リハビリ裏話

リハビリの達人への近道

リハビリの達人への近道

 

リハビリの受け方が上手い方と下手な方がいるんです!

 

実はリハビリテーションをやっていて、リハビリの受け方が上手い方と、なんか良く分からないけど、受け方が下手な人がいるんです。

リハビリを施行する側のこちらとしては、きちんと評価してそれぞれの方に最適と思われるプランをご提供しているつもりなのです。

でもそのプランがスムースに進んで楽チンな方と、なんだか良くトラブルが起きて苦労する方がおられるのですね。

 

これはどういうことなのでしょうか?

私の見立てが悪いのでしょうか?

 

まあ確かに私の見立てが良くないかったということもあるのでしょう。

 

しかしリハビリテーションというものは、術者側が施行するものだけで成り立っているわけではありません。

リハビリテーションというものは、受ける側の主体的な行動にも大きく影響を受けるものなのです。

 

例えば外科の手術に関しては外科の先生の見立てと腕が全てです。 何せ患者さんは麻酔をかけられて寝ているだけなのですから。

しかし手術が終わった後の食事や生活の管理となったらどうでしょうか!

ここでも主治医や看護師からアドバイスが行われますが、実際に食事や生活習慣や運動を管理するのは患者さん自身ですよね。

ですから主治医や看護師からのアドバイスを上手に活かして自己管理ができる方と、そうでない方との間には、回復状態に結構な差がついたりします。

 

リハビリテーションの場合も似たようなことが言えるのです。

 

リハビリテーションには日常生活の上手な拡大が大切なのです!

例えば腰痛や膝の痛みを訴えていて、さらに足の筋力が低下してしまい上手に歩けなくなった方のリハビリを考えてみましょう。

理学療法士は痛みのある腰の筋肉や膝の周りの筋肉にアプローチして痛みを和らげたり、筋肉のコンディションを整えたりします。

また関節の運動機能を良くしたり、歩き方のアドバイスを行ったり、筋力トレーニングの自主トレの方法を説明したりもします。

そして次回にまたリハビリを行う時まで、ご本人が自主トレをしたり、歩く練習をしたりしてもらいます。

 

実はリハビリテーションの成功の鍵は、実際に理学療法士などがマンツーマンで行う手技ではなく、その後の日常生活をどうやって上手に拡大していくかがポイントなのです。

マンツーマンで行う手技は、日常生活の拡大に伴う負担による痛みや筋肉のコンディションの問題を解決するために行うようなもので、身体の機能はやはり普段の生活がどうなっているのかが強く反映されます。

 

そして数日後にまたお会いした時に、非常に良い状態で練習が進んでして、筋肉のコンディションも良好で、歩き方も良くなっており、何の問題もなく次のステップに進める方と、再び痛みが出てしまっていたり、一人で歩いていて転んでしまっていたり、変な歩き方に変わってしまっている方もおられます。

 

これはどうしてなのでしょうか?

私の説明が不十分で未熟だったせいなのでしょうか?

 

実はこの世の中には、私の未熟なアプローチやアドバイスでもどんどん良くなる「リハビリの達人」と、そうでない方がいるようなのです。

 

そして己の未熟さを顧みず、出来ることなら「リハビリの達人」ばかりを相手に仕事を出来たら楽チンなのになあと内心で思っている横着者の私がいるのです。

 

 

リハビリの達人への近道!

実はこのリハビリの達人にはある共通の特徴があることが、最近の私の研究で明らかにされました。(笑)

そのリハビリの達人の特徴は、「自分の身体の声に上手に耳を傾けている」ということなのです。

 

実は皆さんの内側には「心の声」と「身体の声」があるのです。

 

「心の声」と「身体の声」とは一体なんなのでしょう?

 

ではここで「心の声」と「身体の声」のそれぞれの声に耳を傾けてみましょう。

 

心の声

「絶対にもう一度歩けるようになって旅行に行きたいから、今日もなんとしても立ち上がりの練習を100回頑張るぞ」

身体の声

「えー! 昨日も100回やったけど、そのおかげで今日は朝から膝が痛くて仕方ない。 今日は100回は無理だよ」

心の声

「そんなこと言ってサボってたらいつまでたっても歩けるようにならない。 私は早く歩けるようになって温泉に行きたいんだ。」

身体の声

「温泉には入りたいけど、杖ついて温泉には入れないでしょう」

心の声

「それなら杖なしで歩く練習が必要だ。 今から杖なしで歩く練習をするぞ。」

身体の声

「そりゃ無理だって。 まだ片足に安定して体重をかけられないじゃないか。 転んで怪我をするぞ。」

心の声

「そんなことを言っていたらいつ温泉に入れるか分からない。 それ歩くぞ。」

 

ドスーン!

 

とまあこんな感じでしょうか。

 

心の声は皆さんの願望や理想を表しています。 身体の声は、今の等身大の自分の状態を表しています。

 

若い頃は真面目な仕事人間だった皆さんは、心の声に従って、疲れたと悲鳴を上げている身体の声をねじ伏せて、必死に仕事をして家族を養い、出世の階段を登ってきたことでしょう。

ですから今の生活があるのですね。

仕事に関してはそれでも良いのです。

 

でも問題がリハビリテーションの場合は、それはちょっとまずいのです。

 

リハビリテーションの場合は、適切な運動量を設定したり安全な運動を行って効果を出すためには、身体の声に従って上手に運動をする必要があるのですね。

そして身体の声をよく聞いて、自分の心の声である、「こうしたい。 こうなりたい。」という叫びと上手く折り合いをつけながら、適切な運動量や運動内容をご自分で調節できる方が「リハビリの達人」になれるのです。

 

これは心の声が怠け者で、「もう面白くないから今日はノンビリ寝ていたい」と言っているような場合でも、身体の声は逆に「昨日もそんな感じで色々言い訳して寝てたでしょう。 少し運動すれば気分も身体もスッキリするから頑張ろうよ。 あなたも気づいてると思うけど、最近は足の力が落ちてきているよ。」と言っています。

 

皆さんはどうですか?

 

どうせリハビリテーションを頑張らなければならない運命なら、「リハビリの達人」になりたいと思いませんか?

一度あなたの「心の声」と「身体の声」に耳を傾けてじっくりと聞いてみませんか。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

次回は

神経解剖学者によって脳卒中リハビリにかけられた呪い

 

 

こちらもお読みください!

「戦略的脳卒中自主トレリハビリテーションとは?」

 

 

脳卒中片麻痺の自主トレテキストを作りました!

まずは第一弾として皆様からご要望の多かった、麻痺側の手を動かせるようにしたいとの声にお応えするために、手のリハビリテキストを作りました。

手の機能を改善させるための、ご自宅の自主トレで世界の最先端リハビリ手法を、手軽に実践する方法を解説しています。

超音波療法や振動セラピー、EMS療法による神経促通など、一般病院ではまず受けられないような、最新のリハビリアプローチが自宅で実行できます。

現在の日本国内で、このレベルの在宅リハビリは他にはないと思います。

そしてこのプログラムは施設での実施にて、すでに結果が認められています。

あとは皆さんの継続力だけですね。

テキストは電子書籍になっており、インフォトップと言う電子書籍の販売ASPからのダウンロードになります。

全180ページに数百点の写真と3D画像などで分かりやすく解説しています。

コピーが容易な電子書籍の性格上、少し受注の管理やコピーガードなどが厳しくなっていますが、安全にご利用いただくためですの、ご容赦くださいね。

ぜひ一度お試しください。

脳卒中手の機能テキスト02

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