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脳にストレスをかけるダイエットはリバウンドします
これまでのダイエットには、お腹が空いていても我慢して痩せるために頑張るイメージがありました。
しかし痩せるために無理をしてお腹が空いているのを我慢するなどのダイエット方法は、脳にストレスをかけてしまいます。
つまりダイエット期間中は、なんとか意志の力で頑張って空腹をこらえていても、結局ダイエット期間が終了して気が緩んだ途端にリバウンドしてしまうリスクが高かったのです。
このダイエット後のリバウンドには医学的な根拠があります。
つまり空腹に耐えるダイエットをしている間中、ずっとあなたの脳にはストレスが溜まっていきます。
このストレスが溜まった状態で、いきなりダイエット期間が終了することで、気が緩んだ拍子に、ついつい食べすぎる自体に陥るのです。
ですからリバウンドしないダイエットのためには、脳にストレスをかけてはいけないのです。
脳に自分は痩せている方が健康だと判断させるニューロダイエット
これまで私たちは、私たちの脳が一番上位にたって、私たちの身体をコントロールしていると考えてきました。
しかし最近の医学や科学の進歩により、私たちの脳は、身体の様々な臓器や筋肉や、骨、脂肪などから常にたくさんのメッセージを受け取っており、それらのメッセージに従って最終的な決定を下しているに過ぎないことが分かってきたのです。
たとえば私たちの骨や筋肉からも、常にたくさんのメッセージ物質が脳に向けて送られています。
そしてこれらのメッセージに従って、脳は様々なコントロールを行なっているのです。
ですからダイエットを成功させるためには、脳によって無理やり食事を制限して身体に負担をかけるのではなく、身体からのメッセージをコントロールして、脳に痩せていた方が健康的に有利だと判断させることが大切なのです。
この脳の神経活動を身体レベルからコントロールしてダイエットを成功させるやり方を「ニューロダイエット」と言います。
このサイトでは、前回までの5回の記事で、このニューロダイエットについて具体的な解説を行なってきました。
しかし少し記事が長くなり過ぎましたので、今回の最終6回目の記事で、これまでのニューロダイエットのやり方を分かりやすく、まとめておきたいと思います。
脳にストレスなく健康的に痩せるための3つのポイント
まずあなたの脳と身体は、お互いに身体情報をキャッチボールして、連携をとりあっています。
そして身体の様々な内臓や筋肉、骨、脂肪などからの情報をもとに、どのような行動をとるべきか、どのようにホルモンバランスをとるべきかを脳が決定しています。
私たちの内臓や、筋肉、骨、脂肪などは、それぞれが独自のメッセージ物質を放出しており、それを脳が感知して、どう対応するかを決定しているのです。
ですから、あなたの脳があなたに対して太るまで食べてしまうように命令するのは、脳が身体からの情報をもとに、「あなたは太っている必要がある」と判断しているのです。
たとえば、あなたが仕事が忙しくて睡眠不足が続いたとします。
するとホルモンバランスが崩れて、脳に送られるグルコースの量が、平均で8%程度減少します。
グルコースは脳にとって唯一のエネルギー源ですから、グルコースが不足すると脳は正常に働くことができなくなります。
これでは脳は大切な判断を誤ってしまいます。
ですからあなたの脳は、あなたの身体の血液に流れるグルコースを増やして、脳へのグルコースの供給量を増やそうとします。
具体的に何を命令するかと言うと「甘いものを食べなさい」と命令するのです。
こうして徹夜明けの睡眠不足の状態では、ヒトは甘いものを貪り食らってしまうのですね。
またあなたが缶詰などの加工食品やカップラーメン、ハンバーガーばかりを食べていたとします。
これらの加工食品やジャンクフードには食物繊維が含まれていませんね。
食物繊維は、あなたの大腸に住む「腸内細菌」のエサになります。
私たちの大腸に住む「腸内細菌」は、私たちの食事に含まれている食物繊維を発酵・分解して、細菌自らのエネルギーを作り出します。
それと同時に、副産物として私たちに短鎖脂肪酸などの様々な希少栄養素を提供してくれます。
私たちは、これらの希少栄養素を利用して、免疫機能をコントロールしたり、脳の神経細胞を作ったり、神経を動かすための触媒になる物質を作ったりしています。
ですから腸内細菌の餌である食物繊維が不足して、大腸の腸内細菌が減ってしまうと、私たちは様々な身体の不調に悩まされることになります。
アレルギー症状が悪化したり!
花粉症が悪化したり!
不眠症になったり!
ウツ傾向になったり!
ガンになりやすくなったり!
神経難病になりやすくなったりします。
そしてきわめつけは肥満になりやすくなります。
普段の食事から食物繊維が不足すると、大腸の腸内細菌の餌が不足します。
すると大腸に住んでいる腸内細菌が減ってしまいます。
このままではあなたの健康に重大な影響が出ますから、あなたの大腸はあなたの脳に対して「食物繊維が足りないよ」とメッセージを送ります。
そこであなたの脳は、空腹を感じて何かを食べようと判断するのです。
これが身体に栄養がたっぷりでプヨプヨしているにも関わらず、あなたがドンドン食べてしまうカラクリなのです。
この様な身体のコンディションで、無理に体重を減らすために摂取カロリーを制限すると、脳には強いストレスがかかってしまいます。
ですから脳が過剰に栄養を摂取しようとしなくても良いと判断する身体のコンディションを作ることが大切なのです。
そのために注意しなければいけない3つのポイントが「食事」「睡眠」「運動」なのです。
脳をコントロールして楽々ニューロダイエットの3ポイント
⑴ 食物繊維と油の食べ方をキチンと守ること
⑵ 質の良い睡眠をとること
⑶ コアマッスルのコンディションを整えること
ポイント1 「食事編」:食物繊維と油の食べ方をキチンと守ること
私たちが健康的な生活をするためには、毎日の食事が欠かせません。
この食事をとる上で、脳に「たくさん食べなくても健康上に問題ない」と思わせることがニューロダイエットの基本になります。
その脳にたくさん食べなくても大丈夫と判断させるために、大切なポイントが2点あります。
それが「食物繊維」と「脂肪酸(油)」です。
食物繊維は腸内細菌のエサになり希少栄養素を生み出します
一般的にヒトは食事をとるときに、自分の身体に必要な栄養素をとることを意識します。
しかしここで忘れてはいけないのが、私たちの大腸に住む腸内細菌のことです。
私たちの大腸には、100兆個~1000兆個の様々な種類の腸内細菌が住んでいます。
この腸内細菌が、私たちが食べた食事に含まれている「食物繊維」を発酵・分解して、私たち特別な栄養素を提供してくれているのです。
あなたが食べた食事には、炭水化物やタンパク質、脂肪分やビタミン類と食物繊維が含まれています。
炭水化物やタンパク質、脂肪やビタミン類は、あなたの胃と小腸で消化・吸収することができます。
これらの栄養素に関しては、私たちは腸内細菌の手を借りることなく、自力で栄養素を取り入れることができるのです。
しかしあなたが食べた食物繊維は、あなたの胃と小腸では消化することができません。
あなたが食べた食物繊維は、小腸を通過して大腸に送られていきます。
そして大腸で待ち受けている腸内細菌によって発酵・分解されるのです。
この発酵・分解によって作られる希少栄養素を使って、あなたの身体は免疫機能をコントロールしたり、脳の神経細胞を作ったり、神経を動かすホルモンを作ったりします。
ですから腸内細菌が作り出す希少性要素がないと、あなたは生きていくことが出来ないのです。
ですから、あなたの食事に食物繊維が足りないと、大腸に住む腸内細菌が飢え死にしてしまいます。
そうなっては大変ですから、あなたの大腸からは「もっと食べて」と脳にメッセージが送られるのです。
それが十分にご飯を食べても、食後にすぐポテトチップスを食べたくなる原因なのです。
現代社会で飽食が問題となっている原因には、加工食品や精製された炭水化物(白米や小麦粉)が原因で、食物繊維が減っていることが挙げられます。
つまり食物繊維を含まない加工食品を食べることで、いくら食べても大腸に食物繊維が届かないため、大腸からの食事を促すメッセージが送り続けられる、飽食のループが形成されているのです。
あなたの脳にこれ以上食べなくても大丈夫と判断させるためには、食物繊維を1日30グラム以上食べる様に気をつけましょう。
そのためには食物繊維を多く含む、玄米やもち麦のご飯を食べ、野菜類をたくさん食べる様にする必要があるのです。
脳の60%は脂肪酸(油)でできています
あなたの脳の原材料は、その60%が脂肪酸(油)です。
ですから普段からあなたがどんな油を食べているかで、あなたの脳の性質が決まるのです。
ここで最初にお話ししてしまいますが、「サラダオイルは食べてはいけません」。
なぜサラダオイルがダメなのかと言うと、それはサラダオイルが「リノール酸」だからです。
ちなみにオリーブオイルはオレイン酸ですね。
リノール酸のサラダオイルを食べているのは、日本人だけなのです。
なぜサラダオイルのリノール酸がダメなのか?
リノール酸はあなたの体内でアラキドン酸に変わります。
このアラキドン酸は必須脂肪酸で、あなたが生きて行くために必須の油です。
だからこれまではサラダオイルはヘルシーだと考えられてきたのです。
でもじつはリノール酸は、私たちが食べるほとんど全ての食材に含まれていて、わざわざサラダオイルで食べると過剰摂取になってしまうのです。
リノール酸を過剰に摂取すると、あなたの体内のアラキドン酸が過剰になります。
この過剰なアラキドン酸が、あなたの身体の発ガン性を高めたり、アレルギーを悪化させたり、動脈硬化を悪化させたりするのですが、その話は今回は置いておきます。
あなたの体内のアラキドン酸が過剰になると、あなたの脳を作る脂肪酸も、アラキドン酸の比率が増えてしまいます。
あなたの脳にアラキドン酸が増えると、脳の神経細胞は過敏になり、イライラして切れやすくなります。
イライラするとどうなるかと言うと、甘いものや脂っこいものが食べたくなりますね。
これも必要のない栄養素を脳が欲しがる原因になります。
α–リノレン酸とコレステロールを食べる様にしましょう
ではサラダオイルをやめて、炒め物や揚げ物にどんな油を使えばいいのかと言うと、それは牛や豚のラードです。
ラードはコレステロールだから太るし動脈硬化の原因になると思われています。
でも今さかんにもてはやされているオリーブオイルだって、オレイン酸ですから、体内でコレステロールに変わります。
そしてコレステロールは、傷ついた血管を修復して、さらに丈夫にするために必須の材料なのです。
動脈硬化の原因はコレステロールではなく、そのコレステロールをサラダオイルのアラキドン酸が酸化させてボロボロにしてしまうからです。
コレステロールが足りないと、血管が破れて脳内出血になってしまいます。
またコレステロールだけでなく、α–リノレン酸をとることもとても大切です。
α–リノレン酸は魚介類の油です。
α–リノレン酸は体内でEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)になります。
このEPAやDHAの比率が、脳の原材料の油として増えてくると、脳の神経活動は穏やかになり記憶力が高まるのです。
食べても大丈夫な植物性の油は機械絞りのエゴマ油だけ
α–リノレン酸は魚介類の油です。
しかし植物性の油でもα–リノレン酸を含む油があります。
それがエゴマ油などのシソ科の植物の油です。
具体的にはエゴマ油、シソ油、亜麻仁油の3つだけです。
これ以外の植物性の油は食べない方が良いのです。
キャノーラ油は菜種油で、環境ホルモンとしてダイオキシンより有害ですし、パーム油も同様です。
ごま油や紅花油などもリノール酸です。
ですから食べない方が良いのです。
ではオリーブオイルはどうなのって声がきこえてきます。
オリーブオイルはオレイン酸(コレステロール)ですから、食べても害はありません。
でもスーパーで売っている安物のオリーブオイルは、化学抽出法で絞られています。
油を絞る時に化学薬品を加えて油を抽出し、その後に熱処理をして化学薬品を飛ばしていますから、発ガン性のリスクがあったり、トランス脂肪酸を含んでいたりします。
機械絞りのオリーブオイルは、日本ではとても高価ですから、どうせ高い値段を払うなら、機械絞りのエゴマ油の方が良いと思います。
ちなみにエゴマ油にも化学抽出のものがありますから、買う時には注意してくださいね。
もちろんサラダオイルなども、化学抽出のものがほとんどです www
ですから植物性の油はエゴマ油以外は食べない方が良いのです。
ポイント2「睡眠編」: 質の良い睡眠をとること
睡眠不足になると、脳へのグルコースの供給が平均で6%低下します。
グルコースは脳の唯一のエネルギー源ですから、不足すると脳が適正に機能できなくなります。
ですから脳はあなたに甘いものをたくさん食べさせて、脳へのグルコースの供給を増やそうとします。
これが睡眠不足になると、ついつい甘い物などを食べ過ぎてしまう原因なのです。
ですからダイエットを成功させるためには、常に質の良い睡眠をとる必要があるのです。
ではどういったものが良い睡眠なのでしょう。
睡眠時間7時間30分以上でなるべく深い眠り
私たちの睡眠は、深い睡眠であるノンレム睡眠と、浅い夢を見る様なレム睡眠を交互に繰り返しています。
このノンレム睡眠とレム睡眠をセットにして、1セット90分を朝まで5回繰り返すと、ちょうど7時間30分になります。
脳を十分に休ませて健康を保つためには、平均で7時間30分の睡眠が必要になります。
そしてこの7時間30分をできるだけ深く眠ることで、睡眠の質を高めるのです。
ではどの様にして睡眠の質を高めるのでしょうか?
その夜の最初のノンレム睡眠をなるべく深く眠る
あなたがベッドに入って目を閉じると、寝付きの良し悪しの個人差はありますが、やがてあなたは眠りに落ちていきます。
そして、あなたが眠りに落ちると、そのままグッと深い眠りであるノンレム睡眠に入っていきます。
この夜の眠りの一番最初のノンレム睡眠が深ければ深いほど、その後の睡眠の波が深く安定したものになります。
反対に最初のノンレム睡眠が浅くなってしまうと、その後の睡眠の波がグダグダになって、睡眠の質が低下してしまいます。
ですから睡眠の質を高めるためには、その夜の最初のノンレム睡眠を、なるべく深く眠れる様にすることが大切なのです。
それには以下の様なポイントに注意します。
ノンレム睡眠を深くするためのポイント
⑴ 寝る30分~1時間前からテレビやPCをやめて脳を休めておく
⑵ 就寝1時間前までの入浴を済ませておく
⑶ 食事は眠る2時間前までに済ませておく
⑷ カフェインは午後2時以降は摂取しない
⑸ 運動は朝に行い夕方に走らない
⑹ 毎日10時前までに朝日を浴びる様にする
⑺ トリプトファンを含む食材を食べる様にする
以上の様なポイントに注意することで質の良い睡眠をとる様にします。
なぜ上記の7ポイントが必要なのかは、まとめではなく本文記事をお読みいただければと思います。
辛いのはダメ! 脳をコントロールして楽々ニューロダイエット! その4
ポイント3「運動編」: コアマッスルのコンディションを整えること
ダイエットに運動はつきものですね。
ただ食事制限だけで、運動を全くしないでキレイに痩せていくのは、かなり難しいでしょう。
ですから多くのダイエットでは、それなりの運動を推奨しています。
しかしトレッドミルの上で走ったとしても、自転車エルゴメーターを漕いだとしても、ご飯1杯分のカロリーを消費するのに、いったい何時間トレーニングを行えば良いのでしょうか?
それくらい運動でカロリーを消費するのは大変なことです。
そこで一般的には有酸素運動が推奨されていますね。
つまり軽い負荷で、30分程度の運動を、毎日行うことで、筋肉の赤身を増やし、有酸素代謝を増やすことで、基礎代謝を高める方法です。
しかしこの方法で、体の有酸素代謝を高めるためには、およそ半年から1年以上かかることが分かっています。
それでは少し悠長過ぎますよね。
私たち現代社会人は、もう少し迅速な効果を求めているのです。
そこでお勧めしたいのが、コアマッスル・トレーニングです。
コアマッスルとは、私たちの関節の土台を支える小さな筋肉で、大きなアウターマッスルへの司令塔みたいな役割を果たしています。
ラグビーやアメフトでいう、クォーターバックみたいな感じでしょうか。
このコアマッスルは、年齢とともに疲弊して活動が低下しやすく、それにつられてアウターマッスルの活動が上手くいかなくなります。
40歳くらいで、交差点でダッシュ出来なくなったりするのは、コアマッスルの機能が低下して、下肢全体の筋肉が上手に働けなくなっているからなのです。
決して筋肉が衰えているわけではありません。
ですから簡単に筋肉の活動性を高めて、基礎代謝を高めるためには、コアマッスルをケアするのが一番手っ取り早いのです。
ここでコアマッスル・トレーニングといっても、一般的に認知されているピラティスみたいに難しいものではありません。
もう少し簡単に行えるトレーニングがあるのです。
しかしまとめ記事で取り上げるには少し複雑ですので、このコアマッスル・トレーニングについては別記事で詳しく解説したいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
辛いのはダメ! 脳をコントロールして楽々ニューロダイエット! その5
最後までお読みいただきありがとうございます。
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