はじめに
前回は、五十肩などの肩の痛みの原因とリハビリ方法の解説をしました。
前回記事
五十肩は怖くない! 肩のコアマッスルのコンディショニング方法!
今回は、肩の痛みと並んで、上半身の痛みでは、特に多い、首の痛みについて、解説してみようと思います。
首の痛みは、首の周りの筋肉のコリが原因ですが、首の筋肉がコルと、それが原因で頭痛になったりします。
これを「筋緊張性頭痛」と呼ぶのですが、実は慢性的な頭痛の原因として、けっこう「筋緊張性頭痛」は多いと思うのです。
しかし頭痛というと、簡単に頭痛薬を飲んで、痛みをごまかすだけのケースが多く、あまり問題にされていません。
また強い頭痛にまでならなくても、本を読んだり、パソコンを操作するときに、集中力の低下を感じている方は、多いのではないでしょうか?
あなたもPCを操作していて、すぐに集中力が途切れてしまい、「最近は年のせいかすぐに疲れるなあ」なんて感じているのではないでしょうか?
これなども原因は、首の筋肉のコンディションが悪くなっており、PCの操作で斜め下を向いていると、頭を支えている筋肉が疲れてしまい、そのために集中力が続かないのです。
首の筋肉が、すぐに疲れてしまうのは、首の主要な筋肉のコリが原因です。
今回は、首のコリを治すために、チェックするポイントとなる筋肉と、そのリハビリ方法について解説したいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
首のコリの原因となる筋肉とは?
首の周りにはたくさんの筋肉があります。
これを全てケアすることは、効率が良くないですし、またケアがあまり必要でない筋肉も多いので、今回はケアの重要なポイントとなる筋肉を、いくつかご紹介したいと思います。
肩甲挙筋
肩甲挙筋は、肩甲骨の上側の縁の、一番内側の角から始まって、首の頚椎の側面に向かっていく筋肉です。
よく肩コリになると、肩の峰の首の付け根に近いところが、こわばっていたくなりますが、この時に痛くなっているのが「肩甲挙筋」です。
よく僧帽筋が痛くなっていると、勘違いされている方が多いのですが、肩コリで痛いのは、「肩甲挙筋」ですので、良く覚えておいてくださいね。
この「肩甲挙筋」の働きは、肩をすくめる様な運動と、首を横にかしげる運動を行っています。
ですから「肩甲挙筋」がこわばると、肩がコルだけでなく、首の側面にも緊張が出てきて、首を動かしたり、PCの画面を見続けるなどの動作が辛くなってしまいます。
頭板状筋・頚板状筋
「頭板状筋」は、頚椎の棘突起(首の後ろのゴツゴツ並んだ突起)から、後頭部のやや外側に向かっていく筋肉です。
「頚板状筋」は「頭板状筋」のすぐ下に、続いている同じ様な形をした筋肉です。
「頭板状筋」の働きは、首を後ろに反らしたり、首を横にかしげたり、左右に捻ったりする動きを行っています。
この筋肉がコルと、後頭部のやや外側から、首の後ろにかけての、首の側面に硬い筋肉のシコリができます。
このシコリを指で押すと、とても痛いですね。
この「頭板状筋」は、PCを操作するときなどに、頭を安定させるために働きます。
ですからこの「頭板状筋」の調子が悪くなると、途端にPC作業などの集中力が続かなくなり、作業効率が低下してしまいます。
頭を支えている「頭板状筋」が、すぐに疲れてしまうため、集中力が継続しないのです。
また自動車の事故などで、後ろから追突されて「むち打ち症」になったときなどに、痛みを感じるのも、この「頭板状筋」と「頚板状筋」です。
頭最長筋
「頭最長筋」は、頚椎のやや側面から、後頭部に向かって行く筋肉です。
この「頭最長筋」も、頭を反らしたりする動きを行います。
そしてこの「頭最長筋」がコルと、その筋肉のこわばりが、前頭後頭筋に影響して、筋緊張性頭痛の原因となります。
この筋肉の不調も、あなたの集中力低下に、かなり貢献してくれていますね。
次は、これらの筋肉に対する、コリの解消方法について解説しますね。
首のコリに対するリハビリテーション方法
首の筋肉のこわばりを解消するためには、肩の回旋筋腱板のリハビリテーションと同様に、ハンディタイプのマッサージ・バイブレーターで、目的となる筋肉をほぐしていきます。
しかし首の筋肉は、縦に長いため、ポイントを決めてバイブレーターを当てないと、広い範囲をマッサージしきれなくて、まごつくことになってしまいますね。
ですからマッサージのポイントを決めるのに、少しコツが必要になります。
肩甲挙筋に対するマッサージ
肩甲挙筋は、肩甲骨の上側の縁の、一番内側の角から始まっています。
そしてちょうどその角から、少しだけ首の方に移動した辺りで、硬いこわばりが出来ています。
これが肩甲挙筋のコリです。
ここにマッサージバイブレーターを当てて、ゆっくりとマッサージを行ってください。
時間は10分程度、刺激は少し強めに感じるくらいが良いでしょう。
頭板状筋・頚板状筋に対するマッサージ
頭板状筋・頚板状筋は、後頭部の骨が盛り上がった部分の、一番外側の辺りで、硬いこわばりが出来ています。
ここにマッサージバイブレーターを当てて、ゆっくりとマッサージを行ってください。
時間は10分程度、刺激は少し強めに感じるくらいが良いでしょう。
頭最長筋に対するマッサージ
頭最長筋は、後頭部の骨が盛り上がった部分の、より背骨の中心に近い部分、背骨から真っ直ぐ上に伸ばした線の両側の辺りで、硬いこわばりが出来ています。
ここにマッサージバイブレーターを当てて、ゆっくりとマッサージを行ってください。
時間は10分程度、刺激は少し強めに感じるくらいが良いでしょう。
現代社会では、首にかかるストレスが、かなり大きくなっています。
ストレスによって、これらの首の筋肉に、慢性的に緊張が続くことで、筋肉の組織に対して、十分な血液が流れなくなります。
そうすると筋肉の線維は、十分な酸素や栄養を受けられなくなり、筋硬結と呼ばれる、硬いしこりに変性していきます。
この筋硬結が、バイブレーターを当てる、目印になっているシコリなのです。
寝る前に、少しだけこれらの筋肉をマッサージすることで、睡眠の質も良くなります。
またこれらの、首の周囲の筋肉のコンディションが良くなることで、仕事などに対する集中力も向上していきます。
あなたも是非試してみてくださいね。
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