はじめに
前回の『最新の脳卒中片麻痺に対する振動セラピーで驚くほど痙性が軽くなる』では、振動セラピーの導入として、脳卒中片麻痺への振動セラピーの効果と日用雑貨で構築する自宅での振動セラピー機器について解説しました。
脳卒中片麻痺への振動セラピーの効果のまとめ!
- 麻痺側の手足への筋コンディショニングに振動セラピーを併用することで。
- 筋肉への血流改善とリンパ液の還流を高める効果が期待できる。
- 筋肉の緊張を和らげる効果が期待できる。
- 筋肉の痛みを軽くする効果が期待できる。
- 片麻痺に対する神経促通運動に振動セラピーを併用することで。
- 麻痺側の筋肉の運動の状態をより効果的に脳に伝えることが期待できる。
- 麻痺側の関節の運動の状態をより効果的に脳に伝えることが期待できる。
- 神経促通運動の効果をより高めることが期待できる。
自宅での振動セラピーの自主トレには特別な機材が必要なの?
病院のリハビリセンターで振動セラピーを行うためには、大変高価な専門機材が必要になります。 ですが今回は私が必死に知恵を絞って考えた結果、皆さんが自宅での自主トレとして振動セラピーを行うのに、以下に挙げるような簡単な機材のみで振動セラピーが可能になりました。 ご自宅での振動セラピーを行うために必要な機材は以下のようなものです。
振動セラピーに必要な機材
- 中型犬のお散歩用のリード(2本)
- 犬の赤ちゃん用首輪(2個)
- 小型のマッサージ用バイブレーター(2本)
- L字金具(2個)
- 小型のカラビナ(2個)
- タコ足配線用の電源タップ(1個)
必要な機材は以上です。 さああなたも今すぐ家電量販店とホームセンターにゴー!
ご自宅での設置方法は以下を参考にしてください。
スリングの設置と設定
① 部屋の鴨居などに L字型のフックを 90 cm 間隔で2個並べてつけてください。 そこから中型~大型犬用のお散歩用リードを垂らして、持ち手側の輪を下になるようにします。
(L字型フックを設置します)
(フックにリードの金具を引っ掛けます)
(リードの長さを調整する方法)
(犬用のお散歩用リードを垂らします)
(赤ちゃん子犬用の首輪を用意します)※ 首輪周り10〜15 cm用
(首輪を台紙から外して付属の鈴を取ります)
(首輪のサイズを一番小さくなるように調節します)
(小さめのカラビナを用意します)
(カラビナと犬の首輪を繋げます)
(小型のバイブレーターを用意します)※ バイブレーターはもっともオーソドックスな小型の物をご用意ください!
(バイブレーターの首の部分に犬の首輪を巻きつけます)
(同じものを2本ご用意ください)
(カラビナを利用してスリングにバイブレーターをぶら下げます)
(二つ並べてぶら下げます)
※ 初期設定は以上です!
今回は振動セラピーを併用した脳卒中片麻痺の上肢機能への神経促通運動をご紹介します。
肩甲帯の運動機能を高める神経促通運動(開始姿勢)
- まずは麻痺側の手をリードの輪に通し麻痺側の指でリードをつかみます。
2. さらに健側の手をリードの輪に通し健側の指でリードをつかみます。
3. 両手の高さは胸の高さに調節します。
4. 左右の肘から力を抜いて、肘を両脇につけるようにしながら肘を下に降ろしておきます。
肩甲帯の上下運動を促通する運動
- まずは開始姿勢から両肩をすくめるように動かします。 この時にあまり力みすぎないように気をつけます。 また左右の肩を同じ高さに上げるように意識します。健側の肩を力まずに軽く上げながら、麻痺側の肩も同じくらいの力で上げるように、左右の肩の力の入れ方がなるべく同じになるように意識します。
※ 力みすぎないように注意してください!
2. ついで両肩から自然に力を抜くようにして両肩を降ろします。
3. この運動をこの運動をスリングの振り子のリズムとバイブレーターの振動を意識しながら力まずにリズミカルに30回繰り返します。
肩甲帯の前後の運動を促通する運動
- まずは開始姿勢から両肩を揃えるように前に動かします。 この時にあまり力みすぎないように気をつけます。 また左右の肩を同じくらいに前突き出すように意識します。健側の肩を力まずに軽く動かしながら、麻痺側の肩も同じくらいの力で突き出すように、左右の肩の力の入れ方がなるべく同じになるように意識します。
2. ついで両肩を揃えるように後ろに動かします。 この時にあまり力みすぎないように気をつけます。 また左右の肩を同じくらいに後ろに引くように意識します。健側の肩を力まずに軽く動かしながら、麻痺側の肩も同じくらいの力で引くように、左右の肩の力の入れ方がなるべく同じになるように意識します。
3. この運動をこの運動をスリングの振り子のリズムとバイブレーターの振動を意識しながら力まずにリズミカルに30回繰り返します。
肩関節の回旋運動を促通する運動
- まずは開始姿勢から両肘を揃えて脇を開くようにしながら肘をあげます。 この時にあまり力みすぎないように気をつけます。 また左右の肘を同じ高さに上げるように意識します。健側の肘を力まずに軽く上げながら、麻痺側の肘も同じくらいの力で上げるように、左右の肘(肩関節)の力の入れ方がなるべく同じになるように意識します。
2. ついで両肩から自然に力を抜くようにして両肘を降ろします。
3. この運動をこの運動をスリングの振り子のリズムとバイブレーターの振動を意識しながら力まずにリズミカルに30回繰り返します。
上肢全体の屈伸運動を促通する運動
- まずは開始姿勢から健側の腕を前に突き出すように動かします。 この時にあまり力みすぎないように、自然に腕を前に突き出していきます。
2. ついで健側の腕を元の位置にひき戻しながら、麻痺側の腕を前に突き出すように動かします。 この時にあまり力みすぎないように、自然に腕を前に突き出していきます。 完全に腕が伸びきらなくても、力んで無理やり動かさないように気をつけてください。
3. この運動をこの運動をスリングの振り子のリズムとバイブレーターの振動を意識しながら力まずにリズミカルに30回繰り返します。
※ これらの運動を行う上で、常にリードの弛みができないように注意してください。
※ あくまでも運動はリードの揺れに合わせる形で、なるべくリラックスしながら行います。
脳卒中片麻痺への振動セラピーを併用した上肢機能の神経促通運動は以上です!
次回は
についてご説明します。
最後までお読みいただきありがとうございます
最新の脳科学に基づく脳卒中片麻痺の回復に関する記事はこちら
「脳卒中片麻痺を治す最新の脳科学に基づく脳卒中ニューロリハビリテーションの在宅での実施方法」
注意事項!
この運動は、あなたの身体状態を評価した上で処方されたものではありません。 ご自身の主治医あるいはリハビリ担当者にご相談の上自己責任にて行ってくださるようお願い申し上げます。
脳卒中片麻痺の自主トレテキストを作りました!
まずは第一弾として皆様からご要望の多かった、麻痺側の手を動かせるようにしたいとの声にお応えするために、手のリハビリテキストを作りました。
手の機能を改善させるための、ご自宅の自主トレで世界の最先端リハビリ手法を、手軽に実践する方法を解説しています。
超音波療法や振動セラピー、EMS療法による神経促通など、一般病院ではまず受けられないような、最新のリハビリアプローチが自宅で実行できます。
現在の日本国内で、このレベルの在宅リハビリは他にはないと思います。
そしてこのプログラムは施設での実施にて、すでに結果が認められています。
あとは皆さんの継続力だけですね。
テキストは電子書籍になっており、インフォトップと言う電子書籍の販売ASPからのダウンロードになります。
全180ページに数百点の写真と3D画像などで分かりやすく解説しています。
コピーが容易な電子書籍の性格上、少し受注の管理やコピーガードなどが厳しくなっていますが、安全にご利用いただくためですの、ご容赦くださいね。
ぜひ一度お試しください。