むかし私が理学療法学科の学生の頃には、授業で手足の関節の関節可動域の測り方と、その関節可動域を拡げるための、関節可動域訓練(ROM ex)を厳しく教えられたものです。
しかし何十年も臨床経験を積んで、ベテランになってみると、関節可動域なんてまず測りませんし、関節可動域訓練なんてやりません(笑)
ベテランになって手抜きを覚えた?
いえいえ、それは違います。
私は自分のリハビリアプローチで手を抜くことは、絶対にいたしません。
まあその日の体調で、とても集中力が高まっていて、勘が冴え渡っている時と、なんかイマイチなコンディションの時はありますが。
常にその時のベストを尽くしていますよ。
そうではなくて、関節可動域を測ったり、関節可動域訓練をすること自体が、古典的で時代遅れなアプローチになってしまったという事です。
医学は急速に進歩していますから、比較的に進歩のスピードが遅めの、リハビリテーションの世界にも、イノベーションの波は絶えずやってきています。
たとえば脳卒中や脳性麻痺の方の、手足の関節が硬くこわばっているのは、脳の運動神経細胞と感覚神経細胞のリレーションの問題で、神経のコントロールが混乱しているからです。
ですからその状態の関節を、ただ単純に繰り返し曲げ伸ばしするなんて、そんな原始的で乱暴な方法は、21世紀のセラピストなら、やらないわけです。
原始人のシャーマンじゃあるまいしね www
でも今でも大学の理学療法学科では、大真面目に関節可動域訓練を教えているのでしょうね。
まあ文部科学省は、省庁の中で、一番保守的で改革を嫌うところですから。
大学の教育内容は、明治時代から変えなくても問題ないと思っているような、とても頑固で石頭なところなんです。
モリカケ問題で証人になった、日本女性の貧困調査をライフワークにしておられる、文部科学省の元事務次官の前川喜平さんが、「内閣府から無理やりに獣医学部の認可を強制された」なんて証言していました。
それに対して元愛媛県知事の加戸守之さんが、「愛媛に獣医学部を新設するために、内閣府が文部科学省の岩盤規制に穴を開けてくれた」と証言していましたが、内閣府でも手を焼くくらい、文部科学省は石頭なのです。
しかも教育の現場で教授などになられている、教育を専門にされている理学療法士の皆さんは、臨床経験がほとんどないのです。
ですから彼らは、文部科学省のガイドラインに従って決められていることを、ただそのまま学生に教えることしかできません。
なのでそのままでは役に立たない知識しか持っていない、新人理学療法士を量産することになります。
私たちベテランは、彼らを量産型理学療法士とよんで、初期型の理学療法士とは区別しています(嘘です)。
そしてベテランのいる臨床現場では、医療費削減で、とにかくコマネズミのように、稼ぐことを要求されますから、新人の教育に割く時間はほとんどありません。
そのために最新の有益な技術が、なかなか拡がっていかないのです。
本当になんかいい方法はないでしょうか?
これからの新人の理学療法士を、効率よく使えるセラピストに育てる方法!
なんか無いかなあと考えている、今日この頃です。
最後までお読みいただきありがとうございます。