎖脂肪酸」などの、貴重な栄養素を私たちに提供してくれます。
この様々な種類の菌が、様々に作り出す「短鎖脂肪酸」などの栄養素が、私たちの腸の働きを整え、免疫を整えて強化し、肥満や動脈硬化を予防し、様々な病気にかかるリスクを下げてくれるのです。
そして「腸内フローラ」を構成する常在菌の種類が多ければ多いほど、数が多ければ多いほど、健康になる確率が高まるのです。
こうなるともう白米なんか絶対に食べていられませんね。
ここで発想の転換が必要になります!
それは「どのくらいのカロリーを食べるのかが問題ではなく、何を食べるのかが問題」ということです。
たとえばカロリーハーフであっても、それがカップラーメンであれば、それは精製された小麦粉の麺ですから、アウトです。
でもそれが10割蕎麦であれば、お腹いっぱい食べても、その多くが食物繊維ですから、太ることはありません。
確かに玄米は美味しくないという意見もあります。
しかし最近では「ロウカット玄米」なんていうものも出てきています。
これは玄米の表面のロウ層(防水層)だけを剥がしたもので、それ以外の糠(ヌカ)や胚芽は残っています。
栄養はほとんど玄米のままです。
これだと普通に白米と同じように炊けますし、少しパサパサしますが、味も結構改善されています。
もし良ければそんなモノも試してみてはいかがでしょうか?
2. 魚介類と鶏肉を食べ豚や牛の肉を避ける
さて主食が決まったところで、次はオカズですね。
オカズで気をつけたいのは、牛や豚などの動物の肉をなるべく控えるということです。
代わりに魚介類や鶏肉を摂るようにします。
なぜ豚や牛などの赤い肉は避けたほうが良いのでしょう?
実は豚や牛などの赤い肉に含まれる化学物質が、大腸の「腸内フローラ」のエサになります。
しかしその「腸内フローラ」が作り出すのは、私たちの健康に良い物質ではなく、トリメチルアミン–N-オキシド(TMAO)と呼ばれる、心臓病のリスクを高める物質なのです。
当然、動物の肉ばかり食べていると、この動物の肉をエサにする種類の「腸内フローラ」が、あなたの大腸の中で増えていきます。
そうするとタマオ(TMAO)も、たくさん作られるようになっていきます。
当然、心臓病のリスクも高まりますね。
おそらくは脳卒中のリスクも高まっている事でしょう。
そういった科学的な背景が、統計学的にも、豚や牛の肉を多く食べる人に、心臓病などが多いという結果として現れているのだと思われます。
3. 野菜類と果物をできるだけ沢山種類を多く食べる
野菜や果物には、多くのビタミンと食物繊維が含まれています。
ですからできるだけ食べるようにしたほうが良いのは当たり前ですね。
誰にでも分かります。
しかしここで2点の注意点があります。
それはこのような事です
⑴ 工場で加工された野菜や果物は食べない
⑵ なるべく沢山の種類を食べるようにする
という事です。
⑴ 工場で加工された野菜や果物は食べない
この工場で加工された野菜や果物とは、市販されている野菜ジュースや野菜のピューレ、あるいは果物のジュースなどです。
よく野菜を料理して食べるのは面倒だからと、野菜ジュースを飲んで健康になっているつもりの方がおられます。
しかしメタアナリシスの分析によると、市販されている野菜ジュースや果物のジュースを飲むことは、普通にコーラなんかを飲むのと大差がないとなっています。
つまり市販されている野菜ジュースなどは、濃縮果汁還元などの加工がされているために、野菜や果物の風味は残っていますが、貴重な栄養素は失われてしまっているのです。
なので野菜や果物を多く取る方の病気のリスクは低下していますが、野菜ジュースを飲めば飲むほど、病気のリスクが高まることが分かっています。
よくテレビのCMとかで、野菜ジュースの宣伝をしていて、それを見ると、いかにも健康になれそうですが、あんなものはウソッパチです www
どうせ飲むなら、自分でスムージーを作って飲みましょう。
ちょっと手間ですが、美味しいし、健康に役立つと実感しながら飲むスムージーの味は格別ですよ。
⑵ なるべく沢山の種類を食べるようにする
あとなるべくなら摂取する野菜や果物の種類を、出来るだけ多くするようにしましょう。
これは「腸内フローラの多様性」が、私たちの健康にとって重要だからです。
私たちの「腸内フローラ」は、私たちが毎日食べている、主に食物繊維(多糖類)をエサにして生きています。
しかしそれぞれの野菜に含まれる食物繊維は、みんな違っています。
そしてそれをエサにする菌も、皆違っているのです。
たとえば玉ねぎであればイヌリンを多く含むので、イヌリンを代謝できる細菌が、腸内フローラの中で優位になります。
リンゴならペクチン分解菌、玄米や小麦のブランならアラビノキシラン、キノコならマンナンを食べる細菌が増えてくるのです。
ではもし私たちが全く玉ねぎを食べなかったら、イヌリンを食べる細菌はどうやって生き延びるのでしょう?
実はこの場合は、イヌリンを食べる細菌は、イヌリンがない場合は、腸の粘膜を食べて、細々と生き延びていることが分かっています。
なので簡単には絶滅しないのですが、その分、腸の粘膜が薄くなりますから、腸粘膜の免疫力が低下することになります。
そしてあまり長くエサがこないと、最後にはその種類の最近が絶滅してしまいます。
たとえば日本人の腸内には、海苔の食物繊維をエサにする腸内フローラの最近が住んでいますが、北米の人の腸内フローラには、この最近が存在しません。
なので欧米人が、日本人の真似をして、海苔が健康に良いと、いまさら食べたところで、なんの役にも立たない可能性があるのです。
ですから様々な外的環境に対応して、健康を維持するためには、なるべく腸内フローラの多様性を維持するために、多くの種類の野菜や果物を食べたほうが良いのです。
とにかく毎日野菜と果物を欠かさないように頑張りましょうね。
4. オリーブオイルとナッツを毎日食べましょう!
この辺がなんか地中海っぽいといえばそんな感じでしょうか?
このオリーブオイルとナッツには、不飽和脂肪酸であるオメガ3とオメガ6が豊富に含まれています。
これは私たちの健康のためには、必須の油です。
バターやマーガリンなどの飽和脂肪酸は、健康を害して病気の原因になる油ですが、不飽和脂肪酸であるオメガ3とオメガ6は、健康のためには欠かせない油です。
たとえば脳の神経細胞を作るときの、神経細胞の膜の原料にも、この不飽和脂肪酸が欠かせません。
ですから脳卒中や神経難病のリハビリテーションを受けている方も、オリーブオイルやナッツを積極的に食べたほうが良いのです。
とにかく気をつけたいのは、油は全部ダメ、という考え方は間違いなのです。
バターやマーガリンなどの飽和脂肪酸、動物性の油や天ぷら油もダメで、これらは出来るだけ食べないようにするべきです。
ですが、同じ油でも、オリーブオイルやナッツ類に含まれる油は、不飽和脂肪酸と言って、私たちの体に必須の栄養素ですから、なるべく毎日食べるようにしましょう。
実際の研究でも、毎日オリーブオイルやナッツを食べることで、死亡率が低下して、寿命が伸びることが分かっています。
5. 毎日発酵食品を食べる
発酵食品とは、ヨーグルトや納豆、チーズ、味噌などの細菌が発酵することで、長期保存できるようにした食品ですね。
これらの発酵食品には、多くの場合、その発酵を行った細菌が生きたまま閉じ込められています。
これらの細菌を、定期的に私たちの大腸に取り入れることが、私たちの免疫力を高める効果があるのです。
しかしちょっと待ってください。
よくビフィズス菌ヨーグルトを食べると、私たちの大腸の中で、ビフィズス菌が増えて健康になると勘違いしておられる方が、たくさんおられます。
はっきり言っておきますが、ヨーグルトのビフィズス菌は、私たちの腸内で生きることはできません。
生活環境が、牛乳瓶の中と、ヒトの腸の中では、全く違うからです。
ビフィズス菌は腸内の旅行者(害はないけど不審者)
これらの発酵食品に含まれる細菌は、単に口から入って、大腸の中を通って、肛門から出て行くだけの、いわば私たちの消化管の中の旅行者にすぎません。
しかしこれらの旅行者が、私たちの大腸の中を通り過ぎるときに、腸内フローラの細菌や、私たちの免疫系と、遺伝情報などの情報交換を行います。
そうすることで腸内フローラの多様性を増やし、免疫力を高めるのです。
たとえば私たちの大腸の腸管粘膜の免疫を、警察の検問に例えると、分かり易いと思います。
もし検問に、無害な旅行者であるビフィズス菌などが、毎日たくさん通っていたら、検問の免疫オマワリさんも、サボッてはいられません。
常にそのビフィズス菌が安全かどうか、チェックし続けなければなりませんし、場合によっては人員配置を増やさなければチェックしきれませんね。
しかしほとんどビフィズス菌が通らずに、毎日ヒマにしていたら、検問の免疫オマワリさんも油断してしまいます。
ヒマだから人員も削減して、たった一人でポツンと検問していたら。
もしそこに大量の暴走族みたいな、病原菌の集団が押し寄せてきたら、たった一人で検問していた免疫オマワリさんは、その病原菌の暴走族を、食い止めることができるでしょうか?
要はそういうことです。
まあなんか納得できるような、できないような気分にさせられますが、これも免疫のトレーニングだと思って、毎日ヨーグルトを少しづつ食べるようにしましょう。
ただし健康になるかもしれないからと、バケツ一杯のヨーグルトを、毎日食べても効果はないと思います。
少しづつ毎日継続することをオススメします。
あとヒトの腸内フローラには個人差があるので、発酵食品にも合う合わないが、個人差があります。
どんな発酵食品が合うか、色々と試してみてください。
あと健康飲料でR-1とかガセリSPとか、いろんな種類がありますが、そんなに大差はありません。
どれでも同じような乳酸菌に勝手に名前をつけているだけですから、デザインや会社の好みや気分で選べば良いと思います。
6. 結局は日本食からガッツリ塩分を減らしてオリーブオイルとナッツを加えた食事!
これまでの解説で、なんか気づいた方もおられるかと思います。
そう「ほとんど和食じゃん」てね!
そうですね「ほとんど和食」です。
なので調理方法も別に地中海風でなくて、普段どうりでかまいません。
しかしポイントは次の2点です!
⑴ 塩分をなるべく控える
⑵ オリーブオイルとナッツを食べる
要するに和食は白米をたくさん食べる事と、塩分が多すぎるために、世界的な視点でみると、今一歩、健康食としては不利なのです。
それと不飽和脂肪酸であるオメガ3とオメガ6の摂取量も少ないと思います。
魚介類には不飽和脂肪酸が含まれていますが。
なので
⑴ 白米をやめて玄米(ロウカット玄米がオススメ)を食べる
⑵ 野菜と果物をできるだけ毎日、たくさんの種類を食べる(野菜ジュースは飲まない)
⑶ 豚肉と牛肉をやめて、魚介類と鳥肉を食べる
⑷ 発酵食品を毎日少しずつ自分に合うものを食べる
以上です。
簡単でしょう!
ぜひ試してみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次回記事
健康で長生きするためにはマックをたくさん食べましょうwww