脳性麻痺のお子さんのニューロリハビリをする様になってから、お子さんのリハビリをしていて、これまでとは違った手応えを感じることがあります。
神経へのアプローチを繰り返していって、シナプスの繋がりが強くなったのか、新たな神経単位が増えたのか?
どちらかとはハッキリは分かりませんが、あきらかに運動神経の制御レベルが上がる瞬間が分かるのです。
こういう所は、子供は大人に比べると、反応が良いですね。
その瞬間は、それまでは反射的に、ギュウギュウに私の手を握ってしまっていたのが、「痛いから力を抜いてよ」と言った瞬間に、顔をしかめながら、一生懸命に手の力を抜こうとすることだったりします。
私の手を痛がらせない様に、一生懸命に手の力を抜こうとする行為に、彼らの私への思いやりなんかも感じられて、心が通じ合った瞬間は、とても嬉しい気分になります。
確かに脳性麻痺のお子さんは、とても深刻な障害を持っている場合があります。
しかしだからと言って、これから行うリハビリの試みが、全くの無駄であるという確実な証拠もないのです。
実際に私の臨床経験では、ニューロリハビリのアプローチによって、あきらかに予測よりも格段に運動機能が発達したケースがあります。
これから先の成長の可能性が、全くない子供なんて、どこにも居ないのです。
みんな人生の可能性を持っています。
そして一度きりの人生を、命の火を燃やしているのです。
確かに中には、医学的・神経学的にシビアな障害を持っているお子さんもおられます。
しかしだからと言って、1%の可能性もない訳ではありません。
少しでも良くなる可能性があれば、それに全力で挑戦するのが、人生で一番大切なことです。
この場合は、科学的な確率論は何の意味もありません。
そんなことは、主治医の先生に、すべての責任を押し付けてしまいます。
私がすべきことは、その子の可能性を全力で信じてサポートすることです。
だって誰からも期待されない人生なんて、あまりにも寂しいじゃないですか。
「たとえ君自身が自分を信じられなくても、僕は君を信じているよ」
こんなメッセージが、子供達にとっては、一番大切なメッセージになります。
そしてご両親にも、同じ様にあなたのお子さんを信じてあげて欲しいのです。
確かに主治医の先生からは、厳しいことを言われているでしょう。
その事は、しっかりと受け止めて、その後の家族の人生を考えていかなければならないのも事実です。
でもそれとお子さんの人生の挑戦を応援するのとは、意味が違います。
たとえば、我が子が「オレ東大に入るから勉強頑張る」と言ったとします。
学校の先生は、当然のごとく「いまの成績や頑張りでは到底無理ですね」と言うでしょうwww。
そこで親のあなたがどう言うか?
「先生もそう言ってるし、オレの子供のお前の頭じゃあ程度が知れてる、あきらめろ」と言いますか?
そんな親がいたら、それはクソですよ。
もしあなたがそんな親なら、有村架純が主演した映画『ビリギャル』を、目をひん剥いて鑑賞される事をお勧めします。
ちなみに私は観ていませんがwww。
ここで東大に行けるかどうかは、重要ではありません。
人生の目標を持って、必死に挑戦すると言うことが、尊いのです。
私の経験上、ほとんどのお子さんは、重い障害を抱えながらも、私たちがサポートすることで、より前に進もうと挑戦する力を内に秘めています。
そしてそれを私たちに見せてくれます。
どうかお母さん、お父さん、あなたたちにも、お子さんを信じて応援してあげて欲しいのです。
そしてこう言ってあげてください「大丈夫、君なら絶対にできるから」
たとえどんなに障害が重くても、そんな言葉が、お子さんへの勇気になるのだと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。