脳卒中リハビリ

脳卒中片麻痺リハビリでの心臓ペースメーカーのリスク

脳卒中片麻痺リハビリでの心臓ペースメーカーのリスク

 

はじめに

今回は前回と同様、脳卒中片麻痺とは直接関係ありませんが、「心臓ペースメーカーのリスク」についてご説明いたします。 また心不全や不整脈についても少しお話ししますのでよろしくお願い申し上げます。

 

埋込型心臓ペースメーカーのリスク

埋込型心臓パースメカーは房室ブロックなどの不整脈に対して、心拍数を調整するために身体に埋め込まれます。 しかし電気的な刺激で心臓を動かす構造上、他の電気的に働く医療機器を使用すると故障や動作不良が発生します。

リハビリで使用される医療機器で埋込型心臓ペースメーカーに影響を与えるものは、以下の二つが代表的です。

 

埋込型心臓ペースメーカーに影響を与えるリハビリ機器

  1. 低周波治療器

  2. マイクロ波治療器

  3. 超音波治療器

この3種類のうち、最近では脳卒中片麻痺の麻痺を改善するためのアプローチに ⑴ 低周波治療器 の中で EMS波を発生できる低周波治療器が使われるようになってきており、在宅での自主トレにも応用が試みられてきています。 この場合、もしうっかり心臓ペースメーカーなどの埋込型治療器を使用している方が、このEMS低周波治療器を使用した場合、命に関わる事故につながってしまいます。

ですから埋込型心臓ペースメーカーなどの埋込型治療器を使用している場合は、脳卒中片麻痺の治療のために低周波治療器を使用することができません。

また埋込型心臓ペースメーカーなどの埋込型治療器を埋め込まれている身体の部分に関しては超音波マッサージや激しい運動なども行えません。

ご注意ください!

 

心不全傾向がリハビリに与える影響について!

また心臓ペースメーカーを使用していなくても、心不全がある場合はリハビリを行う上での運動負荷の程度に注意する必要があります。

 

心不全とは?

心不全とは心臓のポンプ機能が衰えてしまい、身体を動かすために必要な血液を全身に送ることが出来なくなった状態をいいます。

 

心臓のポンプ機能が衰える原因には以下のものがあります。

  1. 心筋梗塞で心臓の筋肉が破壊されてしまった場合

  2. 心筋症などで心臓の筋肉が動かなくなった場合

  3. 狭心症などで心臓の筋肉に血液を送る血管が詰まってしまった場合

  4. 不整脈などで心臓がキチンを動かなくなった場合

などが原因です

 

普段は気がつかない軽度の心不全が隠れている場合に、気がつかないで無理に身体を動かして、体調を崩す場合がありますので注意してください。

 

以下のような症状がある場合、軽い心不全が隠れている可能性がありますので注意が必要です

  1. 日中はさほどではないが夜になって寝ていると頻回にトイレに起きてしまう

  2. 急にオシッコが出なくなってマブタや指先が浮腫みだした。

⑴ の日中はそれほどトイレに行かないが、夜寝ていると頻回にトイレに行く方は、日中に活動している時に、心臓のポンプが適切に働かずに足の方に静脈血が溜まってしまい、横になってから足の高さと心臓の高さが同じになると、足から心臓に向けて血液が戻ってきて全身の循環血液量が増えるために、腎臓による血液の濾過が増えてオシッコが大量に作られる事で起こります。

 

⑵ のオシッコがでなくなる現象は、心臓のポンプが適切に働かなくなると、全身の循環血液量が不足するために、腎臓での血液の濾過量が少なくなりオシッコが出にくくなります。 そして溜まった静脈血が足先や指先に溜まって浮腫となります。 この状態は心不全で倒れる一歩手前の状態ですので、リハビリの運動は中止して速やかに受診してください。 またこの状態に気分不快などが重なった場合は、躊躇なく救急車を呼んでいただく事をお勧めします。

 

このような経験がある方は、主治医にキチンと相談の上、ご自分の体調を理解した上で運動をしていただくようにお願いいたします。

 

次回は

「脳卒中片麻痺における正しい座位姿勢の確立」

についてご説明いたします。 次回からいよいよ実際のリハビリについてご紹介いいたします。 よろしくお願いします。

 

最後までお読みいただきありがとうございます

 

注意事項

※ このウェブサイトでご紹介する運動内容などは、皆様を個別に評価して処方されたものではありません。 実際のリハビリの取り組みについては皆様の主治医や担当リハビリ専門職とご相談の上行っていただきますようお願い申し上げます。

 

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