痛みのケア

変形性ひざ関節症の人工関節置換手術の商業的な問題点を考える

 

 

年をとってひざが痛くなると治療は人工関節に取り替えるしかないという現状の問題

 

年をとってくると、徐々に膝が痛くなり、そのうちに歩くことも辛い状態になる場合があります。

これは変形性ひざ関節症と呼ばれる症状で、徐々にひざ関節のクッションをしていた軟骨が変形し、そのうちに骨の部分までが形を変えて、関節の外側にトゲのような物が突き出してきたりします。

この変形性ひざ関節症になると、徐々に痛みが増して、しまいには歩けなくなってしまいます。

ですから患者さんは整形外科の病院を受診して、治療を受けることになります。

初めのうちには膝にヒアルロン酸の注射を打ったり、低周波治療などをしたりして、痛みを和らげようとします。

ですが徐々にひざ関節の変形が進行すると、最終的には人工関節に交換するという手術を行うことになります。

この手術は、痛みの出ているひざの関節を、そっくりそのままステンレス製の人工関節に交換するという方法です。

しかし人工のひざ関節は、神様が作った生まれつきのひざ関節に比べると、色々と不十分な部分がありますので、関節の可動域も90度までしか曲がらなかったり、色々と不便がありますね。

でも膝に痛みがあると、歩くことができませんから、まずは痛みをとることが先決です。

ですので色々と不自由はありますが、結局は痛みをとるために人工関節に取り換える手術を受けることになります。

しかし人工関節に交換してからも、ひざの痛みを訴える患者さんは、じつはたくさんおられるのです。

どうして辛い思いをして手術まで受けたのに、ひざの痛みが取れないのでしょうか?

痛みの原因となっている、変形したひざの関節を、ステンレス製の人工関節に交換したのですから、それでもひざが痛むのはオカシイですよね。

じつは変形性ひざ関節症で痛みが出ていたのは、ひざ関節ではなく、ひざを動かしている筋肉だったのです。

ですからいくらひざ関節を人工関節に交換しても、筋肉のケアが不十分だと、また痛みが出てきてしまうのです。

ひざ関節の変形を防ぎ、痛みをなくすためには、どういったケアが必要なのでしょうか?

それにはひざ関節のコアマッスルのケアが重要なポイントになるのです。

 

 

関節の痛みの原因は筋肉の不調でありそのケアが不十分なのです

 

ひざの痛みは、人工関節に取り換えても、それでも痛む場合がけっこうあるのです。

それはどうしてかと言うと、痛みの原因が関節ではなく、その周りの筋肉だからなのです。

私の経験上、ひざの痛みのほとんどは、関節の痛みではなく、その周りにある筋肉の痛みなのです。

ご自分でひざの痛む部分を押してみていただくと、良く分かってもらえると思うのですが、ひざの関節のつなぎ目辺りを押してみても、あまり痛くはありません。

しかし関節の少し上の辺りの、筋肉の盛り上がった部分を押すと、とても痛く感じるのです。

コレはひざの痛みが、関節の軟骨や骨の部分ではなく、その関節を動かしている周りの筋肉のコンディションが悪くなって痛みが起きていることを示しています。

じつはひざの関節それ自体が痛くなることは、かなりひざの変形が進まないと、起こらないのです。

初期から中期の、ひざの痛みの原因のほとんどは、筋肉の痛みなのです。

そしてその筋肉の不調を放置することで、ひざの関節に負担がかかり、やがては関節の軟骨や骨が変形していくのです。

ですから、ひざの痛みのケアは、関節を人工関節に交換する前に、キチンと筋肉をケアする必要があります。

しかし世間一般には、あまりキチンとしたひざの筋肉のケアが行われていないために、十分な筋肉のケアが出来ないまま、気がついたらひざの関節を交換する事態になってしまうのです。

 

 

ひざの痛みはひざの筋肉だけをケアしてもダメ

 

ひざの痛みの原因は筋肉であることがほとんどです。

しかし、だからと言ってひざの周りの筋肉だけをマッサージしていても、ひざの痛みは良くなりません。

どうしてかと言うと、ひざの痛みの原因となる筋肉は、ひざの周りだけに付いているわけではないからです。

 

下の画像を見てください。

ご覧のように、ひざの筋肉は、そのほとんどが股関節の辺りから、あるいは足の踵の辺りから、それぞれひざに向かって伸びて来ています。

コレらのひざの周りの筋肉は、ひざだけにあるわけではないのです。

例えば、あなたのひざの内側を押して痛みがあったとします。

その痛みの原因を探していくと、ひざの内側の少し上の、筋肉の盛り上がりの奥に、硬い小さな骨のようなシコリを見つけることができます。

コレは「筋硬結」と言って、慢性的な筋緊張によって、筋線維の血流が阻害されることで、筋線維が変性して硬くなったものです。

この筋硬結ができているのは、大腿骨の「内転筋群」であったり、「内側ハムストリングス」の筋肉だったりします。

「内転筋」

「内側ハムストリングス」

そしてコレらの筋肉は、ひざ関節の上から骨盤の坐骨の部分に向けて、上に伸びています。

 

じつはこの筋肉は、ひざの曲げ伸ばしをしているのではなく、股関節を内側に閉じる運動をする筋肉なのです。

ですからひざの内側の痛みの場合、ケアするべきはひざの筋肉ではなく、股関節の内側の筋肉だと言うことになります。

このようにひざの周りの筋肉は、骨盤や足の踵の辺りから、ひざに向かって集まって来ています。

なかには2関節筋といって、股関節とひざ関節の両方、あるいはひざ関節と足関節の両方を動かす筋肉もあります。

ですからひざの痛みをケアするためには、股関節や足関節の筋肉に対する運動やマッサージも一緒に行う必要があるのです。

ただ単にひざの周りの筋肉に電気をかけたり、お灸をしたりするだけではダメなのです。

もっとひざの関節に関わる筋肉への負担を減らして、筋肉のコンディションを高めるような腰の動きや足の動きを導き出していく必要があるのです。

そしてひざの痛みに関わる筋肉に対して、それらの筋肉は股関節や足関節にも関連していますから、幅広くマッサージを行う必要があります。

 

例えば、先ほどひざの内側の痛みの原因となる内転筋をご紹介しました。

この内転筋(特に大内転筋)のマッサージを行う場合、ひざの内側の少し関節の上辺りの筋硬結をマッサージするだけでなく、お尻の坐骨結節の辺りにある筋硬結にもマッサージをする必要があるのです。

つまりは筋肉の痛みを感じる部分だけでなく、その痛みを感じている筋肉を全体的にケアする必要があるのです。

キチンとした予防を行うことでひざの変形と痛みの悩みは解消されます

現状のひざの痛みに関するケアでは、ほとんど有効なひざの運動やマッサージは行われていません。

ほとんどが痛みを感じる筋肉の部位に、電気をかけたり、中途半端なマッサージを行っているだけです。

それらは一時的には、ひざの痛みを和らげてはくれるでしょう。

しかしあくまでも一時的にです。

筋肉の中に慢性的に作られてしまった「筋硬結」を解消し、ひざに対する負担をかける運動習慣を治しておかないと、いずれは関節の痛みはひどくなり、変形が進んでいきます。

そして人工関節の手術が必要になってしまうのです。

しかし人工関節の手術では、筋硬結がガチガチにできている、ひざの周りの筋肉までは交換できませんから、手術をしても痛みが良くなることはないのです。

 

 

商業主義があからさまになりひざのケアがおろそかになる現状

 

最近では少子高齢化の影響で、日本では高齢者が増えて来ています。

そのために医療費がかさんで、国の予算を圧迫しています。

国はなんとか財政を立て直すために、医療費の削減を強力に進めています。

ですから一般の病院やクリニックも、徐々に財政的に圧迫を受けていて、効率的な治療をする必要が高まっています。

つまりぶっちゃけると、あまり余計なお金をかけないで、手っ取り早く儲かる経営が病院にも必要になっているのです。

それをひざの痛みのケアに照らして考えると、予防的なマッサージやリハビリはダラダラと時間と手間ばかりかかって、あまり儲からないから、適当に患者さんに電気でもかけながら繋いで、スパッと手術をしてしまおうとなりますね。

つまりひざの痛みを予防していくためのリハビリテーションは、病院の仕事ではなくなって来ているのです。

では誰の仕事になっているのかと言うと、それはあなた自身で勉強して、自分の身体は自分で守らなければならない状況になって来てしまっているのです。

本当の意味での健康的な生活は、国の医療保険ではカバーされません。

本当の健康的な生活は、自分で学んで作り出さなければならないのです。

 

日本人の寿命は1960年代より急激に伸び続け、いよいよ人間100年時代に突入して来ています。

コレは世界で一番最初に日本が飛び込む、未知の領域です。

コレまで世界中の全ての人達は、人生を50年とそのオマケの10年くらいで考えて生きてきました。

ですから世界中にある文学も哲学も、人生の50年分の知識しかないのです。

50歳になってからの、残りの50年をどうやったら賢く生きられるのか、まだ誰も教えてくれません。

そしてそれは健康に対しても、同じことが言えるのです。

 

コレまでの人間50年(下天のうちをくらぶれば)に時代には、生まれて生きて病気になった時だけ医者にかかれば、それでなんとかなりました。

しかし人間100年時代を健康的に生きるためには、しっかりと計画的な病気の予防と自己管理が不可欠です。

適当に生きていては、とても100年も健康が保ちません。

そして高齢になってからの病気は、脳卒中や心筋梗塞、神経難病やガンなど、それ一発で致命的であったり、思い後遺障害を残したりします。

そうなっては、たとえどんな名医でも、あなたの健康的な生活を回復させることはできません。

コレからの人間100年時代の健康は、病院は担保してくれないのです。

病気を治すのではなく、病気を寄せ付けない身体のコンディショニングが重要になるのです。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

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