脳卒中リハビリ

最新の脳卒中片麻痺に対する歩行リハビリの実技(上級編)

 

前回の中級編で練習したことは!

前回の最新の脳卒中片麻痺に対する歩行リハビリの実技(中級編)では実際の歩行動作に準じて、左右の足の振り出しと体重移動を、なるべく力まずに無意識的に行える様になる練習を行いました。

 

今回は上級編を練習します!

今回の上級編では、実際の歩行パターンをリラックスした状態で行いながら、音や光の変化によって歩行パターンを切り替える練習を行います。

これは視床による視覚や聴覚からの感覚情報と大脳皮質の運動野からの指示を統合して運動パターンを抽出して、それを大脳基底核で適切な運動パターンを選択して実行に移す一連の神経ループの機能を高めるための練習です。

この大脳皮質と視床と大脳基底核の運動コントロールの閉鎖回路の機能を高めることで、スムースな歩行運動を獲得することが可能になります。

 

大脳皮質運動関連野~大脳基底核~視床~大脳皮質の閉鎖回路の機能を高めます!

最新の脳卒中片麻痺に対する歩行リハビリの実技(中級編)で習熟した3種類の歩行パターンを、視覚刺激または聴覚刺激によりスムースに切り替える練習を行います。

視覚情報や聴覚情報により運動パターンの切り替えがスムースに出来るように練習して、視床における感覚情報と運動コントロールの統合と、それを大脳基底核でコントロールしてアクセルとブレーキを行う機能を高めて、スムースかつリラックスした歩行能力の獲得を目指します。

 

 

最新の歩行リハビリの実技: 上級編

中級編で習熟した3種類の歩行パターンを聴覚刺激や視覚刺激の信号によりスムースに切り替える練習を行います。

  1. 左右方向のステップ運動

  2. 麻痺側の足を先に前に出すステップ運動

  3. 健側の足を先に前に出すステップ運動

 

1. スリング(犬のお散歩用リード)を活用したスムースでリズミカルなステップ切り替えの練習

リスク

小脳性運動失調のある方はこの運動はできません!

必要な機材

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中型~大型犬用のお散歩用リード(2本)

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L字型のフック(2個)
テレビ

 

運動時間

10分 ~ 15分

 

スリングの設置と設定

① 部屋の鴨居などに L字型のフックを 60 cm 間隔で2個並べてつけてください。 そこから中型~大型犬用のお散歩用リードを垂らして、持ち手側の輪を下になるようにします。

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(L字型フックを設置します)

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(フックにリードの金具を引っ掛けます)

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(リードの長さを調整する方法)

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(犬用のお散歩用リードを垂らします)

 

リードを垂らした場所から正面に見える位置にテレビを置きます

 

② 垂らしたリードの中間で少し後ろに立ち背筋をキチンと伸ばします。 そして先ず麻痺側の手首をリードの腕輪に通し、リードの紐を手首側に回してリードをつかむようにします。 同じように健側の手首もリードの腕輪に通してリードの紐をつかみます。

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(麻痺側の手首をリードの腕輪に通します)

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(麻痺側のリードを手首側に回して)

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(麻痺側の手でリードをつかみます)

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(健側の手首もリードに通し)

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(健側の手でリードをつかみます)

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(左右の足を肩幅に開いて立ちます)

※ これで運動の準備ができました!

※ 今回は右片麻痺の設定です!

 

 

3種類のステップ運動を順番に行っていきます。

⑴ 左右方向のステップ運動
⑵ 麻痺側の足を先に前に出すステップ運動
⑶ 健側の足を先に前に出すステップ運動

※ 詳しい運動パターンに関しては『最新の脳卒中片麻痺に対する歩行リハビリの実技(中級編)』の運動方法を参照してください。

※ 今回の運動は右片麻痺の設定で解説しています!

 

先ずは「左右方向のステップ運動」から開始します

IMG_3595

(開始姿勢)

歩行中級編001

(麻痺側の足を外側に半歩踏み出す)

歩行中級編002

(麻痺側の足に体重をかける様に重心を移動します)

歩行中級編003

(健側の足を麻痺側に揃えるように踏み返します)

歩行中級編004

(今度は健側の足を反対側に踏み出します)

歩行中級編005

(健側の足に体重をかける様に重心を移動します)

歩行中級編006

(麻痺側の足を健側に揃えるように踏み返します)

歩行中級編007

(再度麻痺側の足を外側に踏み出してから腰から体重を移動します)

このステップ運動を「いちに、いちに」となるべくリラックスした状態で、正面のテレビを見ながら、しばらくステップ運動を続けます。

テレビの画面が別のシーンに切り替わった瞬間に、今度は「麻痺側の足を先に前に出すステップ運動」に切り替えます

歩行中級編010

(麻痺側の足を前に一歩踏み出します)

歩行中級編011

(麻痺側の足に体重をかける様に重心を移動します)

歩行中級編012

(健側の足を麻痺側に揃えるように踏み返します)

歩行中級編013

(健側の足を後ろに踏み返します)

歩行中級編014

(健側の足に体重をかける様に重心を移動します)

歩行中級編015

(麻痺側の足を健側に揃えるように後ろに踏み返します)

このステップ運動を「いちに、いちに」となるべくリラックスした状態で、正面のテレビを見ながら、しばらくステップ運動を続けます。

テレビの画面が別のシーンに切り替わった瞬間に、今度は「健側の足を先に前に出すステップ運動」に切り替えます

歩行中級編016

(健側の足を前に一歩踏み出します)

歩行中級編017

(健側の足に体重をかける様に重心を移動します)

歩行中級編018

(麻痺側の足を健側に揃えるように踏み返します)

歩行中級編019

(麻痺側の足を後ろに踏み返します)

歩行中級編020

(麻痺側の足に体重をかける様に重心を移動します)

歩行中級編021

(健側の足を麻痺側に揃えるように後ろに踏み返します)

このステップ運動を「いちに、いちに」となるべくリラックスした状態で、正面のテレビを見ながら、しばらくステップ運動を続けます。

テレビの画面が別のシーンに切り替わった瞬間に、今度は再び「左右方向のステップ運動」に切り替えます

歩行中級編001

● この様にして、なるべく力まずに足のステップ運動を行いながら、テレビの画面が切り替わる度に3種類のステップ運動を切り替えながら、スムースにステップ運動を行う練習をします!

● この運動を10分程度行います。 運動はなるべく毎日おこなって身体に動きを染み込ませてくださいね。 無意識のうちに左右の足が同じくらいの振り幅でリラックスして動かせるようになることを目指して運動してください。

 

※ この運動は決して力まないで行ってください。 大きく動かすことや、上手に動かすことが目的ではなく、可能な限り無意識に近い状態で左右の足や腰を同じくらいに動かせるようにしながら、スムースにステップをきりかえることが目的です。 そのためにリードを利用して振り子のように運動しながらステップ運動を行っていただきます。

 

※ これらの練習は決して焦らずに、気長に練習して、リラッックスした歩行パターンを、無理なく切り替えられるようにしてくださいね。 時間はかかると思いますが、決して焦って無理やり力んで足を動かすくせをつけないように気をつけて下さい。 よろしくお願いいたします。

 

最新の歩行リハビリの実技: 上級編は以上です。

 

 

次回は

「最新の脳卒中片麻痺に対する歩行リハビリの実技(応用編)」
についてご説明します。

 

最新の脳科学に基づく脳卒中片麻痺の回復に関する記事はこちら

「脳卒中片麻痺を治す最新の脳科学に基づく脳卒中ニューロリハビリテーションの在宅での実施方法」

 

最後までお読みいただきありがとうございます

 

 

注意事項!

この運動は、あなたの身体状態を評価した上で処方されたものではありません。 ご自身の主治医あるいはリハビリ担当者にご相談の上自己責任にて行ってくださるようお願い申し上げます。

 

 

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