リハビリ裏話

アメリカ海外留学 バーガーショップでいきなり「トゥヒャトゥゴ」と呪文を唱えられた想い出!

 

私は30代の初めに呼吸療法を学ぶためにアメリカはオハイオ州の大学に留学した経験があります。

留学前に、働きながらも一生懸命に英語を勉強して、いちおうは州立大学の医療系の学科に入学を許される程度の英語力は身につけていたのです。

しかしながら、実際にアメリカに渡ってみると、とにかく奴らの話す英語が聞き取れないのです。

話すスピードがとにかく速い!

日本で初めてTOFLEのリスニングを聴いたときにも「速い!」と感じたものですが、そんなレベルではありません。

とにかく鬼畜米英の連中の英語は速いのです!

そして、もともと学生時代には、それほど英語が得意ではなかった、と言うよりは英語が苦手だった私は、すっかりビビってしまったのです。

まわり中、訳のわからない英語を話す外国人だらけ(本当は私が外人なのですが)の環境で、すっかり外出する事が出来なくなってしまいました。

そうです、なんと私は30代の初めに、着いたばかりのアメリカの地で、人生2度目の引きこもりとなってしまったのです。

しかし部屋から一歩も出ない状態で、いつまでも生きていられるわけではありません。

第一に、食事ができませんから、あっという間にお腹が空いて死にそうになりました。

初めのうちは、アメリカでは手に入らないかもしれないからと、荷物の中に大切に持ってきた、インスタント味噌汁をお湯でといて空腹をしのいでいたのですが、それもあっという間に在庫切れになりました。

なんと言う事でしょう。

これから再び日本に帰るまでの命綱であった、インスタント味噌汁を、私はアメリカについて、わずか数日の間に飲み切ってしまったのです。

なんと言う絶望でしょう!

しかし本当は、アメリカのスーパーに行けば、味噌も米も、インスタント味噌汁も簡単に手に入る事は、後になってわかったのですが。

アメリカほど便利な国は、他には日本ぐらいしかありませんから、お金さえあれば、大抵の物は手に入るのですね。

お金さえ持っていれば、手ぶらで行っても、普通に生きていける国、それがアメリカです!

しかし英語が聞き取れずに、引きこもっていた当時の私には、そんな事は分かりません。

しかし私もこれまで様々な修羅場をくぐり抜けて、医療系分野でのアメリカ留学までこぎ着けた男です。

10代の頃の引きこもりとは訳が違います。

そこで必死に考えた挙句、「マックみたいなハンバーガーショップなら英語でも注文できるだろう」と結論を導き出したのです。

誰ですか? そんなの空港に着いた時点で、ハンバーガーくらい食っとけって笑っているのは!

まあ当時は、色々とあって、プレッシャーで萎縮していたのですね。

でも後になって経験したのですが、私のように、もともと英語が苦手だった留学生だけが引きこもりになる訳ではないのです。

大学の英文科を卒業したような、英語に自信のある留学生も、初めはネイティブの英語が聞き取れないショックで、結構引きこもりになるのです。

これはあくまでも、当時の私の名誉のために、申し添えておきます。

さてこれ以上はないくらいの空腹で、アメリカの地で死にかけた私は、勇気を振り絞って、近所のバーガーショップに出かけました。

バーガーショップの中は、ほとんど日本の店と変わりがなく、セットメニューにはご丁寧に1番から順番に番号がふってあります。

これなら簡単に注文できると、私はレジのところの、スタッフの前に立ちました。

するとレジのスタッフは、私の予想もつかないことを言い始めたのです。

以下にその時の会話をご紹介しますね。

スタッフ: 「トゥヒャ・トゥゴ」

私: 「????」

スタッフ: 「トゥヒャ・トゥゴ」

私: 「アイワンツ ナンバー3 セット」

スタッフ: 「ノーノー、 トゥヒャ・トゥゴ」

もうこの段階で私の頭の中は、ほぼパニック状態です。

なんでアメリカ人スタッフは、お客様に向かって、訳のわからない呪文を吐き散らかすのでしょう?

「トゥヒャ・トゥゴ」ってなんの呪文ですか!

私が黄色人種だから差別しているのでしょうか?

でも私もこのままでは飢え死にしてしまいますから、さらに食い下がります。

私: 「ナンバー3セット プリーズ」

するとアメリカ人の、結構かわいい女性スタッフは、「しょうがないわね」と言う感じで首をすくめた後、私に向かってゆっくりと、こう言いました。

スタッフ: 「トゥヒア オア トゥゴー(To here or to go)」

この瞬間に私もようやく、この恐ろしい呪文の意味が分かりました。

つまり彼女はこう言っていたのです。

「こちらでお召し上がりですか? お持ち帰りですか?」

分かってみれば、なんのこっちゃです。

そうして私は無事に、そのバーガーショップで、とても美味しい本場のハンバーガーを食べる事が出来ました。

これほど美味しいハンバーガーは、それまで食べた事がないほど美味しかったです。

さすがはハンバーガーの本場アメリカですね www

ちなみにアメリカのバーガーショップでは、この「トゥヒャ・トゥゴ」の呪文に答えないと、絶対にハンバーガーを売ってくれません。

何故ならば、税金が違うからです。

アメリカでは、バーガーショップでハンバーガーを買うときに、店内で食べる場合は、レストランで食事することと同じ意味になります。

しかし買って帰る、お持ち帰りの場合には、スーパーでパンを買うのと同じことになるのです。

当然ですが、レストレンで食べるほうが、サービスに対する税金がかかりますので、値段が1ドルくらい高くなります。

そして、もしお持ち帰りで買って、紙袋に入れてもらったハンバーガーを、店内で開いて食べると、それは「脱税」になるのです。

実はアメリカのバーガーショップには、ときどきFBIの手先が張り込んでいます。

そしてお客が、お持ち帰りで買った、紙袋入りのハンバーガーを、店内で開いて、一口食べた途端に、脱税で検挙するのです。

「FBI ユーアンダーアレスト!」( FBI だ、逮捕する!)

恐ろしいですね。

実際に、私の友人の一人が、バーガーショップで FBI に捕まっています。

罰金は、およそ50ドルくらいだったそうです。

まあ日本のスピード違反のネズミ捕りの FBI バージョンといった感じですね。

あなたもアメリカに行ったときには、「トゥヒャ・トゥゴ」の呪文をくれぐれもお忘れなきよう!

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

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