脳卒中リハビリ

麻痺側の肘の運動機能を高めるリハビリ

麻痺側の肘の運動機能を高めるリハビリ

 

はじめに

今回は麻痺側上肢の運動機能を高めるために行う麻痺側の肘関節の周囲の筋肉に対するコンディショニングを中心に肘関節の運動機能改善についてご説明いたします。

 

肘関節の特性と肘関節を動かす筋肉のコンディショニングについて

前回ご説明した肩関節に比べると、肘関節の運動方向はたいへん限定的で肘を曲げる伸ばすの運動しかできません。

そして肘関節は肩関節に比べると関節の構造や運動も単純です。

ですから肘関節の周囲には肘関節の動きを微調整する筋肉はあまりなく、アウターマッスルという肘を大きく動かす筋肉が中心となっています。

ですから肘関節の動きが悪いということは、この大きな筋肉が強張っていることになります。

肘関節の動きを改善する場合は、この大きな筋肉(上腕二頭筋、上腕三頭筋、腕橈骨筋など)のストレッチを行って肘関節の動きを獲得することが重要となります。

 

肘関節周囲のアウターマッスルについて

肘関節は運動方向も関節構造も単純なため、肘関節の運動に強い影響を与えるようなコアマッスルは存在しません。

ですから肘関節の運動制限の原因の多くは肘関節の運動にかかわる大きなアウターマッスルを呼ばれる筋群です。

肘関節の運動にかかわるアウターマッスルの主なもの

⑴ 上腕二頭筋:  肘関節を曲げる(力強くゆっくり曲げる)

上腕二頭筋 L001

⑵ 腕橈骨筋: 肘関節を曲げる(素早く曲げる)

腕橈骨筋 L2

⑶ 上腕三頭筋: 肘関節を伸ばす

上腕三頭筋 L001

肘関節の運動の改善にはこれらの筋肉のストレッチを中心とした運動を行って肘関節の運動機能を改善する必要が有ります。

 

① 肘関節周囲筋のストレッチ運動

上腕二頭筋のストレッチ

上腕二頭筋 L1

⑴ 安定した椅子に浅く座って両足を肩幅に開いて左右の足が前後にずれないように前後方向を揃えて座ります。 目の前のテーブルに薄めのクッションを置きます。

IMG_2920

⑵ テーブルの上のクッションに麻痺側の肘を載せます。

IMG_2923

⑶ 健側の手で麻痺側の手首を持ち、麻痺側の手のひらをなるべく上に向けるように持ち直します。

IMG_2924

⑷ そのまま健側の手で麻痺側の手首を前下方向に押し下げるようにしながら、麻痺側の肘を伸ばします。 ゆっくり伸ばしていき痛みのないギリギリまで肘を伸ばしたら、そこで10秒間固定してストレッチを行います

IMG_2926

(健側の手で麻痺側の手首を支えます)

脳卒中肘運動001

(ゆっくりと麻痺側の肘を伸ばしていきます)

脳卒中肘運動002

(麻痺側の肘を可能な限り伸ばします)

 

⑸ 肘を完全に伸ばしたらゆっくり元の位置にもどします。

脳卒中肘運動004

この運動を10回繰り返します。

 

腕橈骨筋のストレッチ

腕橈骨筋 L2

⑴ ついで健側の手で麻痺側の手首を持ち、麻痺側の手のひらをなるべく横に向けるように持ち直します。

IMG_2933

⑵ そのまま健側の手で麻痺側の手首を前下方向に押し下げるようにしながら、麻痺側の肘を伸ばします。 ゆっくり伸ばしていき痛みのないギリギリまで肘を伸ばしたら、そこで10秒間固定してストレッチを行います

IMG_2929

(開始姿勢)

脳卒中肘運動004

(手のひらを横に向けたまま肘をゆっくりと伸ばします)

脳卒中肘運動005

(肘を可能な限り完全に伸ばします)

⑶ ゆっくり元の位置にもどします。

脳卒中肘運動006

この運動を10回繰り返します。

 

上腕三頭筋のストレッチ

上腕三頭筋 L1

⑴ ついで健側の手で麻痺側の手首を持ち、麻痺側の手のひらをなるべく上に向けるように持ち直します。

IMG_2934

⑵ そこから健側の手で麻痺側の手首を持ち上げるようにしながら、ゆっくりと肘関節を曲げていきます。 痛みのないギリギリまで肘を曲げたら、そこで10秒間固定してストレッチを行います。

IMG_2935

(開始姿勢)

脳卒中肘運動007

(ゆっくりと肘を曲げていきます)

脳卒中肘運動008

(可能な限り肘を完全に曲げます)

⑶ ゆっくり元の位置にもどします。

脳卒中肘運動009

この運動を10回繰り返します。

これで肘の屈筋群および伸筋群へのストレッチは終了です。

ストレッチは急ぎすぎないようにゆっくりと痛みに注意しながら行ってください。

肘関節のアウターマッスルに対するストレッチ運動は以上で終了です

 

次回は

「麻痺側の手首の運動機能を高めるリハビリ」

手関節の運動機能を高めるための運動方法についてご説明いたします。

 

最後までお読みいただきありがとうございます

 

注意事項!

この運動は、あなたの身体状態を評価した上で処方されたものではありません。 ご自身の主治医あるいはリハビリ担当者にご相談の上自責任にて行ってくださるようお願い申し上げます。

 

 

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