はじめに
前回の記事で「腸内フローラ」の重要な働きについてお話しさせていただきました。
前回記事はこちら
健康寿命を伸ばすために腸内フローラを管理してアンチエイジングを行う方法
そして私たちの大腸の中に生着している常在菌である「腸内フローラ」は、私たちと共生関係にあり、私たちの免疫機能や、身体機能の維持、健康の維持や脳の活動にまで影響を与えていることが分かってきたのです。
そして「腸内フローラ」を形成する菌群のバランスや数が乱れることで、様々な病気が引き起こされる可能性も分かってきています。
たとえばコッテリした脂肪の多い食事を取ることで、「腸内フローラ」の中で、大腸菌が増えてしまい、大腸炎などの病気になりやすくなります。
また摂取する食物繊維が減ると、免疫をコントロールすることができなくなり、リウマチや神経難病になる可能性も分かってきています。
さらに食物繊維を分解して作られる、トリプトファンなどから、セロトニンが合成されるため、うつ病や自閉症になる可能性も指摘されています。
このように「腸内フローラ」の乱れを予防して、良い状態にすることが、私たちの心と身体にとって必須であることが分かってきてのです。
ところが「腸内フローラ」の研究は、まだ始まったばかりなので、まだ多くのことが不明なままなのです。
おそらくは今から10年ぐらいの間に、「腸内フローラ」の研究が発展すれば、「腸内フローラ」を健康に保つための、食事方法や、プロバイオティクス、プレバイオティクスなどの機能性食品なども開発されることでしょう。
しかしそれまでは、私たちはいったい何を食べていれば良いのでしょうか?
今回は「現在の段階で分かっている健康に良い食事方法」について解説していきます。
どうぞよろしくお願いします。
メタアナリシスによる身体に良い食べ物の分類
あなたはメタアナリシスという言葉をご存知でしょうか?
まあ医療関係者で、学会発表などに接していないと、ほとんど耳にしない言葉であるとは思います。
このメタアナリシスとは、統計学のひとつの手法です。
このメタアナリシスによる分析の方法は、世界中にある様々な食事と健康についての論文を集めて、それをまとめて分析することで、身体に良い食事方法や食材を明らかにするというやり方をしています。
このメタアナリシスでは、すべての研究を、その正確性などからいくつかの段階に分け、より正確性の高い研究を中心に分析します。
世界中にある、多くの健康のための食事方法は、単に一人の研究家が、自分の経験を元に考え出したものであったりして、あまり正確であるとは言えないものがほとんどです。
しかしメタアナリシスによる分析であれば、世界中の論文をまとめて分析しますから、かなり正確性の高いデータが得られるのです。
メタアナリシスによって分類された身体に良い食材とは?
このメタアナリシス によって、主な食事を
【グループ1】健康に良いことが複数の信頼できる研究で報告されている食材
【グループ2】おそらくは健康に良いかもしれない食材
【グループ3】健康に良くも悪くもない食材
【グループ4】もしかすると健康に悪いかもしれない食材
【グループ5】健康に悪いということが複数の信頼できる研究で報告されるいる食材
の5つに分けられています。
私たちは、当面は、この 【グループ1】の 健康に良いことが複数の信頼できる研究で報告されている食材 を積極的に摂取するように心がけ、 【グループ5】の 健康に悪いということが複数の信頼できる研究で報告されるいる食材 を食べないようにすれば良いのです。
ではそれぞれのグループの食材はどんなものなのか見ていきましょう!
【グループ1】健康に良いことが複数の信頼できる研究で報告されている食材
⑴ 魚
⑵ 野菜と果物
⑶ オリーブオイル
⑷ ナッツ類
⑸ 茶色い炭水化物
この「茶色い炭水化物」とは、生成されていない穀物、つまりは 玄米 麦 ソバ 雑穀などを指します。
【グループ5】健康に悪いということが複数の信頼できる研究で報告されるいる食材
⑴ 牛肉や豚肉などの動物性タンパク質(鶏肉は含まない)
⑵ 加工肉(ソーセージやハム、ベーコン、サラミ など)
⑶ バターなどの飽和脂肪酸
⑷ 白い炭水化物
この白い炭水化物とは、ズバリ言って 白米です。 またウドンやパスタ、パン、ジャガイモなどもこれに含まれます。
つまり【グループ1】の食材を中心に食事を摂るようにして、なるべく【グループ5】の食材を摂らないようにすれば良いのです。
ちなみにその他のグループの食材は以下のような感じです。
【グループ2】おそらくは健康に良いかもしれない食材
⑴ ダークチョコレート
⑵ コーヒー
⑶ 納豆
⑷ ヨーグルト
⑸ 酢
⑹ 豆乳
⑺ お茶
【グループ3】健康に良くも悪くもない食材
その他の多くの食材
【グループ4】もしかすると健康に悪いかもしれない食材
⑴ マヨネーズ
⑵ マーガリン
カロリーハーフは意味がない
ここで少し摂取カロリーの話をしておきたいと思います。
よくカップヌードルなどに「カロリーハーフ」ってありますよね。
あれって全く意味はありません。
なぜならば大切なのは、「どんな食材を食べるのか」であって、「どれだけカロリーを抑えるか」の話ではないからです。
同じカロリーであっても、白米を食べれば、病気のリスクが高まりますし、太ります。
しかし玄米であれば、白米と同じカロリーの量を食べても、太らないし、ガンのリスクも減っていきます。
もっとわかりやすく言えば、同じカロリーであったとしても、脂身の多い豚肉をたくさん食べた場合と、緑黄色野菜と果物を食べた場合では、どちらが太りやすく、健康に悪いのかという話です。
そうイメージするとわかりやすいでしょう!
当然、同じカロリーであっても、豚肉の脂身と、緑黄色野菜とでは勝負になりませんよね。
当然ですが、緑黄色野菜と果物を食べたほうが、健康に良いですし、太りません。
また最近の果物は糖度が高いため、糖尿病になりやすいというデマを信じている方も多いようですが、これはウソです。
果物には、糖分の他に、ビタミンや食物繊維がたくさん含まれていますから、糖尿病にはなりませんし、血糖値も上がりません。
血糖値を上げる可能性がある果物は、イチゴとマスクメロンだけであると言っても良いのです。
ですからイチゴとマスクメロン以外の果物は、どんなに甘く美味しくても、どれも大丈夫です。
逆にカップヌードルであれば、それは白い炭水化物(生成された穀物:小麦粉)ですから、カロリーハーフであっても、病気になるリスクは、そんなに変わりません。
カップヌードルを食べている段階で、すでにあなたは負犬なのですwww
健康的な食事のモデルとは!
では実際には、どう言った食事のスタイルが良いのでしょう?
「日本食」は身体に良いと思われがちですが、実は摂取する塩分が多いので、それほど健康的なわけでもありません。
実はメタアナリシスの分析によると、「地中海式」の食事が、もっとも健康に良いらしいのです。
とは言っても、タコのカルパッチョをたくさん食べましょうとはいう話ではありません。
明太子をやめてキャビアを食べましょうと言うことでもありません。
では「地中海式の食事」とは、いったいどんな食事方法なのでしょう?
次回はこの「地中海式食事方法」について解説してみたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次回記事