武田邦彦先生の第2の人生論
最近はテレビの生命保険なんかのCMでも、人生100年なんて言われ始めてきていますね。
おそらくコレを最初に言い出したのは、工学者の「武田邦彦」先生だったのではないでしょうか?
武田先生はテレビでもよくコメンテーターをされており、そこで鋭い自論を展開されて、いつも目からウロコが落ちるような思いをさせられます。
その武田先生が、コレから日本人の寿命は100歳に近づいていき、そのために私たちの生き方が大きく変わってしまうと仰っています。
これまでは人間50年時代であり、人が産まれてから成長して大人になり、子供を育て終わるまでが人生であり、そのための期間が50年であったと言うのです。
しかし1960年ごろから、ドンドン人の寿命が伸び始めてきました。
そしてまもなく人類は、人間100年時代を迎えることになるのです。
そうなると子孫を産み育てて、子孫を残すための最初の50年に加えて、もう50年の、言わばもうひとつの人生が手に入る事になる。
つまり私たちの人生が2回になると言うことになります。
武田先生いわく、これまでの宗教や文学でも、人の人生が50年であることを前提にしていますから、50歳から後の100歳までの第2の人生については、どこにも指標がないと言うのです。
つまりはこれまでの人類は、100歳という長寿を経験したことがないため、第1の人生が終わった後の50歳以降の人生については、どうして良いか分からないという事になります。
武田先生いわく、第一の人生は「一生懸命の人生」だそうです。
つまり出世競争に打ち勝ったり、人生の伴侶を見つけて子供を育てたり、少しぐらい汚いことをしても勝負に勝たなければならない、そういった人生であるのです。
しかし50歳以降の「第2の人生」は、もう子供を育てたりする義務がありません。
「第2の人生」において、私達には育てるべき子孫は存在しないのです。
つまり義務のない人生になります。
なので第2の人生で私たちが何をすべきなのか?
これまでの宗教や文学は教えてくれません。
ここで「第2の人生」がどういったものであるかの指針がないことで、貴重な「第2の人生」が、単なる「第1の人生」の『老後』になってしまっているのだそうです。
そうではなく、50歳以降の「第2の人生」が、「第1の人生」と並行して同等に存在すると考えるならば、その「第2の人生」をどのように生きるべきかの指標である哲学や文学が必要になるのです。
暇を持て余している中途半端に健康な高齢者
確かに平日の昼間に、景色の良い散歩道などに行くと、犬を連れて虚ろな眼をしながら
散歩している70代から80代くらいの方が、たくさんおられます。
みなさん腰も曲がっていないし、まだまだ元気そうなのに、なんか活気がないんですよね。
おそらくは「第2の人生」のための指標がないために、単なる「第1の人生の老後」を生きてしまっているのでしょう。
まったくもって勿体ない話です。
人生は1回きりですから、できるだけ有効に使い切らなければいけませんよね。
子孫を育てる生物としての義務がない人生!
自由に使える人生!
それは言わば「自分が何者であるのか」の答えを探す人生であるような気もします。
どこかにお手本はいないのか?
そこで私も浅学ながら、「第2の人生」の指標になりそうな生き方を、色々と探してみました。
そこで日本人でひとり見つけたんですよ、見事に「第2の人生」を生きておられる方が。
それは『瀬戸内寂聴』さんですwww
確かに「瀬戸内寂聴」さんは、お若い頃は「瀬戸内晴美」という女流小説家でした。
彼女は実生活での不倫の果てに、4歳の幼子を置き去りにして、不倫相手との生活に逃げてしまいます。
そしてその体験を小説にするという「不倫作家」と呼ばれる分野を切り開いた方でした。
しかし彼女は、なんと51歳で高野山で出家をしてしまいます。
その時から「瀬戸内寂聴」として、京都で寂庵という庵をむすんで、訪ねて来られる方々を相手に、人生訓なんかを説法されているのですね。
51歳で出家して、現在は95歳です。
「第2の人生」を出家という形で成し遂げておられる、まさに先駆者ですね。
まあ寂聴さんに関しては、人生の前半が不倫三昧のロクデナシの無頼作家であったり、出家の後でも、昼間から酒を飲んで、肉を食いまくるという、言わば「生臭坊主」であるために、必ずしも100%尊敬できるモデルではありません。
私自身も、「あんな生臭坊主になりたいか?」と聞かれれば、頭をかしげてしまいます。
でもひとつの方法論を提示してくれてはいますよね。
あと元気に活動されている高齢者といえば、若い頃に学生運動をやっておられて、最近暇になってきて、再び反政府活動を始めた、元革マル派のお年寄りがいますね。
最近では駅前のロータリーなどでも、本当に熱心に演説されている姿を、よく目にするようになりました。
でもつい数日前に、20代の大学生が、街頭で政権批判の演説をしていたお年寄りを、ドツき回してしまいましたね。
そのニュースを聞いて「あーあ、とうとうやっちゃった」と思わざるを得ませんでした。
お年寄りにしてみれば、仕事も引退して、気楽な気持ちで、若い頃を思い出しながら、楽しく老後の反政府活動を始めたつもりなのでしょう。
でも彼らが若かった頃と、いまとでは時代が違うのです。
今の若者は、お年寄りに政権を転覆なんてして欲しくないのです。
だって政治が乱れれば、経済も悪化して、就職が難しくなるじゃないですか。
日本では、大学を卒業するときの景気が悪ければ、それで就職を失敗して、人生が終わりになってしまいます。
だから今の若者は、ハラハラしながら老人の暴走を見守っているのです。
自分の人生に義務がなくなったからと言って、若者の足を引っ張ってはいけません。
我々高齢者の目指す「第2の人生」とは、これからの日本の若者の未来に貢献するようなものでなくてはなりません。
そう考えると、本当に難しいですよね。
まだまだこれから時間をかけて考えていかなければなりません。
これからの高齢者はヨボヨボではない!
さて人生100年の話をすると、必ずされる反論が「そんなヨボヨボになってまで生きていたくない」というものですね。
でも考えてみてください。
あなたが子供の頃の60歳と、今の60歳の見た目や運動能力を。
まったく違うでしょう。
昔の60歳は、見た目も運動能力も、まるで今の80歳ぐらいに見えていましたよね。
同じように、これからの80歳は、今の60歳くらいになるような気がするのです。
ですから今からの人たちが、80歳や90歳でヨボヨボである可能性は低いと思います。
しかし病気になってしまえば、それもアウトですし、老け方は人それぞれです。
そのためにこれからは、健康維持やアンチエイジングが大切になってくると思います。
健康寿命を延ばすためのアンチエイジング
たとえば最近では「腸内フローラ」の話題がホットですよね。
腸内にいる常在菌(腸内フローラ)は、およそ1000兆個と言われています。
私たちの体を構成する細胞の数が、およそ80兆個と言われていますから、腸内フローラの数は、私たちの体の全ての細胞の100倍以上の数になります。
なので腸内フローラが私たちの健康に与える影響ははかりしれません。
最近の研究では、腸内フローラの乱れが、パーキンソン病などの神経難病の原因となったり、高血圧やうつ病なども腸内フローラの乱れが関係していると言われています。
この腸内フローラの問題と、食生活のスタイルは密接に関連しています。
ですので食生活をどうするのかは、とても重要な問題になります。
食生活に加えて運動や睡眠も重要ですね!
また運動によって筋肉や骨のコンディションを整えることで、記憶力や精力を高めることも、注目されています。
そして健康と睡眠の問題でも、最近では詳しい研究がなされています。
医療技術の進歩と同時に、健康科学に対する、「食生活」「運動」「睡眠」なども重要なテーマとなってきています。
ではどう言った食事をとり、どのような運動をして、どれくらい眠ればいいのか?
これは本当にとても重要なテーマであると思います。
今後はこの「人間100年時代を生きる」のコーナーでは、これらの健康とアンチエイジングについて、主に「食事」と「運動」と「睡眠」を中心に、解説を行っていきたいと考えています。
とにかくどんな「第2の人生」を生きるにしろ、『健康』であることが一番重要なのですから。
『健康』であることは、「第1の人生」「第2の人生」のどちらにとっても、一番重要なテーマであると思います。
「どう生きるべきか」は「どう生きられるか」にかかっていますし、それは全てあなたが『健康』かどうかにかかっているのですから。
最後までお読みいただきありがとうございます。