脳卒中リハビリ

脳卒中後の自律神経機能の異常による筋緊張の高まりとそのリハビリ

脳卒中後の自律神経機能の異常による筋緊張の高まりとそのリハビリ

 

はじめに

今回は脳卒中片麻痺に隠された自律神経機能の異常がどのように皆さんの身体に影響してくるのか。

それをどのようにリハビリで解決するのかについてお話しいたします。

実は脳卒中片麻痺の筋緊張の高まりや、肩や腰の痛みの悪化便秘などの消化機能の不調に、この自律神経機能の異常が関わっているのです。

その仕組みと解決方法について分かりやすく解説していきます。

 

自律神経機能とは?

双葉の苗1

自律神経というのは「交感神経」と「副交感神経」の2つの神経系が相互に影響しあって、私たちの内臓の働きや血圧や呼吸などを調節しています。

交感神経

例えば「交感神経」が活発に活動すると、皆さんの身体では、「心拍数が上がり」「血圧が高まり」「呼吸が激しくなり」「瞳孔が開く」「筋緊張が高まる」「消化器の活動が低下する」などの身体の反応が起こります。

つまり交感神経は、皆さんがこれから活発に活動するときに、主に活動する神経です。

副交感神経

また「副交感神経」が活発に活動すると、「心拍数が下がり」「血圧が低くなり」「呼吸が穏やかになり」「瞳孔がすぼまり」「筋緊張が緩くなり」「消化器の活動が高まる」などの身体の反応が起こります。

副交感神経は、皆さんがこれからゆっくり体を休めて栄養を補給するときに、主に活動する神経です。

 

そして「交感神経」の興奮で「副交感神経」が抑制され、「副交感神経」の興奮で「交感神経」が抑制されるという、相互に活動を制御し合う関係があります。

 

脳卒中片麻痺で起きる筋緊張の高まりと自律神経の関係は?

ミルク波紋1

脳卒中片麻痺の回復期に徐々に手足や背中の筋肉の緊張が高まってきて、カチカチに強張り出す現象は、多くの方が経験していると思います。

この原因としては主に次の4点が挙げられます。

  1. 脳卒中の回復期に「興奮性神経細胞」はすぐに活動を再開するが、「抑制性神経細胞」は長い間活動が低下するために、筋緊張が高まったまま落ちなくなってしまう。

  2. 「興奮性神経細胞」の活動の高まりで、手足の筋緊張が慢性的に高まることと、長期間寝たきりで身体を動かさないことで、手足や背中の筋肉が異常に強張ってしまう。

  3.  神経は緊張し、身体が強張っていることで、「新しく再生された神経細胞」も周囲の神経細胞と同じように、間違った(緊張した)運動方法を学習してしまい、さらに筋緊張が高まる。

  4. 脳卒中の急性期に生命を維持するために過剰に活動していた自律神経の活動が高まったままになってしまい、交感神経系の過剰作用で、常に身体が臨戦態勢となっており、休息中にも血圧の上昇や、筋緊張の高まりが続いてしまい、反対に消化器の昨日が低下するために、便秘などにもなりやすくなります。

 

自律神経による筋緊張の高まりは、脳卒中片麻痺で筋緊張が高まる原因の、ほんの一部です。

でもそれが脳卒中の機能回復にとても大切な鍵を握っているのです。

 

病院から退院してきた皆さんは、ご自宅の居間でテレビを見ながらお茶を飲んでいるときにも、自律神経の「生き残りのために頑張るスイッチ」が入ったままで、身体は常に緊張していますから、少し無理をするとすぐに手足の筋肉が強張って痛みが出てきたりします。

このため「退院後に頑張って家の周りを歩行練習していたら、腰や膝がひどく痛み出して歩けなくなった。」などの現象がおこってきます。

xf0765005819l

つまり車でイメージすると、「アイドリング調節が狂ったままで、エンジンをかけるとブワーンとエンジンの回転数が上がったままになってしまう様な状態」をイメージしてもらうと良いと思います。

この状態で実際の運動麻痺のリハビリを行っても、あまり効果が期待できません。 言うなればエンジンの修理をするためにはアイドリング調整が必須ということでしょうか。

 

自律神経機能を調整するためのリハビリについて!

湧き水1

脳卒中の痙性麻痺を良くするためには、ともすればすぐに緊張して突っ張ってしまう筋肉のコントロール方法と努力性に性急に頑張ろうとする大脳の運動イメージを、落ち着いて力まずに動かせるイメージコントロールに変換させていく必要があります。

しかしこのリハビリトレーニングを実施する前に、自律神経機能の問題による筋緊張の高まりを、なるべく落ち着かせておく必要があるのです。

いくら力まない運動獲得しようとしても、無意識に自然に身体が緊張するような調節がなされていたら、リハビリは全然はかどりませんよね。

WEB86_udetate20150207162040-thumb-1000xauto-18202

実際の自律神経機能のリハビリはどの様に行えば良いのでしょうか?

自律神経機能のリハビリでは、コアマッスルの状態に注目したリハビリプログラムを行います。

解剖学的な観点からみると、背骨の両脇に「交感神経菅」という太い自律神経が通っています。

そしてこの交感神経菅の脇に多裂筋や最長筋などのコアマッスルが存在します。

そしてこの背骨の両脇にあるコアマッスルの運動チェーンが、肩関節や股関節のコアマッスルと連携しています。

 

この場合は、自律神経が興奮することで、骨格筋が緊張するのですが、その結果としてコアマッスルが緊張することで、さらに自律神経の興奮が継続されるという悪循環のサイクルが作られてしまいます。

この悪循環のサイクルを解消するためにコアマッスルのケアを行うことで、自律神経機能の興奮を落ち着かせて、全身の骨格筋の緊張を落ち着かせていきます。

 

自律神経機能の具体的なリハビリのやり方は?

背骨や肩関節、股関節や骨盤周辺のコアマッスルの筋肉マッサージやリラクセーションを行って筋コンディションを整える。

ということになります。

具体的なコアマッスルのコンディショニング方法に関しては後々ご説明いたします。

sym棘筋 L
上の図は脊柱起立筋群を示していますが、全身の筋肉を緊張させる働きをする、交感神経幹はこの脊柱起立筋群と並走して、胸髄神経の両脇を上下に走っています。

 

次回は

「脳卒中発作後の運動神経細胞の興奮による筋緊張の高まりへのリハビリ」

についてご説明いたします。

最後までお読みいただきありがとうございました

 

注意事項

※ このウェブサイトでご紹介する運動内容などは、皆様を個別に評価して処方されたものではありません。 実際のリハビリの取り組みについては皆様の主治医や担当リハビリ専門職とご相談の上行っていただきますようお願い申し上げます。

 

 

脳卒中片麻痺の自主トレテキストを作りました!

まずは第一弾として皆様からご要望の多かった、麻痺側の手を動かせるようにしたいとの声にお応えするために、手のリハビリテキストを作りました。

手の機能を改善させるための、ご自宅の自主トレで世界の最先端リハビリ手法を、手軽に実践する方法を解説しています。

超音波療法や振動セラピー、EMS療法による神経促通など、一般病院ではまず受けられないような、最新のリハビリアプローチが自宅で実行できます。

現在の日本国内で、このレベルの在宅リハビリは他にはないと思います。

そしてこのプログラムは施設での実施にて、すでに結果が認められています。

あとは皆さんの継続力だけですね。

テキストは電子書籍になっており、インフォトップと言う電子書籍の販売ASPからのダウンロードになります。

全180ページに数百点の写真と3D画像などで分かりやすく解説しています。

コピーが容易な電子書籍の性格上、少し受注の管理やコピーガードなどが厳しくなっていますが、安全にご利用いただくためですの、ご容赦くださいね。

ぜひ一度お試しください。

脳卒中手の機能テキスト02

ヘッダー

 

関連ページ

2. 自律神経機能を整えるためのアプローチ
3. 自律神経機能を整えるためのコアマッスルのリハビリ方法

関連記事

  1. 背骨の周囲の筋肉のコンディションを整えて脳卒中の痛みをとるマッサ…
  2. 寝返り動作が脳卒中片麻痺の運動機能の向上に重要な理由
  3. 超音波治療器を使って脳卒中の肩の痛みと亜脱臼を改善する方法
  4. 脳卒中片麻痺の麻痺側肩の運動を安定させるファシリテーション
  5. 脳卒中の大脳皮質運動野とその関連領域の障害による運動麻痺のリハビ…
  6. Amazon Kindle電子書籍で『脳卒中ニューロリハビリ ア…
  7. 脳卒中片麻痺の肩関節亜脱臼を積極的に治すリハビリテーション方法
  8. 脳卒中の麻痺側の手足の筋肉の強張りや痛みを放置すると麻痺が治らな…

おすすめ記事

PAGE TOP