はじめに
最近のテレビCMなどでも、人生100年時代が来たと盛んに言われてきています。
実際に、最近は日本人の寿命もドンドン伸びてきていて、お年寄りを見ていても、以前よりは若々しい高齢者が増えてきているように感じますね。
特にテレビで見る芸能人などは、本当に若くみえますし、50歳ぐらいで嫁に行く女優さんが増えてきているようにも感じますよね。
そういう現象に対して、最近ではあまり違和感を感じなくなりました。
確かにここ2~3年の間に生まれた赤ちゃんの2人に一人は100歳まで生きるようになるのだそうです。
ずいぶんと寿命が伸びてきています。
よく人生100年時代ですよと言うと、「そんなにヨボヨボになってまで生きたくないわ」と答える方が大勢います。
しかし私たちがこれから年をとっていく上で、本当に今の高齢者と同じようにヨボヨボになっていくのでしょうか?
私たちが子供の頃の60歳のお年寄りは、とても老けてみえました。
ちょうど現在の80歳くらいのお年寄りが、昔は60歳くらいの感じでしたよね。
私たちの平均年齢が、50歳ぐらいから、急に伸び出したのは、1960年頃からです。
それ以来、ドンドン寿命が伸びてきて、人生100歳まであと少しと言うところにきています。
およそ2040年ごろには、人生100歳が実現するのではないかと言われています。
そしてそれはただ単に寿命が伸びるだけでなく、より若々しくなってきてもいるのです。
ですので2040年ごろの未来の80歳は、今の60歳ぐらいの感じになっている可能性も高いと思います。
もし80歳ぐらいになった時に、今の60歳ぐらいの感じで働くことができていたら?
有効に使える人生の長さはとても増えることになります。
50歳からは「第2の人生」と言う考え方
工学者の武田邦彦先生は、これまでの人間50年時代の人生を、「第1の人生」として、これからの50歳から100歳までを「第2の人生」と考える人生設計を提案されています。
「第1の人生」は、生まれてから成長して大人になり、伴侶を見つけ子供を産んで育て、子孫を残すための生物学的な人生です。
そこには学び、成長し、家族を守り、人生の成功を勝ち取ると言う責任が生じてきます。
とにかくシッカリと責任感を持った生き方が求められてくるのです。
しかし「第2の人生」には、それらの義務がありません。
育てるべき子供は大人になっているし、年金や蓄えもあります。
また世間には、年寄りというだけで、多少のワガママも聞いてもらえそうな雰囲気もあります。
50歳からの「第2の人生」は、自分が自由にできる、いわば夢を叶えるための人生にすることができるのです。
生活のために諦めていた、画家になる夢や、ミュージシャンとして活動する夢も、あるいは叶うかもしれません。
武田先生の提案では、50歳から60歳までの10年間を、「第2の人生」の準備期間とし、60歳代、70歳代、80歳代の30年間を、その活動期間としています。
そして90歳から残りの10年が、本当の意味での老後になると言う考え方です。
もし30年間を自由に使えるとしたら、そしてもしあなたに才能があれば、画家や音楽家としても十分成功することが可能になります。
または何かの研究をしても良いですし、旅行や冒険なども出来るでしょう。
なにせなんの責任もないのですから、いつ死んでも悔いはありません。
後顧の憂いなく存分にチャレンジをすることが出来るはずです。
いつ死んでも悔いはないと言っているなら、本当に死ぬかもしれない冒険に出て見るのも、コレはコレで一興かもしれませんね。
別に煽っているわけではありませんけどね www
しかしそうなってくると、一番重要なのは「健康』ということになります。
実際に50歳以降の年齢になった時に、どのくらいピンピンしていられるのか?
問題はその1点に絞られてくると言っても過言ではありません。
どうやって100歳までの健康寿命を達成するか?
さてそれではどうやって100歳までの健康寿命を達成すればいいのか?
あるいは80歳になっても、元気で活動できて、しかもカッコイイ身体状態(あるいはキレイな状態)を維持するには、どうすれば良いのか?
真剣に考えていきたいと思います。
まず健康を維持していくには何が重要かを考える!
健康を保つために重要なのはなんでしょうか?
医学的に考えて健康のために重要なのは以下の3点であると考えられています。
⑴ 食事
⑵ 運動
⑶ 睡眠
なんだそんな事かと思われる方もいるかもしれません。
でも健康のために「どんな食事が良いのか」「どんな運動をするべきか」「どのくらい眠れば十分か」などの答えが、しっかり分かっている方は、ほとんどおられないと思います。
たとえば食事に関しては、最近のホットな話題としては『腸内フローラ』が挙げられますね。
この『腸内フローラ』とは、私たちの消化器の中に常在菌として住んでいる、いわば私たちと共存関係にある細菌のことです。
私たちのお腹の中には(腸の中には)、この『腸内フローラ』と呼ばれる常在菌が、およそ1000兆個住んでいると言われています。
私たちの身体を構成している細胞の数が、およそ80兆個ですから、私たちの身体の全ての細胞を併せたよりも、『腸内フローラ』の細菌の数の方が100倍以上、多いことになります。
そしてこの『腸内フローラ』は、私たちの身体に対して、内臓の1つと同等か、あるいはそれ以上の影響を与えているという事が分かってきています。
たとえば『腸内フローラ』の乱れが、「うつ病」や「神経難病(パーキンソン病など)」の原因となる可能性が高い事が分かってきています。
たとえば昔から食事をとる時に、「食物繊維」を多く摂る事が推奨されていますね。
しかし一般的には、「食物繊維」を摂ることは、「お腹の中をキレイにする」くらいの認識しか持たれていないのではないでしょうか?
ところが「食物繊維」と『腸内フローラ』の関係には、それどころではない、重要な働きが隠されていたのです。
『腸内フローラ』と「食物繊維」の代謝の重要性
「食物繊維」は難消化性デキストリンと呼ばれ、基本的には私たちの消化管からの消化液では分解できません。
そこで『腸内フローラ』の出番になるのです。
『腸内フローラ』の中に「クロストリジウム属」と呼ばれる腸内細菌がいます。
この「クロストリジウム」が、「食物繊維」を分解して「短鎖脂肪酸」と呼ばれる栄養素を作り出します。
この「短鎖脂肪酸」が、私たちの身体の中で、重要なメッセージ物質となるのです。
たとえばこの「短鎖脂肪酸」によって、免疫細胞であるレギュラーT細胞(Tレグ細胞)が増やされ、活性化されます。
このTレグ細胞とは、免疫細胞の中でも、抑制性の免疫細胞で、他の攻撃型の免疫細胞の活動を抑えて、免疫の暴走を防いでくれます。
免疫の暴走といえば、思いつくのは「慢性関節リウマチ」などの膠原病ですよね。
そうです関節リウマチの原因は、もしかすると「食物繊維」の不足が、その原因のひとつかもしれないのです。
その他にも、「食物繊維」が不足することで、「うつ病」になるリスクが高まったりもします。
「多発性硬化症」などの、神経難病にも「食物繊維」が関係している可能性が指摘されています。
「食物繊維」は、ただ単に、「お腹をキレイにして便秘を防いでくれる」以上の重要な働きが、沢山あるのです。
ですから現在では、「食物繊維」を、1日20g以上摂ることが推奨されています。
コレは是非実行されたほうがいいと思います。
それに対して、たとえば健康に良いと言われている「牛乳とヨーグルト」ですが、最近のメタアナリシスによる研究では、大人が摂取しても、ガンのリスクを高めるだけで、健康になる効果はないと言われています。
ただコレはあまりおおっぴらにはされません。
なぜならば、もし国が健康のための食事の指針として、「牛乳とヨーグルト」を摂取してはいけませんと言ったりしたら、畜産業界が崩壊してしまうからです。
企業のロビー活動もあって、コレらの情報は、あまり世間には出されていません。
一部の学者さんが、誠意をもって発信している情報は、大きな力でもって、握りつぶされている場合があります。
ですので、一般の方は、かなり頑張らないと、正しい情報にたどり着くことができないのです。
実際に、私が『腸内フローラ』のことを理解するためには、最新の医学論文を読み漁る必要がありました。
正しい情報を手に入れることは、結構大変なことです。
なぜならば多くの情報は、企業によって発信されており、それらの情報は「商品を売るため」に脚色が加えられているからです。
身体のネットワークの新たな考え方!
また脳が身体の様々な臓器に対して、命令を下しており、その命令にいろいろな内臓が従って働いているという、コレまでの医学の常識もくつがえされてきています。
たとえば腸の働きが、脳の活動性に影響を与えていたり、筋肉を鍛えることで、記憶力が高まったりといった事も、徐々にですが分かってきています。
なのでどのような運動をするのか、どの程度の運動が必要なのか、どの筋肉を鍛えることが良いのかなどの疑問が拡がりますね。
それらの「運動」に対する考え方も、大きく変わってきつつあります。
睡眠は健康にとってとても重要な要素です!
日本人の平均睡眠時間は、6時間30分だそうです。
それに対して北欧の方達の平均睡眠時間は、7時間30分だそうです。
実は健康な生活のためには、7時間30分の睡眠が、最も最適なことが分かってきています。
確かに人口の2%くらいは「ショートスリーパー」と呼ばれる、短時間の睡眠に耐えられる方が存在するのですが、ほとんどの方は7時間30分の睡眠が必要なんだそうです。
そして睡眠時間が不足すると、「睡眠負債」が身体や脳に蓄積して行きます。
よく平日に寝られなかった分を、土日で寝溜めして解消する方がおられますが、それはダメなんだそうです。
蓄積した睡眠負債を解消するためには、最低でも3週間の十分な睡眠が必要になるそうです。
つまり3週間の間、毎日7時間30分以上眠らないと、睡眠負債は返済できないのだということです。
睡眠によって、私たちは脳を休ませ、身体の休息を行いますから、睡眠が不足して、睡眠負債が溜まることで、健康が障害されることは簡単に想像できますね。
ではどのように良い睡眠を取れば良いのか、いつ眠れば良いのか?
そんな疑問も重要なことですね。
この人生100年シリーズでは、次回から、いかに健康寿命を伸ばすためのアンチエイジングを行うかについて解説して行きたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
アンチエイジングのための食事方法の記事
健康寿命を伸ばすために腸内フローラを管理してアンチエイジングを行う方法
最後までお読みいただきありがとうございます。