はじめに
今回は少し話題を変えて、介護職員の輸入を話をしてみたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
介護職員の海外からの受け入れが本格化する話
2017年(今年)の11月から、「技能実習制度」による、海外からの介護職員の受け入れが始まることになるそうです。
これまでも EPA (経済連携協定)による、海外からの介護福祉士の受け入れは行われてきましたが、これからは「技能実習制度」による海外からの介護職員の受け入れも始まることになります。
ここで皆さんは、EPA (経済連携協定)による受け入れと、「技能実習制度」による受け入れと、どこが違うのか良くわからないと思いますので、少しご説明しますね。
まずそもそもどうして海外から介護職員を受け入れる必要があるのでしょう?
それは2025年問題と呼ばれる、日本社会の超高齢化の問題が根本にあるからなのです。
2025年には、団塊の世代が本格的に介護が必要な年齢になってきます。
そのために、このままでは30万人の介護職員が不足するといわれています。
今現在でも、介護職員の不足により、本来なら高齢者の介護に不適格な人材も雇用せざるを得ない状況が起こっており、それらの人材が「殺人事件」を含む、様々な問題を起こしています。
ですから介護の現場の人手不足の解消として、より多くの介護職員を、海外から受け入れる必要が出てきているのです。
EPA (経済連携協定)による受け入れ
これまではEPA (経済連携協定)による海外からの介護職員の受け入れを行ってきていました。
このEPAによる受け入れは、2008年から行われています。
そもそもEPA(経済連携協定)とは、FTA(自由貿易協定)を基本として、協定を結んだ国同士の経済取引を円滑化し、経済活動における連携を強化することを目的とした条約です。
日本は、介護分野においては、2006年にフィリピンと、翌2007年にはインドネシア、ベトナムとこのEPAを結んでいます。
このEPAによる介護職員の受け入れは、4年間の期限内に介護福祉士の資格を取得すれば、日本での定住も可能になります。
しかし来日の要件として「母国での看護師資格」などが必要になるなど、基準が厳しいため、あまり受け入れが進んでおらず、これまで1000人程度の受け入れに止まっています。
これでは到底30万人の介護職員の不足を補うことはできませんね。
「技能実習制度」による受け入れ
それに対して今年の11月からは「技能実習制度」による、海外からの介護職員の受け入れが本格的に始まるそうです。
この「技能実習制度」は、1993年から始り、農業や製造業など70種類の業種に適応され、発展途上国の外国人に対して、日本の技術を学ばせ人材を育成することで、その国の経済発展につなげようという試みです。
実習生の受け入れは、帰国することを前提として、最長3年間の実習を受けることになります。
受け入れ対象国は、中国、ベトナム、フィリピンで、これまでの受け入れ実績は約16万人です。
結構多いですね。
しかしこの制度の本当の目的は、発展途上国の人に実習してもらうことではありません。
グローバル経済の中で、日本の製造業などが生き残るためには、安い人件費で労働力を確保する必要があります。
そのためには、本来であれば移民を受け入れる必要があります。
アメリカの製造業が成り立っているのは、実はメキシコからの不法移民による安い労働力によって支えられていることは、よく知られています。
同じように、日本でも安い労働力を確保する必要があるのですが、それが「技能実習制度」なのです。
この制度は、帰国を原則としていますので、基本的には3年経ったら本国に帰らなければなりません。
つまり「技能実習制度」を方便にして、海外の安い労働力を輸入して使い捨てにしているのです。
この「技能実習制度」が、これから介護分野に大きく広げられていくことになるのです。
「技能実習制度」の問題点
この「技能実習制度」による介護職員の来日要件ですが、現在は大幅に軽くしてあります。
そして要件はただ「介護分野について一定の日本語力があること」となっています。
この一定の日本語力とは N4 レベルというレベルで、「基本的な日本語を理解することができる」というものです。
この程度の日本語のレベルで、高齢者の介護ができるのか?、介護の質は保てるのか? と疑問が投げかけられています。
しかし本当の「技能実習制度」による介護職員の受け入れの問題点は、言葉の問題などではありません。
「技能実習制度」の本当の問題点
「技能実習生」の失踪の問題
実は日本に来る「技能実習生」の多くは、来日する前に、すでにある程度の金額の借金を背負っていることが多いのです。
これは日本に来るために、日本語を学んだり、手引きしてくれる業者に対する礼金であったり、日本までの旅費であったり様々です。
ですので「技能実習生」は、日本に来たら一生懸命に働きます。
ある程度の期間で、きちんとお金を稼いでおかないと、帰国してから多額の借金が残っていては、身の破滅になるからです。
ですから勤務態度が悪くて、期間の途中で強制帰国になっては大変なので、少しくらいの理不尽には耐えて働きます。
しかし運悪く務めた先がブラック企業だったりして、どうしても耐えきれない場合、彼らは失踪することになります。
つまりは同じ国からやって来て、すでに職場から失踪して、日本の裏社会に溶け込んでいる先輩の手引きで、同じように裏社会に紛れ込んでいくのです。
すでに中国人やフィリピン人の「技能実習生」のための「裏ルート」がキッチリ整備されていると言われています。
つまり日本社会に、外国人による裏社会が生まれて来ているのです。
そしてこの裏社会を作り出した原因は「技能実習制度」そのものであると言えます。
今、EU(ヨーロッパ)では、こんなことが言われています。
「アラブから移民を呼んで、(汚い仕事などの)嫌なことをやってもらおうと思ったのに、移民が来たら(テロや暴動などの)嫌なことをやりだした。」
これは日本でも人ごとではありません。
私たちは決してEUの犯した過ちを真似してはいけないと思います。
日本でも「移民」の問題は避けられません
日本社会はこれから急激な少子高齢化だけでなく、急激な人口減少の問題を抱えると言われています。
日本の人口はこれから数十年の間に、半分ぐらいに減ると言われています。
そして3件に1件は空き家になり、不動産価格は暴落します。
それによるサブプライムのような、経済危機の不安もあります。
また人口が減るということは、純粋にGDPが減っていきますよね。
一人当たりの稼ぎは、だいたい年間400~500万円ですから、頭数が減れば、自然とGDPは下がっていきます。
大幅な国力低下です。
ですからある程度の移民を受け入れないと、日本社会は成り立たない可能性があるのです。
問題は誰を受け入れてどう育てるか
私が思うに、どうせ移民を受け入れるならば、国際的に文化的に多様性を持った日本人を増やすことができれば最高だと思います。
つまり外国生まれであっても、日本の文化を受け入れ、日本の歴史を学び、日本を第二の祖国として愛してくれる外国人を受け入れるのです。
そうすればその方は、日本的な文化と、生まれた国の文化の両方の、多様性を持った人材になります。
さらに両国の友好の架け橋になってくれれば最高ですよね。
そのためには、まずは多様な文化を受け入れることのできる外国人を、選択する必要があると思います。
いくらこちらが多様な考え方を受け入れたとしても、来日する相手がガリガリの民族主義者では、話になりません。
民族主義者は、どこの国に行っても、そこの文化に溶け込まず、対立を生み出していきます。
例えば中国人は、どこの国でもチャイナタウンを作ります。
彼らは何年、何百年たとうとも、その国の人にはなりません。
いつまでも中国人です。
またイスラム教徒は、偶像崇拝を禁止されています。
ですから今のヨーロッパでは、イスラム難民によって、教会のマリア像が破壊される事件が多発しているそうです。
要するにアラブのイスラム教徒は、ヨーロッパに移民して来ても、ヨーロッパのキリスト教文化を受け入れることが出来ないのです。
これはある意味で、移民ではなく、侵略であるとも言えるかもしれません。
その点で、日本人は「郷に入っては郷に従え」の諺通り、その国の文化に溶け込もうとします。
できれば日本に受け入れる方々も、このような「郷に入っては郷に従え」る方々をお迎えしたいものです。
我らが大切な故郷である日本に受け入れる隣人は、せめて「良い隣人」を選びたいですね。
反日外国人は「お」「こ」「と」「わ」「り」ですね!
移民を日本の国に根付かせる努力
しかしいくら多様性で柔軟な考え方を持っていても、それだけで日本の文化に馴染んで、「良い隣人」になるわけではありません。
ある程度の手間暇をかけて、日本語だけでなく、日本の文化や歴史、様々な風俗などを学んでもらわなければなりません。
しかし「技能実習生」を受け入れる多くの会社は、カツカツで自転車操業をしている、半分ブラック企業みたいなところであったりします。
こういうところでは、きちんとした研修を受けることが難しいと思います。
でもこれが工場で部品を組み立てる仕事なら、適当な研修であっても、なんとかなるかもしれません。
しかしこと高齢者の介護に関しては、やはり日本人の文化や考え方を、ある程度理解していないと、良いケアは難しいと思うのです。
ですから今後の多量の「技能実習生」の受け入れに関しては、地域社会の中で、ボランティアなどを活用して、彼らに日本人の文化や歴史を学んでもらうための仕組みができると良いなと思っています。
単に安い労働力を使い捨てにするために受け入れるのではなく、大切な隣人として仲間になるために、相互に理解するための仕組みを作って、お互いに頑張る関係は、とても良いと思うのです。
そのためには受け入れる側の我々日本人も、相手の国の文化や歴史を学ぶ必要があります。
そうすることで、さらに日本の文化に広がりと厚みが増える利点もあります。
より良い形で日本の文化に多様性が生まれていけばとても良いと思います。
結局は自分たちの生活に直接関わります
しかし本当に重要なことは、経済的な問題であると言えます。
確かに受け入れる企業や介護施設は、できるだけ安い人件費に抑えて、収益を増やしたいと考えます。
しかし先ほどもご説明したように、実習生が失踪しては元も子もありません。
それに外国から安い労働力が入ってくることは、結局は日本人の人件費も低く抑えられる原因になります。
本来のグローバル経済とは、先進国の技術で、発展途上国の安い労働力を使って、莫大な収益を上げることですから、これは方法としては正しいのです。
しかしいくら企業がそれで収益を上げたとしても、そこで働く人々の賃金が減ってしまっては、その企業が作った物を買う人がいなくなってしまいます。
つまり労働者の賃金が下がることで、市場が小さくなってしまい、物が売れなくなるため、企業はさらにコストを下げるために、人件費を減らす努力をします。
そうするとさらに市場が小さくなる。
現在はそんな企業と労働者のチキンレースみたいな状態になっているのです。
ですからこれからの企業は、自社の収益性だけでなく、自社の雇用を健全化して、市場を育てる努力が必要になります。
労働市場を育てることでの、地域社会へのさらなる貢献が、企業にも求められているのです。
ですから海外からの「技能実習生」の受け入れも、本来であれば、日本人と同等レベルの賃金を支払うことが望ましいのです。
そうしないといくら頭数を増やしても、購買力が上がらないし、GDPも上がっていかないのです。
はっきり言ってヨーロッパの移民政策は、大失敗です。
あやつらはいつも先頭切って試すのですが、大抵は浅はかな結果に終わって、惨めな失敗を繰り返しています。
日本はヨーロッパの移民政策の失敗から、しっかり学んで、キチンと成功を勝ち取りたいものです。
日本人にはそれが可能だと思います。
いや本来の日本人は移民の受け入れは天才的に上手なはずです。
何故ならば、縄文時代のその昔より、日本人は様々な国から移民を受け入れ続けていたからです。
そしてそれらの民族が一つにまとまって、「日本人は単一民族である」と信じて疑わないところまで混ざり会うことが出来たのですから。
米国留学時代の恩師の言葉
私が米国に留学していた当時の恩師(サリバン教授・学部長)が、日本に講演に来られた時に、私が京都観光の案内をした時です。
サリバン教授夫妻が私にこう聞いてきました「タツヤ、ここに外国人はどれくらいいる?」
そこで私は「ここにいる外国人は、あなたたち夫婦だけだと思います」と答えました。
するとサリバン教授は、「もしそうなら日本人が単一民族であるというのは間違いだ。」
「私はたくさんのアジアの国々を講演で回っているが、タイにはタイの顔、インドネシアにはインドネシアの顔がある」
「しかし日本人は、アジアのあらゆる国の顔が混ざり合っている」
「日本人はアジアの中でも最も進んだ混血だ」
とおっしゃいました。
確かに日本人には、タイ人風の人や、インド人風の人なんかが沢山いますね。
(平井堅みたいな www)
前に長崎大学のリハビリセンターを見学に行った時に、空港からのシャトルバスで、どうみても日本人なんだけど、フランシスコ・ザビエルにそっくりなおじさんが乗っていました www。
そう言えば日本には ○○族みたいなのもありませんね。
外国には、たいていは 〇〇族がいるのですが。
日本にいるのは、暴走族くらいでしょうか?
誰がきても、そのうち溶け込んで、いつかは単一民族になっていく。
日本はきっとそんな国なのですね。
最後までお読みいただきありがとうございます。